Formula Nippon

FN:第3戦もてぎ決勝 目まぐるしく変化する天候を制したのは小暮!ルーキー塚越の挑戦は実らず

2009全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第3戦の決勝が5月31日ツインリンクもてぎで行われ、 #32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が目まぐるしく変わる路面コンディションを制し、 同じくもてぎで開催された2007年第8戦以来の勝利を手にした。
2位はポイントリーダーの#2ブノワ・トレルイエ(LAWSON TEAM IMPUL)、3位には#8石浦宏明(Team LeMans)が入った。
また、予選3位からスタートした#10塚越広大(HFDP RACING)は惜しくも4位に終わったものの、 ウェットコンディションとなったレース終盤をスリックのまま走りきるという賭けに出て一時トップに立ち場内を多いに沸かせた。
(天候:曇りのち雨 コース:ドライ-ウェット-ドライ-ウェット)

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決勝レースは午後2時30分にフォーメーションラップを開始した。
細かい雨粒が時折落ちてくるものの、路面はほぼドライ。このため全車がスリックタイヤを選択して走り出した。
ただし、#7国本京佑だけは電気系のトラブルからガレージに下げられ、この日の決勝には最後まで参加できなかった。
また#41伊沢拓也もフォーメーションラップ中に5コーナー先でスピンを喫してストップ。
この頃には雨が強くなり始めていた。

ホールショットを奪ったのは小暮。しかし3番手スタートの塚越が1コーナー立ち上がりでアウトから#31ロイック・ デュバルを抜き去ると、一気に小暮との差を詰めてきた。
抜かれたデュバルは3コーナー立ち上がりで#36アンドレ・ロッテラーと接触してスピンアウト。そのままレースを終えてしまう。

トップの小暮はウェットコンディションの中でスリックを履いた状態でのバランスに苦しみ、中々ペースが上がらない。
それに乗じて塚越は3周目のV字コーナーで再びアウトから小暮を抜き去り、あっという間にトップに立った。
抜かれた小暮はブレーキバランスを調整しながら走行を続けるが、4周目にコースオフしてしまって3位のロッテラーにも抜かれてしまう。
その間にも雨はどんどん強くなっていく。

そんな中でも塚越は少しずつペースを上げていき、一時は1分37秒台までラップタイムを短縮するが、 9周目についにそのペースが1分40秒台に落ちてしまう。
これを見たHFDPのチームスタッフは即座にレインタイヤを準備、他のチームも一斉にピッとストップの準備を始めた。

他のドライバーたちが10周目、11周目に相次いでピットに飛び込んでいったのに対し、塚越は12周終わりまで粘って漸くピットイン。 ロッテラーもそれに続くが、塚越はトップのままでコースに復帰した。

しかしレインタイヤを履いたとたんに塚越のペースが伸びなくなる。 13周目の90度コーナーではフロントタイヤをロックさせてしまってコースアウトする場面も。
これで一気にロッテラーとの差が詰まってきた。
追い上げるロッテラーは15周目にはテール・トゥ・ノーズ状態に持ち込み、16周目のヘアピンで塚越のインに飛び込んできた。
懸命に粘る塚越はここではトップを守ったが、17周目の3コーナーで痛恨のコースオフ、これによりロッテラーと小暮の先行を許してしまった。

塚越を抜き去った二人の間隔もまた徐々に詰まっていく。
ストレートでロッテラーの後方で車幅半分ほどラインをずらしてプレッシャーを掛けていく小暮。
懸命に逃げるロッテラーだったが、ついに20周目のV字コーナーで小暮に並ばれ、トップの座を明け渡してしまった。

その後方でペースに苦しんでいた塚越は25周終わりで再びピットイン。
いち早くスリックタイヤに履き替えて巻き返しを図る作戦に出た。
その頃には雨が止み、路面は次第に乾いてきていたのだ。

小暮とロッテラーは26周終わりでスリックに交換。
この結果、上位は小暮、塚越、ロッテラーの順となった。
さらに30周目には#48立川祐路が2コーナーでクラッシュしたためにセーフティーカーが入ることになり、 小暮と塚越の差は再び縮まってきた。
しかし車両排除とコース清掃の後、レースは再開された34周目辺りから雨が再び強くなり始め、 塚越は小暮を追い抜くどころか徐々に差を広げられる状態に。

トップの小暮は38周目に3度目のピットイン。レインタイヤに履き替えてゴールを目指すが、 塚越はそのままコースに踏みとどまる作戦を採った。
これにより塚越は39周終わりで再びトップに立つ。小暮との差は27秒571だ。

しかし雨の勢いはとまらず、塚越は小暮に1周3秒のペースで差を縮められていった。
懸命にコースに踏みとどまり、なんとか逃げ切りを図りたかった塚越だったが、小暮との差は着実に縮まっていく。
そしてついに49周目。
ゴールまで後3週というところで、塚越は序盤に小暮を抜き去ったのと同じV字コーナーで、 逆にアウトから並びかけられてトップを奪い返されてしまった。

三度トップを奪い返した小暮はその後、後続に全く付け入る隙を与えずにフィニッシュ、 2007年の第8戦もてぎでデュバルとともに1-2フィニッシュを果たして以来、1年1年7ヶ月ぶりの勝利を挙げた。
抜かれた塚越はその後、トレルイエ、石浦にも立て続けに抜かれ、4位でフィニッシュ。
しかし間違いなく、今回のレースを盛り上げた最大の功労者はこのデビュー3戦目のルーキーだったろう。
今後の活躍にも大いに期待したい。

第4戦は富士スピードウェイ。6月28日決勝だ。

Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: Keiichiro TAKESHITA



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