Formula Nippon

FN:2007年ドライバーオーディションは大嶋和也がトップタイム

 日本レースプロモーション株式会社(JRP)は20日、フォーミュラ・ニッポン最終戦の行われた鈴鹿サーキットでドライバーズオーディションを行った。参加したドライバーは9名で、午前、午後2回のセッション通して大嶋和也が1'41.678でトップタイムを記録した。2位には伊沢拓也が、3位には松浦孝亮が入った。

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談笑するトヨタ系のドライバーたち
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1位 大嶋和也(1'41.678)
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2位 伊沢拓也(1'41.767)
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3位 松浦孝亮(1'41.883)
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4位 ロベルト・ストレイト(1'41.995)
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5位 石浦宏明(1'42.372)
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6位 オリバー・ジャービス(1'42.558)
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7位 土屋武士(1'42.948)
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8位 平手晃平(1'42.976)
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9位 ノルベルト・シードラー(1'43.203)

 20日の鈴鹿サーキットは午後には雲が広がったものの、終日ドライのコンディションでオーディションには申し分の無い条件となった。参加ドライバーは、大嶋和也、伊沢拓也、松浦孝亮、ロベルト・ストレイト、石浦宏明、オリバー・ジャービス、土屋武士、平手晃平、ノルベルト・シードラーの9名で鈴鹿初走行のドライバーはいない。

 大嶋は午前にトムスのアンドレ・ロッテラー車、午後にはルマンの片岡龍也車をドライブ。FNマシンは2月のセパンテストで体験しているのでこれが2度目だ。3位に入ったマカオGPから戻ったばかりで、午前中のタイムは伸び悩んだが午後には終盤、ニュータイヤを履くと一気に1'41.678をマーク。このタイムは2日前に小暮卓史が出した鈴鹿のレコードタイムに1秒近く迫るもので、全日本F3チャンピオンの実力は伊達ではなく、この日のトップタイムとなった。大嶋は来シーズン、ヨーロッパへ渡ることを明言しているため、このオーディションはF3チャンピオンのご褒美だと言われているが、急遽FN参戦という選択肢もあるかも知れない。

 伊沢は最終戦ゲストで出場したトニー・カナーン車を午前・午後ともドライブ。今シーズンF3では新興チームで苦戦し、マカオGPでもいいところがなかったが、FN初ドライブにも関わらず午前中にいきなりトップタイムを叩き出し関係者をびっくりさせた。午後には大嶋に抜かれ僅差で2位になったものの、来期FN参戦に向けて大きく前進したものと思われる。

 松浦孝亮が2000年にチャンピオンを獲得したフォーミュラ・ドリーム以来、鈴鹿に帰ってきた。ドライブしたのはナカジマの小暮卓史車。IRLではロードコースでのレースもあり、走り慣れた鈴鹿ということで、午前中は4位、午後には3位にまで順位を上げた。来シーズンはアメリカから日本に活躍の場を移しそうで、恐らくホンダ系チームからの参戦になるものと期待される。

 今シーズン全日本F3で最多ポイントを獲得したものの有効ポイント制に泣きランキングを2位で終えたロベルト・ストレイトもFNへのステップアップを狙ってる一人だ。午前はロニー・クインタレッリ車、午後は横溝直輝車とともにインギングのマシンをドライブ。午前中は3位、午後は4位という結果だった。来シーズンはインギングからデビューか?

 石浦宏明も2月のセパンテスト以来FNドライブは2度目。午前中、ルマンの片岡龍也車をドライブして、いきなり2位のタイムを叩きだした。しかし、午後は荒聖治車に苦労し5位のタイムがやっとだった。石浦も来期、トヨタ系チームからの参戦が期待される。

 マカオウィナ-、オリバー・ジャービスは午後のみトムスのアンドレ・ロッテラー車で参加。初FNドライブでこのタイムは悪くないだろう。来シーズン、日本に残ることがあれば恐らく彼もFNへステップアップしてくるものと思われる。

 2005年までFNに参戦していたベテラン土屋武士が、ダンディライアンのビヨン・ビルドハイム車をドライブ。タイムを狙うというよりは、マシンのセッティングやチームとのコミュニケーションなどを重点的にチェックしているようだった。もしかしたら、来年参戦は既定事項で顔合わせ的な場としてオーディションを利用していたのかも知れない。

 今年GP2に参戦していた平手晃平もインパルのミハエル・クルム車で参加した。1回目はヘアピンでマシンの不調からかストップして赤旗の原因を作ってしまったが、午後は順調に走行。クリアラップを取れなかったようで、タイム的には8位に終わったが初FNドライブを考えると滑り出しはまずまずというところか。

 ノルベルト・シードラーは2005年のヨーロッパF3000のチャンピオンで、DTMやルマンにも出場している実力派ドライバー。今年のスーパー耐久第2戦にスポット参戦しここ鈴鹿でクラス1のポルシェ(キーパー&KOSEI★ADVAN GT3R)を走らせている。このテストでは午前中のみトムスの荒聖治車をドライブ、初FNマシンながら5位とまずまずのタイムだった。

 今回のオーディションは、各ドライバータイム的に拮抗し、誰が参戦しても実力的に遜色は無い。来シーズンのフォーミュラ・ニッポンは新人の当たり年になるかも知れない。

Text: Yoshinori OHNISHI / Photo: Mami OKUDA



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