全日本F3選手権第9戦の決勝は、ポールシッターの#10塚越広大(Honda TEAM 無限)が後続を全く寄せ付けない圧倒的な速さで、念願のF3初優勝を手にした。
これまでに得た2度のポールポジションをスタートの出遅れでフイにしてきた塚越だったが、今回ばかりは違った。
動き出しこそ上出来とは言い難かったものの、1コーナーの侵入で#2伊沢拓也と#4ロベルト・ストレイトの追撃をねじ伏せ、トップでオープニングラップを終えると、激しいバトルを繰り広げる後続を尻目に、どんどんリードを築き上げていった。
それはまさに昨年のFDを思い出させるような、毎周のようにファステストラップを塗り替える積極的な走りで塚越は12周を駆け抜け、待ちに待ったF3での初めての勝利を、ホームコースとも言えるこの鈴鹿で達成した。
伊沢は序盤の先陣争いで一時ストレイトの先行を許すも、2周目の1コーナーでインからストレイトをパス、懸命に塚越を追ったがまったく近づくことができず、最終的に8.89秒もの大差をつけられて2位でフィニッシュした。
3位には、予選8位と出遅れながらも積極的なオーバーテイクを連発して順位を上げてきた#1エイドリアン・スーティルが入り、ポイントランキングトップを守った。
第10戦の決勝は明日午後1時より、17周で行われる。
Text:Kazuhisa SUEHIRO / Photo: FMOTOR