Formula Nippon

Fニッポン第8戦 MINE 決勝


スピンしても追い上げて優勝したトレルイエ (Photo: A.Bessho)

 フォーミュラニッポン第8戦は21日、山口県のMINEサーキットで70周の決勝レースを行い、予選3位のブノワ・トレルイエ(IMPUL)がスタートでトップに立つと、給油、タイヤ交換後、チームメート本山哲(IMPUL)との接触で一時後退するものの前を走る無給油作戦のマシンを抜き去り優勝した。2位に無給油作戦を敢行した金石年弘(LeMans)、3位に井出有治(COSMO OIL CERUMO)が入った。

 午後になりF3第18戦決勝が終わっても、相変わらずホームストレートにはアゲインストの強い風が吹いている。風は強いもののさわやかな秋空のもとで決勝が行われそうだ。定刻、午後2時30分、70ラップの決勝レースに向けてのフォーメーションラップが始まった。

 スタートはポールポジションの本山哲が出遅れた。その後ろから僚友の予選3位のブノワ・トレルイエがトップで1コーナーへ。脇阪寿一が予選順位を守っての2位。後方は大混乱、2コーナーで土屋武士とリチャード・ライアンがコースアウト。土屋は大きく順位を落とし、ライアンはその場でリタイヤとなった。

 3周目6位を走っていた道上龍が2コーナーでスピン。ピットインして再スタート。4周目、なんと脇阪、土屋、アンドレ・ロッテラー、加藤寛規にジャンプスタートのドライビングスルーペナルティが科された。さらに、6周目、オレンジボールが3位の小暮卓史に提示された。

 9周目最終コーナーの手前で加藤寛規がスピンしてスタック。そのままリタイア。10周を終わっての順位は、1位トレルイエ、2位本山、荒れたレースに強い井出有治が3位、4位金石年弘、5位松田次生、6位ジェームス・コートニー。

 15周過ぎから3位井出の後ろに4位金石が迫ってきた。その後ろでは6位のコートニーに7位の服部尚貴がアタックを開始。しかし、抜けない。

 20周を終わって、1位トレルイエと2位の本山の差が3秒少しと徐々に縮まってきた。3位井出、その直後に4位金石、5位松田、6位コートニー、直後に7位の服部。22周目、ついに服部がコートニーをかわして6位に上がった。

 このレースが100戦目となる服部は今日は好調だ。コートニーを抜き6位に上がると今度は4位の松田の後方に迫ってきた。30周目の1コーナーでインから松田を差して前に出るが、しかし立ち上がりで抜き返された。こんなアグレッシブな服部を見るのは久しぶりだ。

 31周を終わってトップのトレルイエがタイヤ交換、燃料補給のためピットインし再スタート。この間本山がトップに立つが次の周、本山もピットイン、タイヤ交換、給油してピットアウト。1コーナーには本山がトレルイエを抑えて入ったが、しかしタイヤが冷えているためすぐにこの順位は逆転した。

 33周を終わってインパル2台のピットインによりトップに立ったのは井出、1秒弱後方に2位の金石、3位に松田、4位服部、5位にトレルイエ、6位が本山。37周目、インパル2台が4位の服部に迫ってきた。この3台は団子状態。まだ上位4台はピットインしていない。

 40周目、なんと本山とトレルイエのチームメート同士が接触しトレルイエがコースアウト。戦列には復帰したものの6位のドミニク・シュワガーの後ろ、7位に落ちた。本山は5位に上がる。さらに42周目、本山が服部をパスして4位に上がるが、トレルイエとの接触によりフロントウイングが脱落しかけているため、オレンジボールが提示された。本山は43周を終えてピットイン、フロントウイングを交換してピットアウトするが13位あたりまで大きく順位を落としてしまった。

 46周目、トップは井出、その直後に金石。3位が松田、4位に服部、5位がシュワガー。47周目、服部が松田をかわして3位にあがった。松田は5位に落ちる。6位はトレルイエだが上位5台はまだピットインしていない。

 6位のトレルイエが追撃を開始。シュワガーをかわし、さらに49周目に松田もかわして4位に上がるとさらに前を走る服部を追いかける。そして51周目、服部も攻略してトレルイエは3位に上がった。

 55周目あたりからトップを走る井出と金石の差が縮まってきた。56周目にはテールトゥノーズに。そして、この争いは62周目の1コーナーで決着がついた。再三の金石のアタックを退けていた井出だったが、ついに金石が1コーナーでインを差して井出の前に出た。この間、ひたひたとトップ2台に迫ってきたのがトレルイエ。63周目には2位に落ちた井出をかわして2位にあがってきた。そしてトップの金石に迫る。

 一方、ファステストラップを更新しながら順位を上げていた本山だが、チームメートとの接触のペナルティストップ10秒を科せられ再びピットイン。このレースを、ノーポイントで終えることが確実となった。

 66周目、無給油作戦でトップを走る金石とトレルイエの差は1秒を切った。67周目にはテールトゥノーズに。タイヤを交換してない金石はつらい。ついに68周目の2コーナーでインを刺されトレルイエが再びトップに立った。金石は2位に落ちた。

 レース終了。70周を走り切って、優勝は2連勝のブノワ・トレルイエ、2位金石年弘、3位井出有治、4位服部尚貴、5位松田次生、6位脇阪寿一と続いた。

 この結果、本山哲のチャンピオンはこのMINEでは決まらず。脇阪寿一とアンドレ・ロッテラーのチャンピオンの可能性は消滅した。残り2戦は、チャンピオンをかけての本山哲とブノワ・トレルイエのチームメイト同士の争いとなる。依然、本山有利だがチャンピオン争いは少し混沌としてきたのかも知れない。次戦第9戦は10月19日、栃木県のツインリンクもてぎに舞台を移して争われる。

2003年9月21日 CP MINEサーキット(山口県) 決勝 天候:晴れ/コース:ドライ
Fニッポン -RIJ- (2003/09/21) Race Result Weather:Fine Course:Dry
2003 Fomula Nippon Round 8 セントラルパークMINEサーキット 3.330839km
PNoDriverTeamLapTime
120ブノワ・トレルイエIMPUL701:33:46.837
27金石 年弘LeMans703.101
312井出 有冶COSMO OIL CERUMO7017.424
441服部 尚貴DoCoMo DANDELION7028.009
511松田 次生COSMO OIL CERUMO7032.965
6*22脇阪 寿一TEAM 227032.986
76ジェームス・コートニー5ZIGEN7033.506
84ドミニク・シュワガーOlympic KONDO7034.460
9*2アンドレ・ロッテラーPIAA NAKAJIMA7048.369
1028野田 英樹CARROZZERIA MOHN701:01.221
119黒澤 治樹PLANEX EBBRO NOVA701:03.829
12*8土屋 武士LeMans691 Lap
13*19本山 哲IMPUL691 Lap
141小暮 卓史PIAA NAKAJIMA691 Lap
-------- 以上規定周回(63 Laps)完走 --------
-5道上 龍5ZIGEN619 Laps
-3立川 祐路Olympic KONDO5416 Laps
-*10加藤 寛規OIZUMI TEAM NOVA763 Laps
-40リチャード・ライアンDoCoMo DANDELION070 Laps
  • シャーシーは全車Lola B351、エンジンは全車無限MF308、タイヤは全車BSです。
  • Fastest Lap: No.19 本山 哲 1'18.155(54/69) 146.81km/h
  • Car No.2、8、10、22は2003年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン統一規則第28条7.違反により、ドライビングスルーのペナルティが課された。
  • Car No.19は国際モータースポーツ競技規則付則L項違反により、ペナルティストップ10秒及びペナルティポイント1点が課された。


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