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全日本F3選手権 第17/18戦 MINE 全日本F3第9ラウンド トムスのJ.コートニーが2連勝 チャンピオン確定のJ.コートニーは11勝目。第17戦PPの片岡は2位 今季のF3も残り2イベントを残すのみとなり、全日本F3の第9大会(第17 戦、第18戦)が9月20日、21日の両日、山口県のMINEサーキットで開催 された。 同大会には前戦で早くもチャンピオンを確定したJ.コートニー(トムス/トヨ タ・トムス3S-GE)をはじめ12台のF3が出場。このうちトヨタ・トムスエ ンジン搭載車は8台を占めた。 この週末は台風15号の影響で19日(金)の練習走行は断続的な降雨でハーフ ウエットとなったが、予選と決勝はすべてドライコンディションで行われた。また、 サポートレースとしてネッツカップ・ヴィッツ西日本シリーズ第5戦も行われた。 ◆予選◆ 20日(土)の公式予選は午前9時5分から15分間づつ実施された。 周回によって路面状況が好転し、タイムがじわじわと短縮されていく状況の中、 練習走行から好調の波に乗る片岡龍也(トムス/トヨタ・トムス3S-GE)が序 盤からリード。これにR.クインタレッリ(インギング/トヨタ・トムス3S-GE)、 P.モンティン(ニッサンSR20VE)が絡んで次々とトップタイムを更新して いく緊迫したセッションとなった。 しかし8周目に片岡龍也が記録した1分23秒822を以後誰も上回ることはな く、第14戦筑波に続くポールポジションを獲得。2番手は0.089秒差でP. モンティン、3番手のR.クインタレッリが0.117秒差、4番手の横溝直輝 (インギング/トヨタ・トムス3S-GE)が0.129秒差と僅少差で並び、ア ンダーステアに悩んだJ.コートニーは0.160秒差の5番手スタートとなった。 続いて9時30分から行われた第18戦の予選ではフロントのセッティングを変 更したJ.コートニーが快調に5周目でトップタイムを記録。片岡龍也はこれを追 うが、勝負を賭けた最終周にクリアラップを取る事が出来ず、0.028秒差の2 番手となった。 ◆第17戦決勝◆ 雨雲が空を覆う中、午後3時20分にスタートした第17戦決勝(20周)は片 岡龍也が好スタート。一方、後方では5番手グリッドのJ.コートニーも絶妙なス タートで3位までポジションを上げて1コーナーへ。さらに2番手のP.モンティ ンをパスして2周目には2位に浮上する。 J.コートニーは猛プッシュでじわじわと片岡龍也に迫り、テール・ツー・ノー ズの接戦に観客の目は釘付けとなった。抜きどころの限られたMINEのコースで J.コートニーは片岡龍也のミスを待つ作戦。J.コートニーを必死で抑える片岡 龍也だったが、16周目の1コーナーでインを守ろうとして苦しくなり、出口でア ウト側にふくらむと、J.コートニーはこれを逃さず片岡龍也をパス。その後はハ イペースで逃げ、2位片岡龍也に3.095秒差をつけて見事10勝目を挙げた。 3位はP.モンティン、P.モンティンと接戦を演じたR.クインタレッリが4 位、8番手スタートの吉本大樹(ナウモータースポーツ/トヨタ・トムス3S-GE) が5位で続いた。 ◆第18戦決勝◆ 21日(日)は朝から快晴となったが、台風の影響で強風が断続的に吹き、走行 に影響を与えると共に荒れた路面コンディションでのレースになった。午後1時前 にスタートが切られた第18戦(30周)はポールポジションのJ.コートニーが クリアなスタート。 一方、2番手の片岡龍也は2速にシフトアップしたところでリミッターが誤作動 して失速。R.クインタレッリ、P.モンティンの先行を許し、4位で周回を開始 した。序盤、ブレーキの調子が思わしくないJ.コートニーのペースが上がらなかっ たこともあり、この上位4台は接近戦となった。 しかし、まもなくブレーキの調子が好転したJ.コートニーは後続との差を広げ て独走状態に。その後はP.モンティンと片岡龍也の3位争いが注目を集めること となった。P.モンティンの背後でチャンスを待つ片岡龍也は26周目のテール ・ツー・ノーズ状態からP.モンティンの背後にぴったりつくが、1コーナー先で フロントウイングがリアタイヤに軽く接触。これでコースオフを喫し、ポジション はキープしたもののP.モンティンとの差は拡大。結局、このままの順位でチェッ カーを受けた。 これでJ.コートニーは3連勝で11勝目を獲得。ダブルエントリーで出場した フォーミュラ・ニッポンでも7位完走を果たした。 -------------------------------------------------------------------------------- トムスチームのJ.コートニーのコメント: 今回はF3とフォーミュラ・ニッポンのダブルエントリーだったため忙しく、今 どちらに乗っているのか混乱したこともあった。第17戦では先行する片岡選手の ミスを待ち、若干ラインが膨らんだところでパスすることが出来た。第18戦はス タートを上手く決められたものの序盤はブレーキのタッチが安定せず、プッシュで きなかったが、数周したら直ったので、その後はペースを上げられた。残り2戦も この調子で走りきりたい。 トムスチーム 片岡龍也のコメント: 今週は予選までは良かったが、決勝は2戦とも悔しいレースとなってしまった。 ギリギリでの接戦についてもっと勉強する必要がある。GTやスーパー耐久など、 他カテゴリーにも出場することでF3でも速く走れるようになり、いわゆる「乗れ ている」状態になってきた。この調子を保ちながら実力を高めたい。 トヨタ・チーム・トムス監督 関谷正徳のコメント: 予選一発の速さは出てきたが、決勝レースでの競り合いに弱いのは日本人ドライ バー共通の課題だ。ギリギリの状態でのマシンコントロールや読みなど、抜いたり 抜かれたりの経験が不足しているのが原因だと思う。若手育成というテーマの中で、 そうした環境作りも課題の一つと考えている。今回、予選では良いパフォーマンス を見せてくれたが、次の最終戦では今季の総決算として良いレースを見せてほしい。 -------------------------------------------------------------------------------- 第17戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム 周回 予選 1 7 J.コートニー(オーストラリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 28'26.079 20 5 2 36 片岡龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 3.095 20 1 3 12 P.モンティン(イタリア) ニッサン(ニッサンSR20VE)Three Bond Racing 5.241 20 2 4 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 14.663 20 3 5 33 吉本大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 27.135 20 8 6 2 佐藤晋也 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 28.812 20 9 7 8 小早川済瑠 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 30.446 20 7 8 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 42.996 20 4 9 19 柴田裕吉 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 47.139 20 12 10 10 R.オースティン(イギリス) ホンダ(無限MF204B) 童夢レーシングチーム 58.744 20 11 第18戦 リザルト 順位 No. ドライバー エンジン チーム タイム 周回 予選 1 7 J.コートニー(オーストラリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 42'41.786 30 1 2 4 R.クインタレッリ(イタリア) トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 14.575 30 3 3 12 P.モンティン(イタリア) ニッサン(ニッサンSR20VE)Three Bond Racing 18.042 30 4 4 36 片岡龍也 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 25.403 30 2 5 10 R.オースティン(イギリス) ホンダ(無限MF204B) 童夢レーシングチーム 29.396 30 8 6 3 横溝直輝 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) INGING 29.692 30 5 7 33 吉本大樹 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) Now Motorsports 43.458 30 10 8 2 佐藤晋也 ホンダ(無限MF204B) TODA RACING 46.133 30 9 9 8 小早川済瑠 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) TOM'S 46.444 30 7 10 19 柴田裕吉 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) DTM 58.882 30 11 ドライバーズポイント (第18戦までの有効得点:暫定) 順位 ドライバー名 エンジン ポイント 1 J.コートニー トヨタ・トムス 285 2 片岡達也 トヨタ・トムス 207 3 P.モンティン ニッサン 197 4 R.クインタレッリ トヨタ・トムス 196 5 横溝直輝 トヨタ・トムス 93 9 小早川済瑠 トヨタ・トムス 50 9 柴田裕吉 トヨタ・トムス 50 11 吉本大樹 トヨタ・トムス 44 12 番場琢 トヨタ・トムス 39 マニュファクチャラーポイント (第18戦までの有効得点:暫定) 順位 メーカー(エンジン名) ポイント 1 トヨタ(トヨタ・トムス3S-GE) 300 2 ニッサン(ニッサンSR20VE) 197 3 ホンダ(無限MF204B/C) 174 ※ポイントはシリーズ全戦の80%が有効