全日本選手権フォーミュラニッポン第5戦の決勝レース1は、ポールポジション#1松田次生(LAWSON TEAM
IMPUL)が優勝。スタートで順位を落としたものの見事に挽回して30周を走りきった。
また8位には#7本山哲(Team LeMans)が入り、レース2のポールポジションを獲得した。
レース1は午後1時スタート。
ポールの松田が出遅れ、セカンドポジションの#2ブノワ・トレルイエがトップで1コーナーへ。
2位に松田、3位には4番手スタートの#5金石年弘がつけ、4位に#36アンドレ・ロッテラー、
3番手スタートの#32小暮卓史は5位に後退した。
その後方でも激しく順位が入れ替わる中、相次いでアクシデントが発生していた。
まず1周目のヘアピンで本山と#4J.P.オリベイラが接触、130Rでは#40松浦孝亮が飛び出し、
#48立川祐路も他車との接触からリヤタイヤを切ってピットインを余儀なくされる。
さらに2周目の1コーナーでは#8石浦宏明がコースアウト。
しかしいずれのドライバーもすぐにレース復帰を果たし、順位を取り戻そうと懸命のドライブを続ける。
一方、予選では最後列に沈んだARTAの#55井出有治、#56伊沢拓也は1周目で見事なジャンプアップを果たし、井出15位、
伊沢14位でオープニングラップを終えた。
スタートでトレルイエの先行を許した松田だったが、3周目のシケインからトレルイエの攻略に取り掛かり、 遂に4周終わりのホームストレートでトレルイエを捉えてトップを奪い返すと、そのままハイペースで逃げにかかる。
抜かれたトレルイエは5周目のスプーン手前で金石にインに飛び込まれ、アウト側のグリーンゾーンに飛び出してしまった。 芝生の上をスロー走行しながらコースに戻ったトレルイエはそのままピットイン。一旦はタイヤを交換してコースに戻ったが、 リヤの挙動に違和感を感じ、その後は何度もピットインとピットアウトを繰り返す状態に陥り、 このレースを最下位で終えることとなってしまった。
2位に浮上した金石の後方ではロッテラーと小暮がテール・トゥ・ノーズ状態で周回を重ねるが、
ロッテラーの執拗なブロックを小暮はどうしても切り崩せない。そのうちオリベイラも次第に2台との間隔をつめていき、
三つ巴の3位争いとなっていった。
更にその後方では#20平手晃平に#31ロイック・デュバルが何度も並びかけるが、平手もカウンターステアを当てながら懸命に押さえ込む。
2位浮上を果たし、久々の表彰台が見えてきた金石だったが、14周目にホイールトラブルでスローダウンを余儀なくされる。 一旦はコースに戻った金石だったが、トップが23週を消化したところで再びピットイン、結局トレルイエの前、19位でレースを終えることに。
これでロッテラー、小暮、オリベイラの集団は2位争いということになり、 オリベイラとの接触で9位に後退していた本山が8位を走行することとなった。
こうした後方の混乱をよそに、トップの松田は着々とリードを築いていく。
松田はレース中盤を過ぎた辺りからタイヤの消耗によるオーバーステアに悩まされていたが、2位以下のドライバーにとってもそれは同じであり、
1位と2位の差は一向に縮まる気配を見せない。
結局松田は2位に14秒794もの大差をつけて30周を戦い抜き、今季5勝目を挙げた。
2位には最後まで小暮に付け入る隙を与えなかったロッテラーが入った。
また、レース2のポールポジションとなる8位は、終盤ペースダウンを強いられながらも1.348秒差で松浦を退けた本山が獲得した。
決勝レース2はこのあと午後4時より20周で戦われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Motorsports Forum