全日本GT選手権

JGTC 第3戦 JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA 決勝/トヨタモータースポーツニュース


波乱のマレーシアラウンドを制したスープラ39号車(C)Toyota

全日本GT選手権(JGTC)
第3戦 JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA

   JGTC第3戦マレーシア トヨタ・スープラが1-2フィニッシュ!
     猛暑の海外遠征戦 波乱の“ナイトレース”をスープラが完全制覇

全日本GT選手権第3戦「JAPAN GT CHAMPIONSHIP MALAYSIA」が6月18日(金)、
19日(土)の両日、マレーシアの首都クアラルンプール近郊のセパンサーキット
で開催された。昨年はSARSの影響を考慮して中止となったが、マレーシアでの
開催は2000年以来通算4回目、選手権シリーズ戦としても2001年から3回
目となる。

 今大会には、GT500クラス18台とGT300クラス24台の総勢42台が
参加。このうちトヨタ勢はGT500クラスに7台のスープラとGT300クラス
に3台のセリカ、そして2台のMR‐Sがエントリーした。
 亜熱帯のマレーシアで行われるレースだけに、特例としてボンネット上ルーバー
の高さ規制が解除されるなど、各車暑さ対策に腐心。ルーフに室内の熱気を抜くベ
ンチレーターを持つ04年型スープラもボンネットルーバーを追加してラジエター
の放熱効果を高めるなどして臨んだ。

 ただし今回は初の試みとして土曜日に決勝レースを行うと共に、スタート時間を
夕刻の5時、ゴール予定を7時半過ぎとする“ナイトレース”として開催されるこ
ととなり、気温・路面温度の下降による車両、タイヤなどへの影響が注目された。

◆予選◆
 18日(金)の公式予選も、通常より遅いタイムスケジュールとなり、1回目が
午前11時45分から、2回目は午後5時からそれぞれ1時間づつ行われた。
 この日は午前10時頃から強い雷雨に見舞われ、セッション開始時までには小雨と
なったものの、完全なウェットコンディションで予選を開始。雨脚が弱まったセッ
ション終盤に満を持して浅溝レインタイヤをタイミングよく投入したデンソーサー
ドスープラ39号車が暫定PPを獲得。3番手タイムを記録したWOODONEト
ムススープラ36号車が上位車のペナルティにより順位を繰り上げて、トヨタ・スー
プラのワン・ツーとなった。

 その後、午後2時過ぎに雨が完全にあがると路面は急速に乾き、午後5時からの
予選2回目は、完全なドライコンディションで行われた。決勝グリッドをかけたア
タックと同時に、両ドライバーの基準タイムクリアなど両クラス共に実質40分の慌
しいセッションの終盤には、スープラ36号車とDYNACITYトムススープラ
37号車が激しくトップタイムを争い、最後の最後でタイムアップを果たしたスー
プラ36号車が2番手、スープラ37号車が3番手を獲得した。

◆決勝◆
 19日(土)は、朝こそ曇りがちだったが、間もなく晴天となり、決勝レースま
でには気温も35度まで上昇。
 午後5時19分にローリングスタートが切られると、2番手スタートのスープラ
36号車がオープニングラップで首位を奪取する。2周目には再び2位となるが、
ポジションを堅持。25周目に迅速なピット作業でドライバー交代を済ませ、続い
てピットインしたフェアレディZを捕らえると、ピット作業が一巡した32周目に
は首位奪還を果たした。
 一方、スタートでは出遅れたもののじわじわと順位を上げてきたスープラ39号
車は、33周目には2位に浮上。ペースを上げたスープラ35号車も3位へとポジ
ションを上げて、トヨタ・スープラは、ワン・ツー・スリー体制に持ち込んだ。し
かし、首位を行くスープラ36号車は、クールスーツの故障により、ドライバーが
体力を消耗し、45周目のヘアピン先で痛恨のスピン。さらにピットインを余儀な
くされ後退。
 代わって首位に立ったスープラ39号車は、その後も安定したペースで勝利のチ
ェッカーフラッグ。2位にはスープラ35号車が続き、荒れたレースでトヨタ・スー
プラが見事ワン・ツーフィニッシュを飾った。

 一方、GT300クラスでは6番手グリッドからスタートしたRECKRESS
 MR‐S30号車が安定した走りで4位入賞を果たした。
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デンソー サードスープラ39号車 ドライバーJ.デュフォアのコメント:4年
間GTカーレースを走って今回初めて優勝を果たすことが出来、とても嬉しい。チー
ムの作戦で、自分は30周近くを周回せねばならず、最初の10周はとりわけタイ
ヤをセーブしたが、それが功を奏したと思う。暑さで体力を消耗したが、接触やコー
スアウトの多発する中、良いレースが出来た。

デンソー サードスープラ39号車 ドライバーA.クートのコメント:決勝前の
フリー走行でトップタイムを記録し、セッティングがコンディションにぴったり合っ
ていることを確信した。開幕戦は残念なペナルティ(追い越し違反)で勝利を失っ
たが、これでチームのパフォーマンスを確信した。これからもタイトル獲得を目指
し、全力を尽くして頑張る。

トヨタ自動車(株)モータースポーツ部主査 柘植和廣のコメント:今回のレース
は、暑さも影響して接触やコースアウトが多発する荒れた展開となったが、その中
で39号車は予選結果が思わしくなかったにも関わらず決勝では力強く走ってくれ
た。また、35号車は序盤に接触からスピンも喫したが、上手くリカバーして2位
に入賞し、スープラがワン・ツー・フィニッシュを達成することが出来た。これは、
マレーシアでのオフシーズンテストによる熱対策や信頼性確保など基本部分の熟成
と、暑い中で頑張ってくれた各チームの健闘によるものだと思う。前戦に続いてスー
プラの連勝を飾ることが出来たが、シリーズチャンピオンを目指して、次戦となる
十勝でのレースも各チームと共に全力で臨む。

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第3戦 リザルト 順位 車両 No. ドライバー 所要時間/差 周回 予選結果
 1 39 トヨタスープラGT J.デュフォア/A.クート 1:53'47.096 54 13
 2 35 トヨタスープラGT 服部尚貴/脇阪薫一 0'02.113 54 5
 3  1 日産フェアレディZ 本山 哲/R.ライアン 0'21.470 54 9
 4  3 日産フェアレディZ 金石年弘/E.コマス 0'36.077 54 7
 5 37 トヨタスープラGT J.コートニー/片岡龍也 0'42.987 54 3
 6 22 日産フェアレディZ 影山正美/M.クルム 0'45.702 54 4
 7 38 トヨタスープラGT 立川祐路/荒 聖治 1'14.961 54 10
 8 18 ホンダNSX 道上 龍/S.フィリップ 1'25.118 54 12
 9 32 ホンダNSX 松田次生/A.ロッテラー 1'51.137 54 14
10 36 トヨタスープラGT 土屋武士/M.アピチェラ 2'20.890 54 2

チーム 車両 No. ドライバー 第3戦結果
TOYOTA TEAM SARD トヨタスープラGT 39 J.デュフォア/A.クート 1位
KRAFT トヨタスープラGT 35 服部尚貴/脇阪薫一 2位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 37 J.コートニー/片岡龍也 5位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタスープラGT 38 立川祐路/荒 聖治 7位
TOYOTA TEAM TOM'S トヨタスープラGT 36 土屋武士/M.アピチェラ 10位
ESSO TOYOTA TEAM LeMans トヨタスープラGT 6 脇阪寿一/飯田 章 34位/14位
TEAM ADVAN・ツチヤ トヨタスープラGT 25 織戸 学/D.シュワガー リタイア
TEAM RECKLESS トヨタMR-S 30 佐々木孝太/後藤 聡 17位/4位
TOYOTA TEAM CERUMO トヨタセリカ 52 竹内浩典/西澤誠剛 21位/8位
SPIRIT Motorsport トヨタセリカ 17 長島正興/松永まさひろ 25位/12位
A'PEX with apr トヨタMR-S 31 田中 実/松田晃司 36位/22位
RACING PROJECT BANDOH トヨタセリカ 19 青木孝行/谷口信輝 リタイア

ドライバーズポイント 順位 ドライバー ポイント
1位 J.デュフォア/A.クート 34
2位 立川祐路/荒 聖治 33
2位 本山 哲/R.ライアン 33
4位 服部尚貴/脇阪薫一 29
5位 J.コートニー/片岡龍也 19
7位 織戸 学/D.シュワガー 17
7位 脇阪寿一/飯田 章 17

 チームポイント 順位 チーム ポイント
1位 NISMO 36
2位 TOYOTA TEAM SARD 34
3位 TOYOTA TEAM CERUMO 33
4位 KRAFT 29
5位 TOYOTA TEAM TOM'S 23
7位 ESSO TOYOTA Team LeMans 17
7位 TEAM ADVAN・ツチヤ 17

エンジンチューナーポイント 順位 エンジンチューナー ポイント
1位 トヨタテクノクラフト 55
2位 AUTECH 32
3位 東名エンジン 18
4位 M-TEC 12

※全て3戦終了時点。暫定

◆トヨタのモータースポーツ情報はTOYOTA Motorsportsをご覧下さい。


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