カート

カデット:3台横一線のゴールは鈴木の初勝利で決着

  • 2018年2月25日/三重県・鈴鹿サーキット国際南コース/くもり(ドライ)
  • エントリー24台 出走24台
予選ヒートのスタートに向かうローリング隊列

予選ヒートのスタートに向かうローリング隊列

タイムトライアルで2番手を獲得した近藤 壱颯(Ash)

タイムトライアルで2番手を獲得した近藤 壱颯(Ash)

ダミーグリットでローリングスタートを待つ選手たち

ダミーグリットでローリングスタートを待つ選手たち

12周の決勝がスタート

12周の決勝がスタート

アロンソカートを駆る加藤大翔選手(ハラダカートクラブ)

アロンソカートを駆る加藤大翔選手(ハラダカートクラブ)

大差で逃げる加藤選手を追うりー・海夏澄(スーパーチップス)

大差で逃げる加藤選手を追うりー・海夏澄(スーパーチップス)

メインエンジンがブローしサブエンジンでの戦いを強いられた鈴木選手

メインエンジンがブローしサブエンジンでの戦いを強いられた鈴木選手

巧みなレースを展開しトップを走る鈴木選手

巧みなレースを展開しトップを走る鈴木選手

最終コーナーを立ち上がり3車がチェッカー手前で横並びに

最終コーナーを立ち上がり3車がチェッカー手前で横並びに

接戦を制した鈴木選手喜びを噛みしめる

接戦を制した鈴木選手喜びを噛みしめる

開幕戦を制した鈴木浬選手(KART-CRAFT)

開幕戦を制した鈴木浬選手(KART-CRAFT)

2位獲得の加藤大翔選手(ハラダカートクラブ)

2位獲得の加藤大翔選手(ハラダカートクラブ)

3選手によるシャンパンファイト

3選手によるシャンパンファイト

 レーシングカートのローカルレースの中でも国内屈指の人気を誇る、鈴鹿選手権シリーズ カートレース IN SUZUKAの2018シリーズ第1戦が2月25日、三重県・鈴鹿サーキット国際南コースで開催。この選手権の中で最も低い年齢層(小学2年生以上)のドライバーを対象とするカデットオープンクラスも、新たなシリーズの開幕を迎えた。

 2018年の鈴鹿選手権は全7戦を開催予定。カデットオープンは、その第1/4/5/6/7戦で実施される。鈴鹿サーキットの国際南コースは、F1日本GPの舞台として名高い国際レーシングコースのバックストレッチ南側に設けられた全長1.264kmのサーキットで、熱いバトルを生む高速レイアウトは世界的にも高い評価を得ている。

 カデットオープン第1戦にエントリーしたのは、7歳から11歳の24名。北は福島県から南は熊本県まで、今季も幅広い地域から小さなファイターたちが鈴鹿に集まった。大会当日は、まだ冬の寒さが残る曇り空。タイムトライアルでは昨シリーズのランキング2位、加藤大翔(ハラダカートクラブ)が58秒037をマークしてトップを獲り、0.071秒差で近藤壱颯(Ash)が2番手に。3・4番手には百瀬翔(HRS JAPAN)と りー海夏澄(スーパーチップス)が続いた。トップから8番手までが0.25秒の中に納まる接戦のタイムトライアルだった。

 予選ヒートは8周。ポールの加藤は好スタートを決めると2番手争いにも乗じて2周で約2秒のリードを築き、その後も後続とのギャップを広げながら独走、悠々と決勝のポールを獲得した。タイムトライアル7番手の鈴木浬(KART-CRAFT)が1周目に3つ順位を上げると、3周目には2番手に浮上してそのままゴール。その鈴木を僅差で追った りーが3位でチェッカーを受けた。2番グリッドの近藤は序盤のアクシデントで7位に。3番グリッドの百瀬もコースアウトがあり6位に留まった。

 12周の決勝は、またも加藤の首位キープでスタートを切った。しかし、その展開は予選とは異なるものとなった。加藤に劣らぬ好スタートを決めた鈴木が、一時はやや引き離された加藤のテールを捕らえ、5周目の3コーナーでトップを奪ったのだ。

 ただ、前日にメインのエンジンが壊れてスペアエンジンでの出走となった影響か、鈴木には逃げ切るだけの速さがない。真後ろに貼り付く加藤に対して、鈴木は勝負所のコーナー進入でことごとくインを締めてアタックの芽を摘んでいく。それでも加藤は9周目に鈴木の前へ出たのだが、鈴木はそれをすぐに抜き返して先頭の座を取り戻す。そんな2台に、序盤は引き離されていた りーも追い付き、レース後半は3台一丸の優勝争いとなった。

 最終ラップは鈴木、加藤、りーの順位のままで突入。そして迎えた最終コーナー、またも進入でインに寄った鈴木に対して、加藤はクロスラインを選び、クリッピング付近でインを刺した。しかし鈴木も譲らず、2台は横並びのまま最終コーナーを回る。そこに立ち上がりでりーも並びかけ、フィニッシュの瞬間は3台がほぼ横一線。この激闘を制し初優勝を飾ったのは鈴木だった。ただし、後続を抑え込む望まないレース展開となった鈴木の顔に、笑顔はなかった。加藤は0.011秒差で初勝利を逃し2位に。りーはそこから0.088秒遅れての3位だ。

 単独走行で4位のチェッカーを受けたのは、1周目に9番グリッドから5台抜きのジャンプアップを果たした伊藤聖七(Ash)。5位の近江川暖人(ATEAM)と6位の長谷部祐貴(HIGUCHI RT)も、それぞれ13番グリッドと11番グリッドから大きく順位を上げてのフィニッシュだった。

鈴木浬(すずき・かいり)のコメント
 決勝は、本当は逃げ切りたかったです。相手をブロックしなくてもいいように、もう少し速く走って、もっとクリーンなレースをしたかったです。去年このクラスにスポット参戦して、トップの選手たちと張り合えるようにもっと練習しないとダメだと思いました。それで、今年のシリーズに備えて、苦手に感じていた3・4・5コーナーの連続S字区間を重点的に練習してきました。将来の目標はGTレーサー。好きなドライバーは谷口信輝選手です。ドリフト時代からカッコよかったし、GT300ではBMW・Z4でめちゃめちゃ優勝していたし、ああいうドライバーになりたいと思っています。
Text: Kazuo MIZUTANI
Photo: Y'sPHOTO(Yoshiaki YOKOTA)


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