Formula Nippon

FN:第3戦もてぎ予選 バッドラックだった両ドライバー (INGING)

■ 5月19日 予選

 第2戦の鈴鹿ラウンドではロニー・クインタレッリが6位に入賞、横溝直輝も健闘しポイント目前となる9位でのフィニッシュを飾ったINGING。今回の舞台となるもてぎでは、さらに上位進出を目指すべくサーキット入りをしたチームと両ドライバーは、金曜に行なわれた第5回合同テストでは走り出しから好調ぶりを発揮。午前のセッションでは横溝が4番手、クインタレッリが6番手と上々の滑り出しを見せる。

 午後に入っても好調なINGINGは、今度はクインタレッリが4番手に食い込み、横溝も8番手と、ともにトップ10に。総合でもクインタレッリ4番手、横溝9番手と手応え充分の状況で、土曜の予選セッションに臨んだ。

 公式予選1回目は、朝方雨が断続的に降るなど肌寒く、非常に難しいコンディションで迎えた予選1回目。コースの後半部分では雨がパラついているような不安定な状況の中、午前10時34分にスタートしたセッションでは、クインタレッリが6台目にコースイン。横溝もこれに続き走行を開始し、セッション序盤は平穏な立ち上がりに。

 ところが、走行開始から24分経過した午前10時57分、90度コーナーで片岡龍也がコースアウトしたためセッションは赤旗中断に。ここでクインタレッリ、横溝ともにピットに戻り、セットアップを微調整することとなった。

 再開後は各陣営のラップタイムが上がってくるとクインタレッリ、横溝のタイムも1分40秒を切り始め、横溝が1分37秒858で4番手、クインタレッリが1分37秒951で5番手とまずまずのポジションにつける。ところが、残り10分ほどとなった午前11時23分に今度はV字コーナーで小暮卓史のマシンがストップしたため、再度赤旗が提示される。

 仕切り直しとなったセッション終盤、残り時間8分で再開となったものの、残り1分43秒の段階でV字コーナーで柳田真孝がストップしたため、大会審査委員会は残り3分でのセッション再開を決定。 この段階ではコンディションの好転と上位陣のタイムアップの中で、横溝9番手、クインタレッリ11番手あたりとなっていたが、再開後、最終アタックに賭けたINGINGの2台は、ファイナルラップでクインタレッリが1分36秒407、横溝が1分36秒703とタイムアップに成功する。

 これによりクインタレッリ5番手、横溝8番手で午後のスペシャルステージに臨むものと思われたが、INGINGの2台がファイナルアタックをしている最中、最終コーナーでコースアウトしたマシンがあったため、当該区間は黄旗が提示されることに。そのため、当該区間でベストタイムをマークしていたクインタレッリは、黄旗区間での減速義務違反をにより訓戒を受けることに。一方当該区間ではベストタイムをマークしていなかった横溝だったが、こちらも当該時間帯のラップタイムは予選結果として採用しないというJAFの規定により、クインタレッリともどもファイナルアタックのベストタイムは残念ながら採用されず、結果的に直樹は1分37秒850で13番手、クインタレッリは1分37秒951で16番手となってしまう。

 公式予選2回目は、今大会の目玉として、通常とは異なり、フォーミュラニッポン初となる全車によるスペシャルステージ方式で行なわれることとなった午後の予選2回目。1台ずつがコースインし、1周のウォームアップ後に1周のみの計測を行うという形態だが、言ってみれば予選1回目はこのスペシャルステージの出走順を決めるセッションであったのに過ぎない。

 このスペシャルステージ出走順は、クインタレッリが7番目、横溝が10番目。今や遅しとコクピットで出走を待つドライバーだったが、なんと4番目のアタッカーである荒聖治のころから、ツインリンクもてぎのコースには雨粒が落ち始めると、時折強さを増して瞬く間にコースを濡らしていってしまう。

 7番目にコースインしたクインタレッリのアタックラップのころには、皮肉にも雨が最も強い状況となってしまい、懸命にアタックをしたクインタレッリだったが、すべてのセクションでコンマ3~4ほどの遅れを喫し、合計タイムは1分38秒059という不本意な結果に。クインタレッリはこの段階で悔しい最下位となる7番手に甘んじる。

 一方10番目にコースインした横溝のころから、ようやく晴れ間が見え始めるものの、路面状況は一気に好転するはずもなく、各セクターでコンマ数秒ずつ遅れを取る横溝。セクター1でコンマ5、セクター2でコンマ9とトップタイムとにギャップは、セクターごとに広がる苦しい展開になり、結局横溝のタイムは1分36秒505と、その時点での5番手に。

 最終的に、後続のマシンはコンディションに恵まれてタイムアップを果たしたため、横溝が16番手、クインタレッリは最後尾となる22番手と、不完全燃焼となったINGINGの2台は、決勝で後方グリッドからの追い上げを図ることとなった。

■ロニー・クインタレッリ

 「今週末は非常に良い滑り出しで、昨日の合同テストでも常に安定したパフォーマンスを発揮することができ、常にトップ5にいることが出来た。予選でも上位に入ることが出来るはずと自信を持って臨んだけれど、予選1回目の赤旗中断や黄旗にリズムを崩されてしまったね。特に、セッション最後のアタックはかなり決まっていたのに、コースアウトしたマシンがあったせいで、ベストタイムが採用されず、その結果スペシャルステージの出走順が早くなり、結果的に最悪のコンディションで走らざるを得なかったのが残念だね。とはいえ、明日は最後尾からのスタートと、本来の自分たちのパフォーマンスとはかけ離れた位置から追い上げを図ることとなるが、このコースは非常に抜くことが難しいし、スタートとピットストップ、チームの戦略が非常に重要になってくるだろう。現実的にどこまで上がれるか分からないが、トップ10に入ることができれば、まずまず納得できる結果だと考えるべきだろうね」

■横溝直輝

 「朝の予選1回目も黄旗による影響で順位が悪かっただけで、クルマのポテンシャル的にはトップ6に入れるレベルにあったと思います。そのため、午後のスペシャルステージには自信を持って臨んだのですが、不運にも雨が降ってきてしまって。僕のアタックの際には、ちょうど雨が止んできたのですが、路面コンディションがドライにはなり切らず、自分の本来の力を出し切ることができなかったということで、非常に残念な結果となりました。今週は悪くてもトップ10圏内にいられるような状況で進んできた中で、16番手と言うのは悔しいですが、決勝では今季安定したラップで走れているので、明日もあきらめずに300kmの長丁場を戦います」

■由良拓也監督

 「不完全燃焼というか、それ以前に燃焼もしなかったような一日でした。何か大きな変更を行なってきた、というのではなく、開幕前から準備をし、マレーシアのテストから少しずつ積み重ねてきたことが徐々にタイムに現れたという感じで、昨日は今季一番の滑り出しで非常に流れも良かったのですが……。今回は予選2回目がスペシャルステージということで、天候が不安定になることが予想されていましたから、あまり予選1回目はムキにならず、ずっとスペシャルステージで求められる1周でいかにタイヤを早く温めるか、という部分にポイントを絞っていましたが、あの黄旗の状況は仕方なかったと思います。ロニーはこのところずっとバッドラックですですが、これも今日で終わりにしてもらって、横溝も決勝ではずっとペースが良いですから、明日は粘り強く戦います。とはいえ、ここは抜きどころのないサーキットですし、今回のレースでポイントを追い求めるとレースが組み立てられないと思いますので、次のもてぎでのレースを想定して、フルタンクでの検証などに充当し、気持ちを切り替えて決勝に臨みたいですね」

 皆様の応援、有難うございました。今後とも、IMSへの応援をどうぞ、宜しくお願いいたします。

Text: INGINGモータースポーツ事務局



トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース