Formula Nippon

FN:第8戦SUGO ロイック・デュバル選手 最終戦で今シーズン4勝目を飾り、塚越広大選手は4位入賞、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得 (HONDA)

fn090927002L.jpg

  • 決勝:2009年9月27日(日)
  • 会場:スポーツランドSUGO(3.704km)
  • 天候:予選/晴れ、決勝/曇りのち小雨
  • 気温:17℃(14:30時点)
  • 路面温度:22℃(14:30時点)
  • 決勝レース:62周(229.648km)
  • コースコンディション:決勝/ドライのちウエット
  • 観客:1万5500人(主催者発表)

 9月27日(日)、宮城県・スポーツランドSUGOにおいて2009年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第8戦の決勝レースが開催された。

 今大会でシーズン最終戦となるフォーミュラ・ニッポンは、第7戦で最終戦を待たずして#31 ロイック・デュバル選手(NAKAJIMA RACING)が初のドライバーズ・チャンピオン、NAKAJIMA RACINGが7年ぶりのチーム・チャンピオンを決めている。今大会はシリーズ2位の座を狙う#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)と、ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得の期待がかかる#10 塚越広大選手(HFDP RACING)に注目が集まった。

 秋晴れの26日(土)に行われたノックアウト方式による公式予選では、Honda勢3チーム5台すべてが第2セッションへと駒を進めた。第2セッションでは、小暮選手がSUGO全カテゴリーのコースレコード(1分6秒514)更新となる1分6秒332を叩き出し、トップで通過した。

 続いて行われた第3セッションでは、チームメートで今季チャンピオンのL.デュバル選手が今シーズン3度目となるポールポジションを獲得。また、小暮選手が2番手、塚越選手が3番手と続き、決勝レースに向けて好位置を獲得し、Honda勢が上位3グリッドを独占した。また、#41 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は8番手、#40 リチャード・ライアン選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)は11番手からの決勝となった。

 27日(日)に行われた決勝レースは、スタート直前に霧雨が降る天候となったが、路面はドライコンディションだったために、全車13台がスリックタイヤでスタートした。ホールショットを奪ったのは、2番手スタートの小暮選手だった。小暮選手はトップのままオープニングラップを終え、ポールポジションのL.デュバル選手が2位、一時は順位を下げたもののポジションを奪い返した塚越選手が3位を走行し、Honda勢による1-2-3態勢を形成した。R. ライアン選手は8位、伊沢選手は10位と続く。

 6周目、ホームストレート上でR.ライアン選手と伊沢選手が接触し、伊沢選手のマシンはフロントウイングを損傷したためにピットインを強いられた。また、R.ライアン選手もマシンバランスを大きく崩したことによりペースを上げられず、伊沢選手は12位、R.ライアン選手は13位まで順位を下げた。

 スタート直前から降り出した雨は次第に強まり、路面はハーフウエット状態となった。各ドライバーがレインタイヤへの交換を選択するかを悩む中、トップを走行する小暮選手は13周目に先陣を切ってピットインを敢行。スリックタイヤからレインタイヤに交換してコースに復帰した。しかし、雨脚は思ったほど強くならず、スリックタイヤのままで走るマシンのタイムが落ちない。8位に後退した小暮選手は順位をばん回できずに苦しい走行を続けたが、19周目に2回目のピットインを敢行し、スリックタイヤへ戻した。

 ところが、レース中盤から、少し雨量が増え始めたために路面がウエット状態へ変化し、スリックタイヤを履くマシンは厳しいドライビングを強いられる展開となった。

 小暮選手に代わり、レースをリードしていたL.デュバル選手は、スリックタイヤでウエットコンディションの路面を粘り強く走行していたが、22周目の馬の背コーナーでオーバーランして順位を下げることとなった。これにより、同じくスリックタイヤでL.デュバル選手を追っていた塚越選手がトップに躍り出る。順位を下げたL.デュバル選手は、レインタイヤに履き替えて追い上げを図る作戦に切り替え、5位でコースへ復帰した。

 トップを走る塚越選手を含めた上位3台はいまだピットストップを行っておらず、スリックタイヤのまま走行を続ける。しかし、先にレインタイヤに交換したL.デュバル選手が激しいペースで追い上げて、28周目で4位のL.デュバル選手と上位3台のタイム差は30秒134に縮まった。

 レース中盤を迎えた31周目、トップの塚越選手がピットインを敢行。上位選手のピットインにより2位まで浮上したL.デュバル選手は1分26秒台のハイペース走行を続け、35周目のSPインコーナー手前でついにトップに返り咲いた。その後も快調にトップを走行したL.デュバル選手は、後続との差を 14秒以上に広げて独走態勢を築く。

 レインタイヤに交換した塚越選手は、好調な走りで7位から4位までポジションを上げた。48周目の2コーナーでスピンを喫したために再び5位へ後退したものの、57周目には4位を奪い返す力走をみせた。

 レースはこのままファイナルラップを迎え、L.デュバル選手は2番手とのマージンを保ちながら、ウエットコンディションでも安定したペースをキープして62周を走りきり、今季4勝目を飾った。塚越選手は4位でチェッカーフラッグを受け、シリーズポイントランキング7位とルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した。小暮選手が10位、伊沢選手が11位、R.ライアン選手が13位で完走を果たした。Hondaエンジンはドライバーズタイトル、チームタイトル、ルーキー・オブ・ザ・イヤーの3冠獲得に貢献した。

コメント
坂井典次(Tenji Sakai)|「HR09E」開発責任者
 「今シーズンもHondaにご声援いただきましてありがとうございました。今日はL.デュバル選手がチャンピオンらしく最終戦を優勝してくれて、今シーズンに有終の美を飾ってくれたことをうれしく思います。また塚越選手は、いったんはレースをリードして表彰台のチャンスも十分あったのですが、非常に惜しい結果になりました。しかしながら各ドライバーともエンジンの力を 100%発揮してくれ、最終戦にふさわしいレースだったと思います。今シーズンは新開発「HR09E」の初年度でありましたが、エンジン開発の方向性は間違っていなかったことが証明できたと思います。結果的には、 L.デュバル選手がドライバーズタイトル、NAKAJIMA RACINGがチームタイトル、塚越選手がルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得してくれましたので、フォーミュラ・ニッポンの3冠獲得に貢献できたことが開発責任者としては何よりの喜びです。もうすでに来シーズンに向けてのスタートが切られました。今シーズンの勝利に慢心することなく、エンジン開発プログラムを推進し、連覇を目指したいと思います」
ロイック・デュバル選手(優勝 #31 NAKAJIMA RACING)
 「今日は、序盤からの雨により、スリックタイヤでは徐々にペースが下がる展開でしたので、いいタイミングでタイヤ交換を行えたと思います。今日のような難しい展開でも勝利することができたのは、メカニックをはじめとしたチームスタッフのおかげです。今シーズンは優勝4回、ポールポジション3回を獲得することができました。シーズン全体を振り返って言えることは、僕たちはチームワークでチャンピオンになったということです。1つのことがよくなったのではなく、チームすべてのパフォーマンスが上がったことによる結果だと思っています」
塚越広大選手(4位 ルーキー・オブ・ザ・イヤー獲得 #10 HFDP RACING)
 「ルーキー・オブ・ザ・イヤーは、一生に一回しか取れないタイトルですので、今シーズンは、自分が獲得することができて光栄に思っています。これはチームのみなさんが、一生懸命に自分を走らせてくださった結果ですので、本当に心から感謝したいと思います。しかしながら、タイトル獲得はうれしいのですが、まずは優勝したかったというのが正直な気持ちです。チャンスはあったものの手に入れられなかったのは、まだまだ自分に足りないものがあるからだと思います。ファンのみなさん、ご声援ありがとうございました。今年の一戦一戦がいい勉強になりましたので、これからもさらにいいレースができるようにがんばります。これからも応援よろしくお願いします」
Text & Photo: HONDA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース