Formula Nippon

FN:第6戦オートポリス アンドレ・ロッテラーが今季初優勝! トヨタエンジンが表彰台独占 (TOYOTA)

10fn_rd6_1
アンドレ・ロッテラー(中央左)が今季初勝利。JPオリベイラ(左)が
2位、石浦宏明(右)が3位でトヨタエンジン勢が表彰台を独占した

 フォーミュラ・ニッポンの第6戦が10月16日(土)、17日(日)の両日、大分県のオートポリスで行われた。

 全7戦で競われている今季のフォーミュラ・ニッポンも残すところ2戦となったが、これまで5戦を終えて5人の勝者が誕生する混戦となっており、ランキング上位ドライバーのポイント差は非常に小さく、タイトル争いは激しさを増している。

 阿蘇山の麓に位置するオートポリスでのフォーミュラ・ニッポン開催は3回目。今大会は1回のタイヤ交換が義務付けられており、昨年の大会でもピット戦略で大きく順位が入れ替わったことから、戦略が重要なレースとなる。

 16日(土)午後1時45分からノックアウト方式の予選が開始。Q1から上位13台がコースレコードを更新するハイレベルな戦いとなった。このセッションでは、地元九州出身で、トップフォーミュラでの凱旋となったTDPドライバーの井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)が14番手、午前中のフリー走行はトラブルでほとんど走れず、苦戦を強いられた松田次生(KONDO RACING)が15番手でQ1敗退となった。

 Q2では、Q1で6番手と好走を見せたルーキーのケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)がタイムを伸ばせず、11番手。平中克幸(KCMG)が12番手でグリッド確定。

 最終Q3セッションでは、残り6分を切って各車一斉にコースイン。アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)がまずトップタイムをマークしたが、その直後に1コーナーでスピンし、コース上にストップ。車輌排除のために赤旗となり、規定に則ってそのままセッションは終了となった。

 ロッテラーを含む5台のみがタイム計測を終えたが、ロッテラーは赤旗の原因を作ったとしてタイムが抹消され、4グリッド降格となった。この結果、TDPドライバーの大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM'S)がフォーミュラ・ニッポンで初のポールポジションを獲得。貴重な1ポイントを獲得した。

 同じくTDPドライバーの平手晃平(Mobil1 TEAM IMPUL)が2番手、石浦宏明(Team LeMans)が3番手となり、TDPドライバーが予選トップ3を占めた。

 ロッテラーは5番手。以下はQ2のタイムで順位が決定され、J.P.デ・オリベイラ(Mobil1 TEAM IMPUL)が6番手グリッドとなった。

 17日(日)も秋晴れとなったオートポリス。フォーミュラ・ニッポンの決勝が行われる午後2時半には、気温21度、路面温度は38 度とこの週末では最も暑いコンディションとなり、50周で争われる決勝レースがスタートした。

 スタートでは、最前列に並んだ大嶋と平手が若干遅れ、これをかわそうとした2列目以降で混乱が発生。4番手のロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が石浦に接触し、コントロールを失って大嶋に追突。大嶋はスピンしながら壁にクラッシュし、ここに他車が突っ込むという、多重クラッシュとなった。

 このクラッシュでセーフティカーが導入。セーフティカーランとなってすぐ、1周目終了の時点で、ロッテラーとオリベイラがタイヤ交換義務を果たすべくピットイン。後輪2本のみの交換としたロッテラーが前でコースへ復帰した。また、接触により左前タイヤのパンクなどダメージを負った石浦もピットへ向かい、応急処置とタイヤ交換、給油を行った。

 セーフティカーランは5周に渡って続き、井口、平中らもピットイン。ピットに入ったロッテラー以降が、入らなかった5台の後についての再スタートとなった。

 6周目に再スタートが切られ、ピットに入らず2番手につけた平手が、首位の山本尚貴(NAKAJIMA RACING)を猛プッシュ。4位のコッツォリーノも好ペースで前走車を追走。

 18周目、ピットに入らず、5位を走行していた松田がトラブルでコース脇にストップ。5台目のリタイアとなってしまった。

 平手は、21周目に山本がピットインしたことで首位に立ち、一気にペースアップ。コッツォリーノは25周目にピットインすると、山本の前でコースに復帰した。

 平手は32周目まで引っ張ってピットイン。きわどいタイミングながら、井口、コッツォリーノらの直前でコースに復帰した。これで、ロッテラーが首位に浮上。オリベイラが2位、石浦が3位、平手は4位となった。

 燃料やタイヤをセーブする走行を強いられた前3台を、フレッシュなタイヤの平手が追い上げるかに注目が集まったが、42周目、平手が突然燃料系のトラブルに見舞われペースダウン。レースは続行したが、次々に後続にパスされることとなってしまった。

 一方、首位を行くロッテラーは、オリベイラとの差をコントロールしながら、着実なペースで周回を重ね、見事トップでチェッカー。昨年の第6戦以来となる、今季初勝利を挙げた。これにより今季のフォーミュラ・ニッポンでは、6戦で6人目のウィナー誕生となった。

 2位はオリベイラ。3位は、スタートでの接触でステアリング系にダメージを負いながらも着実に走り続け、ファイナルラップでの後続の猛追を凌ぎきった石浦が入り、昨年の第3戦以来キャリア2度目となる表彰台を獲得。トヨタエンジン勢が表彰台を独占する結果となった。

 レース後の車検で、4位でチェッカーを受けた塚越広大(HFDP RACING)が失格となったため、5位以降が繰り上がることとなり、ルーキーのコッツォリーノが自身最高位となる4位フィニッシュ。コッツォリーノはレース中のファステストラップもマークした。同じくルーキーの井口も6位フィニッシュとなり、念願の初ポイントを獲得した。平中が7位。最後に平中にかわされた平手も、8位で1ポイントを獲得することとなった。

 完走僅か8台のサバイバルレースとなった今大会の結果、タイトル争いではオリベイラとロッテラーが同点でトップに立ち、最終戦へと臨むこととなった。

Text & Photo: トヨタ自動車株式会社


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース