SUPER GT

SGT:第4戦セパン RAYBRIG NSXが1ピット作戦を敢行して2位表彰台 (HONDA)

#100 RAYBRIG NSX(D.シュワガー/細川慎弥組)が1ピット作戦を敢行して2位表彰台。伊藤大輔、R.ファーマン、D.シュワガー、細川慎弥がドライバー部門でランキングトップに浮上

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2007年6月24日(日)・決勝 会場:セパン・インターナショナルサーキット(5.542km) 天候:予選/晴れ 決勝/晴れ 気温:34℃(16:00現在) 路面温度:48℃(16:00現在) 決勝レース:54周(299.268km) コースコンディション:決勝/ドライ 観客数:3万4150人(主催者発表)

 6月24日(日)、マレーシアの首都クアラルンプールの郊外にあるセパン・インターナショナルサーキットにおいて、2007 オートバックス SUPER GT第4戦「SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の決勝レースが開催された。

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 今シーズンのHonda NSX-GT勢は、開幕から3戦連続でポールポジションを獲得し、第2戦で#8 ARTA NSXが勝利を挙げるなど、高いポテンシャルを発揮している。

 このセパン・インターナショナルサーキットは、テクニカルな中高速コーナーが多く、ドライバーにとって戦略性の高いサーキットである。加えて、熱帯性気候の高温・高湿度のコンディションは、ドライバー、マシン、タイヤにとって非常に過酷なレースとなっている。

 今年のサーキットは、4月のF1世界選手権が開催されたあとに路面が全面改装された。新しい路面は、まだグリップが低い状況であり、加えて1コーナーと最終コーナーに大きなバンプがあるため、各チームは新たなマシン・セッティングの構築に苦労していた。

 6月23日(土)に開催された公式予選において、NSX-GTは4戦連続で、予選1回目の上位10台で決勝グリッドが争われるスーパーラップに全車5台が出場することとなった。

 このスーパーラップの結果、コースレコードとなる1分54秒306を記録した#18 道上 龍/小暮卓史組(TAKATA童夢NSX)が3戦連続となるポールポジションを獲得した。NSX-GTにとって、今シーズン開幕から4戦連続のポールポジション獲得となった。

 続く予選2番手には45kgのウエイトハンデを積む#8 伊藤大輔/ラルフ・ファーマン組(ARTA NSX)が続き、5番手に#17 金石勝智/金石年弘組(REAL NSX)、7番手に#100 ドミニク・シュワガー/細川慎弥組(RAYBRIG NSX)となり、#32 ロイック・デュバル/ファビオ・カルボーン組(EPSON NSX)は9番グリッドからの決勝スタートとなった。

 24日(日)の決勝レースは、コンディションを考慮してスタート時刻は16時となっている。午前中から曇り空だった天候は、決勝を迎えるころに快晴となり、強い日差しがサーキットに照りつけた。気温は34℃、路面温度48℃と午前中より上昇し、年に一度のSUPER GTレースを観戦すべく集まった3万4150人ものファンが見守る中、総勢38台(GT500クラス計16台)のマシンがフォーメーションラップを開始した。

 そのフォーメーションラップ中に、ポールポジションからスタートする#18 TAKATA童夢NSXの小暮卓史選手が駆動系のトラブルのためにコース脇にストップ。再発進を試みるがかなわず、無念のリタイアとなってしまった。

 そのままレースは、16時7分にローリングスタートが切られた。ホールショットを奪ったのは、予選2番手スタートの#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手。好スタートを切った#100 RAYBRIG NSXのD.シュワガー選手は、予選7番手から4位にポジションを上げた。しかし、2周目に10位を走行していた#32 EPSON NSXのL.デュバル選手が、右リアタイヤがバーストしたためにスピンを喫してしまう。L.デュバル選手は、ピットに戻りタイヤ交換を済ませてレースに復帰した。

 6周を終えた時点で、トップを走行するR.ファーマン選手から4位のD.シュワガー選手までがトップグループを形成する。10周目終了時、45kg のウエイトハンデを積むR.ファーマン選手はタイヤの摩耗に苦しみ始め3位に後退し、D.シュワガー選手もジャンプスタートによるピットスルー・ペナルティが科せられたために13位までポジションを下げた。

 新しい路面と高い路面温度の影響で、タイヤへの負担が想像以上に大きく、各車は予定より早くタイヤ交換を行うこととなった。タイヤの摩耗に苦しんだ R.ファーマン選手は、大きく順位を落として19周終わりにピットイン。ピット作業を38秒1のタイムで終え、伊藤大輔選手がコースに復帰した。D.シュワガー選手は、多くのチームが2ピット作戦となったのに対し、粘り強い走りで1ピット作戦を敢行。25周終了時には3位まで浮上してピットインし、細川慎弥選手にドライバー交代を行った。

 レースの折り返しとなる27周終了時で、NSX-GT勢は#100 RAYBRIG NSXの細川選手が9位。#8 ARTA NSXの伊藤選手が10位、#17 REAL NSXの金石年弘選手が14位、#32 EPSON NSXのF.カルボーン選手が15位を走行する。

 2ピット作戦のチームが2回目のドライバー交代をほぼ終えた36周目終了時には、1ピット作戦の細川選手が4位を走行。伊藤選手も6位まで順位をばん回した。細川選手は、38周目に#22 MOTUL AUTECH Zをパスして3位に浮上。さらに39周目に#3 イエローハット YMS トミカZをパスして2位となった。

 細川選手は最後までトップを追走し、#100 RAYBRIG NSXは第2戦岡山に続く2回目の2位表彰台を獲得。#8 ARTA NSXは6位、#17 REAL NSXは最終ラップでタイヤのバーストによりストップして12位となった。#32 EPSON NSXは15位でチェッカーを受けた。優勝は#24 WOODONE ADVAN Clarion Zだった。

 この結果、ドライバー部門のシリーズチャンピオン争いにおいて#8 ARTA NSXのR.ファーマン選手/伊藤選手と#100 RAYBRIG NSXのD.シュワガー選手/細川選手の4名が、計37ポイントを獲得してトップに立った。チーム部門では、TEAM KUNIMITSU(#100 RAYBRIG NSX)が計45ポイントを獲得して同点トップに浮上している。

コメント
Hiroshi Shirai 白井 裕 Honda NSX-GTプロジェクト・プロジェクトリーダー
 「予選では速さを実証するフロントローを獲得することができましたが、ポールポジションを取った18号車が第 3戦に続く駆動系トラブルのため、フォーメーションラップ中にリタイアという結果に終わってしまいました。これから駆動系トラブルの原因を究明しますが、信頼性の向上を目指して対策を練ってきただけに残念です。全体的にタイヤが厳しかったのですが、そんな中でも100号車はドライブスルー・ペナルティ、8 号車はウエイトハンデに苦しみながらもがんばってくれました。次戦までに駆動系を中心に万全の対策をとり、勝利を飾れるよう全力でがんばりますので、応援をよろしくお願いします」
Dominik Schwager ドミニク・シュワガー選手 #100 RAYBRIG NSX(2位)
 「いいスタートができたと思っていたのにペナルティを取られて残念だ。あれが無ければ、間違いなく優勝することができたから悔しいね。1ストップ作戦は、タイヤに厳しかったけれども、走りきることができました。これもチームスタッフのおかげです。シンヤも本当にいい走りをしてくれたし、今回のレース内容には満足しています。またチャンスがあれば、次こそは必ず優勝しますので、応援をよろしくお願いします」
Shinya Hosokawa 細川慎弥選手  #100 RAYBRIG NSX(2位)
  「フリー走行時にクルマのバランスが悪かったので、決勝前に調整をしたのですが、それがうまくいきました。ペナルティで順位を落としながらも、ドミニクががんばってくれたことが大きいですね。ドライバー交代をしてから全力を尽くして2位まで浮上したのですが、そこからチームの指示でタイヤをいたわる走りに切り替えました。あのペースを続けていれば、トップを狙えたかもしれませんが、タイヤが最後まで持たなかったかもしれません。次戦以降は、予選の順位をもう少し上げられるようにドミニクと協力してがんばっていきたいと思います」

Text & Photo: HONDA



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