全日本選手権フォーミュラニッポン第7戦は16日、スポーツランドSUGOで決勝を行い、ポールポジションからスタートした小暮卓史(PIAA NAKAJIMA)が一度もトップを譲ることなく62周を走って優勝した。2位にはブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL)、3位にはロイック・デュバル(PIAA NAKAJIMA)が入った。
晴天に恵まれたスポーツランドSUGOは午前中から気温がぐんぐん上昇。蒸し暑い中で決勝を迎えることとなった。フォーメーションラップ1周をまわっていよいよ決勝レースがスタート。
ポールポジションの小暮卓史(NAKAJIMA)は好スタート。1コーナーでホールショットを奪う。2位にはアウトからロイック・デュバル(NAKAJIMA)、本山哲(Arabian Oasis IMPUL)と2台をパスした予選4位のブノワ・トレルイエ(mobilecast IMPUL)が上がってきた。3位にはデュバル、4位に本山、5位は松田次生(mobilecast IMPUL)、6位にロニー・クインタレッリ(INIGNG)。
しかし、後方集団ではビヨン・ビルドハイム(DANDELION)が2コーナーイン側で姿勢を乱し、これに荒聖治(TOM'S)、吉本大樹(5ZIGEN)が絡むアクシデントが発生。コース上のマシンを排除するために1周目からペースカーが導入された。
ペースカーは5周隊列を先導してピットイン。6周目からレース再開された。ここでも小暮がトレルイエの追撃をかわしトップを守って1コーナーへ。
小暮は1分11秒台のタイムを連発し、後続を引き離しにかかる。10周を過ぎた頃にはその差は3秒余り。しかしこの頃からトレルイエ、デュバルも同じようなタイムを刻み始め上位3台は2~3秒差でこう着状態に入った。
23周目、1コーナーでカルボーンをパスし13位に上がったオリベイラがその直後コースアウト。グラベルに飛び出しマシンを降りた。
レースは丁度半分31周を消化した。トップ小暮、2位トレルイエ、3位デュバルはお互い2秒前後の差で相変わらずこう着状態。タイヤの摩耗を計算しつつお互いの差をコントロールする頭脳戦の様相を呈してきた。
4位の本山はトップ集団から15秒、5位の松田には7秒ほどリードし、完全な単独走行。松田は6位のクインタレッリに攻め立てられている。その直後に、7位井出有治(ARTA)、8位アンドレ・ロッテラー(TOM'S)、少し離れて9位に横溝直輝(INIGNG)がつけている。
その横溝は33周目の1コーナーでミハエル・クルム(Arabian Oasis IMPUL)にパスされると続いて金石年弘(ARTA)、片岡龍也(LeMans)、ファビオ・カルボーン(DANDELION)にもかわされずるずると後退。13位まで落ちてしまった。
45周目、5位集団にクルムが追いつき、5位松田、6位クインタレッリ、7位井出、8位ロッテラー、9位クルムまでは接近戦。そして46周目のSPコーナーで井出が姿勢を乱し、ロッテラーにパスされ8位に落ちる。
さらに井出、クルムの8位争いに金石、片岡が追いつく。そして49周目の馬の背コーナーでクルム、井出がスピン。この2台に直後につけていた金石、片岡のマシンが絡んだ。片岡のマシンは宙を舞って金石、井出、クルムのマシンを飛び越えグラベルに落ちた。これによりこのレース2度目のペースカーが導入されることとなった。
ペースカーがピットインし、54周目からレースリスタート。2位トレルイエが各コーナーでトップ小暮のインを伺うが小暮も巧みにこれを抑える。トレルイエの背後にはデュバルも迫ってきたが仕掛けられる間隔ではない。
レース終了。結局、小暮は最後の力を振り絞ってトレルイエを突き放し、今季2勝目のチェッカーを受けた。2位にトレルイエ、3位にデュバルが入った。
4位は本山、5位に松田、6位立川、7位にロッテラー、8位がクインタレッリ。ここまでがポイント圏内。
これにより、ドライバーズ選手権は2位に入ったトレルイエが39ポイントでトップ。トップだった松田は37ポイントで2位に落ちた。このレースで優勝した小暮は31ポイントで3位に上がってきた。
第8戦は10月21日にツインリンクもてぎで開催される。
Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: Motorsports Forum