Formula Nippon

FN:第6戦富士決勝 熾烈なドッグファイトを制し、アンドレ・ロッテラーが今季初優勝

富士スピードウェイで開催された2007全日本選手権フォーミュラニッポン第6戦決勝は、 スタートでアクシデントが発生してセーフティーカーが導入される波乱の幕開けとなった。
この乱戦を制したのは#36アンドレ・ロッテラー(DHGトムス)。 SCランの最中にピットストップを済ませたことでレース中盤トップに立った#7片岡龍也を8周にもわたるドッグファイトの末に競り落とし、 見事昨年11月の第9戦鈴鹿以来9ヶ月ぶりの優勝を達成することとなった。

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第6戦決勝は午後2時30分にスタート。
ここで2番グリッドの#32小暮卓史がエンジンストール。#20ミハエル・クルムがこれをよけきれずに追突してしまい、 この2台が大破した状態でコース上に留まったため、2周終了時点でセーフティーカーが導入されることとなった。
この時点でのトップはポールシッターの本山哲。2番手にはロッテラーがつけ、小暮のチームメイトの#31ロイック・デュバルが3番手だ。 ロッテラーは松田次生がグリッド降格となったために小暮の真後ろからスタートせずに済み、難を逃れた格好だ。

セーフティーカーランの続く中、3周終わりで片岡がピットイン。4周終わりで#37荒聖治、 5周終わりで#6吉本大樹もピット作業をここで済ませた。
このことがレース後半大きな意味を持つことになる。

セーフティーカーは6周終わりでピットロードへ。7周目からレース再開となった。
すかさず1コーナーでアウトからトップの本山に挑みかかるロッテラー。がっちりインを閉める本山。 しかし立ち上がりで本山がアウトに膨らんでしまい、ロッテラーがトップに立つ。

本山はペースが上がらず、8周目にはデュバル、10周目にはトレルイエ、12周目には立川と次々にパスされていく。
本山は19周終わりで早めのピットストップを済ませ、挽回を図るが、トラブルを抱えている様子で再びじりじりと順位を落としていき、 44周で自らガレージに戻ってレースを終えた。

そのころ上位陣では、デュバルがハイペースでロッテラーを追い上げ、13周目の1コーナーでインをついてトップに浮上する。
デュバルは、そのまま一気に突き放しにかかり、15秒以上ものリードを築き上げて33周終わりでピットインに飛び込んだ。
作業時間は35秒。かなり軽めの燃料搭載量でスタートしていたようだ。

これでトップは再びロッテラーに。
ロッテラーは36周終わりでピットへ。こちらの作業時間は13.9秒だ。
ロッテラーは難なくデュバルの前でコースに復帰した。

こうしてレース中盤に上位陣が次々にルーティンストップを済ませる度に、じりじりと順位を上げていくドライバーが二人いた。
SCランの最中にピットストップを済ませた片岡と荒だ。

片岡は41周目には2位に。そして46周終わりで最後までコースに留まっていた#33ロニー・ クインタレッリがピットに飛び込んだところで遂にトップに立った。
後ろからはロッテラーが猛然と追い上げてきている。

ロッテラーは44周目の最終コーナーで遂に片岡のスリップにつくと、一気にホームストレートで並びかけにかかる。 しかし片岡はこれをけん制。1コーナーでのブレーキング競争では懸命にロッテラーを押さえ込む。
片岡が同一周回だと気づかないロッテラーは困惑し、こぶしを振り上げてアピールする。 無線でチームから彼がラップリーダーであることを知らされても、俄かには信じられない。
それでも果敢に1コーナーで片岡に挑んでいくロッテラー。
既に40周以上を走って消耗しきったタイヤに苦しみながらも、それを必死で押さえ込む片岡。
両者のバトルは延々9周に及んだ。
走しているうちに後方からデュバルとトレルイエも接近し、48周が過ぎる頃には、4台の団子状態でのトップ争いとなっていく。

50周目の1コーナーでタイヤスモークを上げながら強引にアウトから被せにかかるロッテラー。
がっちりインを固めて譲らない片岡。
一旦は前に出たロッテラーは立ち上がりでアウトに膨らみ、再び片岡の先行を許す。
この周のダンロップコーナーでは、トレルイエがデュバルを進入で抜き去り、3位に浮上した。

ここからロッテラーは1位片岡、3位トレルイエの二人を相手にしなければならなくなった。
しかし片岡のタイヤはもう限界。この気に乗じてリードを築くこともままならない。
次第にロッテラーは、1コーナーだけでなくありとあらゆるポイントで片岡に仕掛けていくようになった。

そして53周目の1コーナー。
インに並びかけたロッテラーの隣で踏ん張っていた片岡が、立ち上がりでタイヤをダートに落として失速。遂にここで均衡が破れることとなった。
すぐさま2位に落ちた片岡に挑みかかるトレルイエ。ダンロップ進入でオーバーランした片岡を、トレルイエが、デュバルが、 荒が抜き去っていく。

とうとう力尽きた片岡は、次第に順位を落としていき、58周目のコカコーラコーナーで立川を押さえ込もうとしてスピン。 ここでレースを終えることとなった。

トップを奪い返したロッテラーは、トレルイエの追撃を跳ね除けながら残り12周を走りきり、長く激しい戦いを勝利で終えた。
この勝利はロッテラーにとって今季初。昨年11月の第9戦鈴鹿以来の勝利だ。

一方、ポイントリーダーの松田は序盤こそ着実に順位を上げていたものの、 途中インダクションポッドに雀が飛び込む予想外のアクシデントで失速、ノーポイントに終わった。
これにより、2位でフィニッシュしたトレルイエはシリーズポイント2位に浮上するとともに、松田に2ポイント差に迫ることとなった。

次回はスポーツランドSUGO。9月16日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum



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