Super Car Race Series

SCR:第4戦富士決勝 GT3クラスの落合俊之/松本武士組(HOJUST HURACAN)が総合優勝

 2017 CARGUY SUPER CAR RACEの第4戦決勝レースが、富士スピードウェイを舞台に9月17日(日)に開催された。前日に続いてあいにくの空模様にはなったものの、レースは非常に白熱し、大いに盛り上がりを見せていた。

 第4戦のスターティンググリッドは、第3戦のベストタイム順に決定。そのためポールポジションはファステストラップを記録した、佐藤元春/平中克幸組のKSD RACING SLS GT3が獲得することとなった。なお佐藤組は第3戦で優勝しているため、タイムハンデ15秒間が追加され、ピット停止時間は75秒に。2番手には落合俊之/松本武士組のHOJUST HURACANがつけ、第3戦で2位だったため、タイムハンデ10秒が追加されて停止時間は81.5秒間に。3番手につけたのはCARGUY RUF HURACAN GT3の木村武史で、やはり3位でゴールしていたことからタイムハンデ5秒間が追加され、停止時間は96秒間となっている。

 CUP1クラスのトップで、7番手でスタートを切るのはKSD RACING 458CHPの大湯都史樹。第3戦でクラス優勝を飾っているため、タイムハンデ15秒間が加算され、ピット停止時間は60秒間に。これに続く8番手もCUP1クラス2位だった、CARSCOSOアネックス997GT3CUPの肥後聡彌。10秒間追加されて停止時間は55秒となった。

 そして、GT4/N1クラスのトップとして、本来9番手からスタートを切るはずだった、R9オートセレクトレーシングの片岡昇はデフトラブルのため、決勝を前に敢無くリタイア。10番手スタートとなるBRP★Audi RS3 LMSの奧村浩一/須田力組は、優勝のタイムハンデが追加されて55秒の停止となる。なお、Nissoku 86の川島直弥/原嶋昭弘組も、マシントラブルのため決勝を前にリタイアとなっている。

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 前日に引き続き決勝のスタート前には、アストンマーチン・バルカンとマクラーレンP1によるデモランが行われ、観客を大いに喜ばせた。ただし、バルカンはコンディションを考慮して、残念ながら決勝出場は叶わなかった。

 50分間で競われる第4戦決勝は、第3戦時ほど雨は強くなかったことから、セーフティカースタートではなく、通常のローリングスタートで開始された。スタート直後に絶妙のダッシュを決めたのは、5番手YJHD HURACAN STを駆るケイ・コッツォリーノ。ポールスタートの平中に1コーナーで早くも迫る勢いを見せたが、ここでの逆転はならず。しかし、コッツォリーノは平中に1周ピタリと背後について2周目のストレートで並び、1コーナーまでに前に出ることに成功。ここからパートナーの中西一起にマージンをプレゼントすべく、一気にスパートをかけるはずが、続く平中もしっかり食らいついて離れない。そればかりか、11周目の13コーナーで平中に抜き返されてしまう。

 一方、序盤の3番手争いも大いに白熱していた。HOJUST HURACANの落合がリードするも、CARGUY RUF HURACAN GT3の木村が食らいついて離れず。2車両のデッドヒートが高まり、やがてYuuki Japan GROUP HURACAN STの横溝直輝、M2 corse HURACAN GT3の林裕介も加わり、4台が一列に連なり合うこととなった。なかなか前に出ることが許されない状況に対し、木村は10周目にピットに入るも、それがピットウィンドウオープンより、やや早めだった印象も……。3番手を争っていた他の3台は11周目にピットイン。逆にトップを争っていた2台が、ドライバー交代をギリギリまで遅らせたのは言うまでもない。

 先に入ったのは2番手の YJHD HURACAN STで、14周目に中西と交代。次の周にはKSD RACING SLS GT3も、残り1分間の段階で佐藤と交代。その結果、佐藤はトップをキープ、これに続いたのは、木村だった。しかしながらタイム差は23秒にも達していたが、ペースに優るのは木村。さらに17周目に3番手に浮上していた、HOJUST HURACANの松本も佐藤よりもペースが優っており、いずれ一線上に並ぶものと予想された。

 だがしかし、18周目にCARGUY RUF HURACAN GT3に対し、無情の宣告が下された。ピットに入るタイミングがわずかに早く、ペナルティとしてドライビングスルーが命じられたのだ。これにより、HOJUST HURACANが2番手に浮上。その時点での3台の間隔は23秒、26秒となった。 必死に逃げる佐藤、それを追う松本、さらに木村。ゴールまで残り3分を切った23周目には、それぞれの間隔が約4秒差に。その最中にバックマーカーが現れたからたまらない。明らかに進路を譲ろうとはしているのだが、そこは追い越し困難なセクター3。だが、レクサスコーナ ーで松本がトップに浮上、続いて木村も佐藤に迫ろうとしていた。

 なんと言うことか、最終コーナーを立ち上がるとCARGUY RUF HURACAN GT3の木村がスローダウン! 直後にマシンを止めた木村。これでHOJUST HURACANが初優勝、そして連勝とはならなかったものの、KSD RACING SLS GT3が2位でゴール。また後続とは大差をつけていたこともあり、チェッカーこそ受けられなかったものの、CARGUY RUF HURACAN GT3は3位を獲得した。「ゴール直前の300mでガス欠みたいになっちゃって、『ノーパワー!』って言える気持ちが分かりましたよ(苦笑)。プロの方がうまく走ってくれたので、僕らは性能のいいクルマに乗れて、いいバトルができたので楽しかったです」と木村。しかし、その結果、KSD RACING SLS GT3と同ポイントで並び、しかも入賞回数まで一緒だったものの、シリーズ規定に基づき、『プラチナドライバーが組み合わされていないこと』が優先されることに。木村がチャンピオンに輝くこととなった。

 敗れたとはいえ、佐藤は「性能調整なしのスーパーカーのレースって、ここだけしかないので自分としては北海道から来て、思う存分楽しめましたから満足です。天候は悪かったですけど、また次回開催されるなら、また参加して頑張りたいと思います」と爽やかな表情で語っていた。

 2台での戦いとなったCUP1クラスは、スタート直後からKSD RACING 458CHPの大湯都史樹がトップを快走、GT3クラス勢を追い回すほどの勢いを見せていたが、実はフォーメイションラップの頃からギヤトラブルに苦しめられ、「最後は4速ホールドにまでなってしまって」、7周目にはピットに戻ってリタイアを余儀なくされた。これでトップに躍り出たのは、CARSCASOアネックス997GT3CUPの肥後だ。ライバル不在の状況の中で、全く危なげない走りを見せ、総合6位でフィニッシュ。嬉しい初優勝を飾ることとなった。

 GT4/N1クラスではBRP★Audi RS3 LMSが、終始トップを譲らず。スタートを担当した奧村が築いたマージンを、後半担当の須田がしっかり守り2連勝を飾ることとなった。2位はWISE-1ポルシェGT3の佐藤賢一が獲得、さらにトヨタ86同士の3番手争いでは、S.T Racing 86の高屋敷愉が7周目の2コーナーでのスピンによりリタイアしたため、最後まで走り抜いた86RACER’S 86の呉良亮が制することとなった。

優勝コメント

総合優勝&GT3クラス優勝「HOJUST HURACAN」

落合俊之
 「スタートからしばらくは、僕があまりペースを上げられなくて、もうちょっと着いていけるかなと思ったんですが、予想以上に離されてしまいました。まぁ、結果的に木村さんもドライビングスルーペナルティを受けたので、ちょうどよくなったかな、という感じですね。もちろん優勝できて、めちゃくちゃ嬉しいです。『まさか』という感じです。自分が代わった時はちょっと厳しいかな、と思っていたので、さすが(松本は)プロですね。感謝しています」
松本武士
 「出て行ってすぐGT3の木村さんが後ろにいたから、これはなんとか抑えなきゃと思っていたら、こっちフロントタイヤ冷えていて、そのままロックしてコカコーラコーナーの芝生に乗っちゃって、クルッと一回転してしまったんですよ。実はそんなこともあって(笑)。それを自分で取り返さなきゃと思って、頑張って走った感じです(笑)。最後、無線で『あと何秒』というのを、ずっと教えてもらっていて、なんとか抜いたら許してもらえるかなと思って、追いついたら後ろに木村さんがベタ着きだったから、なんとか(佐藤を)早めに抜いて、間に挟めばなんとかなるかなと思って……。ホッとしました」

CUP1クラス優勝「CARSCAROアネックス997GT3CUP」

肥後聡彌
 「ABSなくて、トラクションコントロールなくて、というクルマを選んじゃったんで、このコンディションではかなり怖かったですけど、いつもお世話になっているチームと一緒でしたから、思い切って走りました。(KSDRACING 458CHPがいなくなったことは)実はまったく気がつかなくて。割とひとり旅だったんで、無線でもそのことは言ってこなかったんです。それはかえって良かったかもしれません」 GT4/N1クラス優勝「BRP★Audi RS3 LMS」
奧村浩一
 「連勝できました!まぁ、勝って当然のレースなので、勝てないとダメなので……。でも、今回は来年のS耐のドライバーオーディションのようなものなので、しっかり雨の中走ってもらって、いい候補を見つけることができました。僕自身は楽しくレースすることができて、本当に良かったです」
須田力
 「奧村さんとバースレーシングに感謝です。いいクルマで走らせていただきました。初めて乗ったクルマで、あまりよく分かっていなかったんですが、とにかく無茶しないで、いつもどおり冷静に淡々と。今後につながりそうです。今週はVITAとのダブルエントリーだったのですが、ものすごく勉強になりました。今後のレースに、今週のことを結びつけていきたいと思います」
SCR・JAPAN Co., LTd.


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