新開発レース専用ハイブリッドシステムで十勝24時間レースに参戦
トヨタ自動車(株)(以下、トヨタ)は、7月14日(土)から16日(月・祝)にかけて、北海道の十勝インターナショナルスピードウェイで開催される国内唯一の24時間レース「十勝24時間レース」*1 に、ハイブリッドカー「トヨタ スープラ HV-R」で参戦することを発表した。
昨年、トヨタは自動車メーカーとしては初めて準国際格式の国内レースである「十勝24時間レース」にハイブリッドカー「レクサスGS450h」で参戦。24時間の連続走行という過酷な状況の下、総合17位で完走を果たした。
2回目の参戦となる今年は、昨年の市販車をベースとしたハイブリッドカーで得られたデータをもとに、極限の性能を 追求するため、新たにレース専用のユニット開発を進めると共に、今後の市販車両へとフィードバックするための「走る実験室」と位置付け、レース活動を通じてハイブリッドシステムの高効率化・軽量化を目指す。
参戦車両は、レース専用車両として昨年までSUPER GTを戦ってきたトヨタ スープラGTをベースとして開発し、この車両にレース専用ハイブリッドシステムを搭載する。このシステムでは、レース走行において回生領域・効率を上げることを狙いとして、以下2つの特徴的な技術を採用している。
- 1.前輪インホイールモーター
- 前輪にインホイールモーターを配置した4輪回生(発電)・力行(駆動)システムを採用。これによりブレーキング時により大きなエネルギーを発生する前輪にエネルギー回生システム(インホイールモーター)を組み込み、レース走行の特徴である、高速域からの急減速で発生する大きなエネルギーの回収効率向上を図っている。
- 2.専用設計のキャパシタ(蓄電装置)
- 急な加減速が連続するレース走行の特徴を踏まえ、二次電池よりも充電時間の短いキャパシタを採用。
なお、車両のスペックなど、詳細は以下の通り。
*1 正式名称はGTNETスーパー耐久シリーズ2007第3戦 第14回 十勝24時間レース
(トヨタ スープラ HV-R スーパー耐久レース参戦車両・概要)
車名(レース車名) | デンソー・トヨタ・スープラHV-R | |
参戦グループ・クラス | GT/TP1 | |
車両概要 | エンジン形式 | 3UZ-FE 改 S-GT仕様 |
エンジン最高出力 | 総排気量 4,480cc エアリストリクター径 29.6(ツイン)/車両重量1,080kgの時 最大出力 480ps以上/6.800rpm 最大トルク 52kg・m以上/5,600rpm |
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モーター最高出力 | Frモーター: 10kW×2(インホイールモーター) Rrモーター:150kW |
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車両重量 | 1,080kg以上 | |
チーム名 | TOYOTA team SARD 【チーム所在地:株式会社サード内愛知県豊田市】 | |
ドライバー (読みがな;国籍) | 平中克幸(ひらなか かつゆき;日本) Andre COUTO(アンドレ クート;ポルトガル) 飯田章(いいだ あきら;日本) 片岡龍也(かたおか たつや;日本) |
【ご参考】
- 株式会社サード 概要
- 1972年、株式会社シグマオートモーティブとして設立、85年にレース業務部門が株式会社サードとして独立。89年にはTOYOTA89C-Vでトヨタチームサードとしての活動を開始。今年はSUPER GT500クラスにレクサスSC430で参戦中。
- スーパー耐久レース 概要
- 1991年に始まった、日本の代表的な耐久レースシリーズ。車両のクラスは、エンジン形式、排気量、駆動方式、座席数などにより分かれる。本年は全7戦のシリーズ戦。「十勝24時間レース」は当シリーズ中唯一、かつ日本で唯一の24時間耐久レースであり、本年で14回目を迎える。
Text & イラスト: トヨタ自動車株式会社