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OK:第7,8戦もてぎ 怪物・佐藤蓮、6勝目を上げシリーズチャンピオンを決める

 2017年全日本カート選手権OK部門の第7・8戦が9月24日、ツインリンクもてぎ (栃木県)にて行われ、第7戦・第8戦ともに佐藤蓮(Drago corse)が優勝を飾り、シリーズチャンピオンを獲得した。

 今シーズンよりカテゴリー改定によって国内カートの最高峰カテゴリーは、OK部門へと変わり、新たな歴史の幕開けを飾った。マシンの最低重量が軽くなったことによって、SUGO・瑞浪では、昨年までの最高峰カテゴリーであったKF部門のタイムを大幅に短縮するという驚異的なスピードを見せつけた。しかし、第6戦終了時点でOKマシンの速さ以上の衝撃を与えていたのは、今季より最高峰カテゴリーにステップアップしたルーキードライバー佐藤だった。

 全日本カート選手権は、全日本・地方・ジュニアの3つの選手権から構成されており、その頂点に君臨するのがOK部門だ。最高峰OK部門は、全日本FS125部門を含む下位のカテゴリーで実績を上げたドライバー達のみが戦うことが許される、正真正銘の日本一を決定するカテゴリーだ。それゆえに、参戦するドライバーのレベルは高い次元で拮抗しており、過去のシーズンを振り返っても、今シーズンの佐藤のような6戦4勝という圧倒的な差を見ることはない。例年であれば最終戦の地鈴鹿大会までタイトルの行方は分からないのだが、今シーズンはもてぎ大会で佐藤がタイトルを獲得するかもしれないとあって、いつも以上にサーキットには緊張感が漂っていた。

【第7戦】佐藤蓮、タイトルに王手

 土曜日に行われたタイムトライアルでは、ここまで3大会連続でトップタイムをマークしてきた佐藤に注目が集まるも、小川颯太(TOYOTA YAMAHA RT)のタイムに僅か0.086秒及ばず2番手となった。予選ヒートでは、ポールポジションスタートの小川が好スタートを決めるも、3番手スタートの野中誠太(CREST RICCIARDO)に抜かれてしまう。変わってトップに立った野中が逃げ切るかと思われたが、序盤はブリヂストンユーザーに先行を許した佐藤が中盤からペースを上げ、見る見るうちにトップに躍り出てそのままトップチェッカー。第7戦のポールポジションを獲得した。2位には野中が、3位には小川が続いた。

 翌日曜日、第7戦の決勝の火蓋が切られた。ホールショットを決めたのは佐藤だったが、野中が3コーナーで佐藤のインをついてトップに躍り出る。そのままレースをリードしていく野中だったが、徐々に佐藤が間合いを詰めていき10周目に逆転する。佐藤はトップに出ると野中とのギャップを広げ、そのままでトップチェッカー。今季5勝目をマークし、タイトル獲得に王手をかけた。2位には野中が、3位には三村が入った。

佐藤蓮のコメント
 もっとBS勢に先行されるかと思っていましたが、思っていたよりもいいスタートを切ることができました。想定していたよりも野中選手のペースが速かったのですが、後半になればタイムが落ちてくると思っていたので落ち着いて走り抜くことができました。

【第8戦】怪物佐藤蓮、王座獲得と貫禄の6勝目

 第7戦の結果を受け、予選ヒートの結果によっては佐藤のタイトルが決まる可能性がでてきた。ポールポジションスタートの小川がローリング中にマシンを止めてしまう中、2番手スタートの佐藤は危なげなくスタートを決め、レースをリードしていく。終盤、第7戦の借りを返すべく野中が佐藤をオーバーテイクし、トップでチェッカーを受け、決勝ヒートのポールポジションを獲得した。佐藤は2位でチェッカーを受けたことで、第8戦の決勝と最終戦鈴鹿大会を残して早々にシリーズチャンピンを決めた。

 決勝ヒート、ホールショットを決めたのは野中。2番手には名取鉄平(Team Birel ART)が続く。レース序盤は名取、野中、佐藤、三村壮太郎(Crocpromotion)の順で周回数を重ねていく。レース折り返し地点を過ぎたころに三村がトップに躍り出ると、チェッカーに向けて周回数を重ねていく。周回数も残り2周という場面で、三村の背後にぴたりと付けていた佐藤がトップに浮上。その後は三村の猛アタックを防ぎ切りトップチェッカー。今季6勝目を飾った。2位には三村、3位には野中と、第7戦と同じメンバーが表彰台を飾った。

佐藤蓮のコメント
 第2レースの予選ヒートを終えた段階でチャンピオンを獲れたことは聞いていたのですが、あまり実感はありませんでした。本庄と瑞浪では第2レースで勝てていなかったので、きっちりと勝ってチャンピオンを決めることが大事だと思い、決勝に挑み勝つことができたので本当に良かったです。
Text & Hideshi KIKUYAMA


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