3月7日、厚い雲に覆われていた前日と違い、寒気に伴う冷たい風が吹くものの朝から青空も見え始めた鈴鹿サーキットで、全日本スーパーフォーミュラ選手権公式合同テストの2日目が行われた。
前日は体調不良で欠席していた山下健太(KONDO RACING)と、小林可夢偉に代わり18号車(KCMG)に搭乗する中山雄一を含む19台のマシンが午前のセッションをスタート。
しかし開始から5分が経過する頃に大嶋和也(SUNOCO TEAM LEMANS)がヘアピンでコースアウト、マシン回収のため最初の赤旗が提示された。
セッション再開後は 各車本格的にテストを開始、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)や、国本雄資(P.MU/CERUMO · INGING)らがタイムを伸ばす中、前日に驚愕のトップタイムを叩き出したアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)がダンロップコーナーでスピンアウトしガードレールに接触、このセッション2回目の赤旗が提示された。
この2度目の赤旗が解除されるとニュータイヤでアタックを開始するマシンも出てくるなど、各陣営は大きな混乱もなくテストメニューをこなしていく。
しかし午前のセッションも残り20分になるころから、にわかに空の雲行きが怪しくなり雹混じりの雨が降り出したものの数分で日も差すほどに天候は回復し、山本尚貴(TEAM無限)ら数名がウエットタ イヤで数ラップするものの、各陣営はニュータイヤでのアタックをすることなくセッションは終了した。
結局このセッションは中嶋一貴の1分36秒608がトップタイム、後に国本、伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いた。
4時間のインターバルを経て、この公式合同テスト最後のセッションは、午前中に続き冷たい風が吹く気温の低い中で始まった。
午後最初の赤旗は野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がヘアピンでコースアウト、同時にコース上のオイル処理が行われる。これは山本のマシンからオイルが漏れた事によるもので、この処理に20分ほど要することとなりセッションは15分延長されることになった。
セッション再開後はオイル処理 後の路面状況を確認するかのように、各車タイムを伸ばすことなくテストは続いていく。
セッションも残り40分になるころには伊沢、国本、ロッテラーらが午後の自己ベストを更新。
残り30分を切ったころヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がヘアピンでマシンストップ、午後2回目の赤旗が提示された。
回収作業が素早く終わると各車アタックを開始、国本がまずは35秒台に伸ばしてくると中嶋一貴 もそれに次ぐタイムを出してきた。
今回のテストもいよいよ残り8分となるころ、一旦ピットに戻っていた各車が予選シミュレーションに入っていく。その中で1分35秒163と前日に続いて驚異的なタイムを叩き出したのは、ロッテラー。チームメイトの中嶋一貴もそれに迫る1分35秒273と自己ベストを更新し、チームトムスがワン・ツーに。
その後、各ドライバーもアタックを続けていたが、中山、伊沢らが相次いでコースサイドにストップ。3回目の赤旗が提示され、この赤旗をもって今回のテストは終了となった。
結果2日のトップタイムはアンドレ・ロッテラー(チーム名)の1分35秒163、2番手は中嶋一貴(チーム名)の1分35秒273、3番手はこの日最後のア タックでタイムを伸ばしたピエール・ガスリー(TEAM無限)の1分35秒585、国本、ニック・キャシディ(KONDO RACING)までがトップ5。
次回の公式合同テストは、富士スピードウェイにおいて、3月31、4月1日の二日間行われる。
Text & Photo: Hiroyuki MINAMI