Formula Nippon | JAF Grand Prix

FN:特別戦富士スプリントカップ第1レース決勝 塚越選手が3位表彰台を獲得、好スタートをみせた井出選手が4位 (HONDA)

 1月13日(土)、静岡県駿東郡小山町の富士スピードウェイにおいて、JAFグランプリ富士スプリントカップの決勝レース(1)が行われた。

 1969年に第1回レースが開催されたJAFグランプリは、日本自動車連盟が制定する名誉あるタイトルだが、1990年の第21回を最後に20年間にわたり開催されなかった。それが今年、久しぶりの復活となったわけだが、フォーミュラカーのF2やスポーツプロトタイプカーのグループCカーなど単独のカテゴリーにタイトルが掛けられていた従来のスタイルと異なり、今回はSUPER GTとフォーミュラ・ニッポンの両方を開催。それぞれのウイナーにJAFグランプリの栄冠が贈られることになる。

 また、富士スプリントカップの名前からもわかるとおり、決勝は100kmのスプリントレースとして開催される。また、タイヤ交換義務もないためにシリーズ戦よりも激しいバトルが期待され、ドライバーの力量が問われるレースとなる。

 12日(金)に開催された公式予選は、13日(土)に行われる決勝(1)と14日(日)に行われる決勝(2)のグリッドが争われた。通常のシリーズ戦とは違い、決勝(1)はホームストレートでの最高速でグリッド順が決まり、決勝(2)はラップタイム順で決定する方式が採られた。各ドライバーが、1台ずつ各3周をアタックするスーパーラップ方式にて走行し、決勝(1)のグリッドは#10 塚越広大選手(HFDP RACING)が4番手、#16 井出有治選手(MOTUL TEAM無限)が6番手、#32 小暮卓史選手(NAKAJIMA RACING)が8番手、#31 山本尚貴選手(NAKAJIMA RACING)が10番手、#2 伊沢拓也選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が11番手、燃料系のトラブルによりタイムアタックができなかった#1 ロイック・デュバル選手(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が12番手に決定した。

fn101113005L.jpg  13日(土)の決勝(1)は、快晴のもと12時45分にフォーメーションラップが開始され、全15台のマシンがグリッドから一斉にスタートした。

 絶好のスタートを切ったのは井出選手、6番手スタートから1コーナーへ入るときには一気に2位まで浮上した。オープニングラップは、井出選手が2 位、塚越選手が4位、小暮選手が5位、伊沢選手が9位、山本選手が13位。デュバル選手はポジションを2つ上げるものの、ヘアピンカーブで前のマシンを避けるためにコースアウトを喫したため、最下位となってしまう。

 2周目の1コーナーで井出選手は3位に後退し、次周は塚越選手が井出選手を抜いて3位に浮上する。序盤で出遅れたデュバル選手は数台をパスして追い上げを図るが、後続のマシンに追突されてスピンを喫し、リアセクションを損傷したためにリタイアとなった。

 6周目に入り、塚越選手はトップから5秒002差の3位、井出選手と小暮選手がそれぞれ4位、5位、伊沢選手が8位に浮上し、山本選手も10位まで追い上げる。

 3位の塚越選手は9周目に1分26秒901、4位の井出選手も次周に1分26秒864のそれぞれ自己ベストタイムを更新しながらトップグループを追いかける展開を続ける。さらに、伊沢選手も11周目に7位、激しいバトルを繰り広げた山本選手も16周目に8位まで浮上した。

 残り5周を迎え、3位の塚越選手と2位の差は約3秒。井出選手が背後に迫り、小暮選手はポジションを1つ下げて6位となる。

 22周にて行われた決勝(1)のスプリントレースは、このままチェッカーフラッグを迎えて塚越選手が3位表彰台を獲得。好スタートから終始安定したペースを保った井出選手が4位、小暮選手が6位、伊沢選手が7位、山本選手が8位入賞を果たした。優勝はアンドレ・ロッテラー選手(トヨタ)だった。

コメント
坂井典次(Tenji Sakai) | 「HR10E」開発責任者
 「今日のレースは、シーズン最終戦の鈴鹿で苦戦していた2人がよくがんばってくれました。塚越選手は、マシンのセッティングと乗り方が非常によくマッチしていましたし、井出選手はスタートがよく、その後の周回も好タイムで走ってくれました。しかしながら、ライバルたちが速いマシンを用意したので、残念ながら上位を奪われてしまいました。チャンピオンシップのかかっていないレースとはいえ、勝負にはとことんこだわり、皆さんにいいレースを見せたいと思っています。明日もみなさまのご声援をお願いします」
塚越広大選手(3位 #10 HFDP RACING)
 「シーズン中は思ったような結果が残せなかったので、表彰台に立つことができてうれしいです。オートポリス、鈴鹿、富士と3週連続のレースですが、短期間にレースが集中したことでチームが結束し、よい結果につながったと思います。自分自身も集中してレースに臨めました。4番手スタートでしたので、ポジションキープをしながら早めに仕掛けようと考えていました。マシンは非常にバランスがよく、ストレートスピードも速かったので、ずっとプッシュしました。後半は、タイヤの消耗から差をつめられていましたが、1つでも上の順位を目指して走りました。今日の結果に手ごたえを感じています。明日は今シーズン最後のレースになりますが、ベストを尽くして表彰台の真ん中に立ちたいです。応援よろしくお願いします」
井出有治選手(4位 #16 MOTUL TEAM無限)
 「今日は22周のスプリントレースでしたが、シーズン中と変わらず、少しでもいいポジションを目指して走りました。今シーズンで一番の6番グリッドからスタートし、4位でフィニッシュできたので、ベストの走りができたのではないでしょうか。スタートはもともと得意なほうですが、今日は特に手ごたえがかなりよかったです。でも、スタート直後に壁際に寄せられたため、タイヤがホコリを拾ってグリップが失われてしまいました。それがなければ、もっと順位を上げられていたと思います。レース中は、ダウンフォースが少ないセッティングを施していたので、タイヤの消耗を考えながら、小さいコーナーではリアをスライドさせるなど走り方を工夫して走りました。今日は、SUPER GTのマシンでも決勝レースを戦いますが、その結果も踏まえてチームと明日の戦略を立てようと思います」
Text & Photo: HONDA


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース