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SF:第6戦SUGO 逆境を跳ね返す圧巻の独走劇で関口雄飛が今季2勝目! ルーキーの関口がランキングトップに再浮上し最終戦へ (TOYOTA)

 9月25日(日)スーパーフォーミュラの第6戦が行われ、セーフティカー導入などの不運をはねのけて圧倒的な独走劇を繰り広げた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季2勝目を飾った。ルーキーの関口が混戦の2016年シーズンで初の2勝目を挙げ、ランキングも首位に浮上して最終戦に臨むこととなった。

独走で今季2勝目を挙げた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20)

独走で今季2勝目を挙げた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20)

 9月24日(土)、25日(日)の両日、宮城県柴田郡村田町に位置するスポーツランドSUGOでスーパーフォーミュラの第6戦が開催された。

 全7戦で戦われている2016年のスーパーフォーミュラもいよいよ残り2戦。最終戦へ向けての山場となる一戦の舞台は東北、SUGOのテクニカルコース。

 今季のスーパーフォーミュラは、ここまでの5戦6レース(第5戦岡山は2レース制)で、全レース勝者が異なるという、大混戦の様相を呈している。

 タイトル争いでは、前大会岡山のレース1で2位、レース2で念願の初優勝を飾った国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が頭ひとつ抜けた感はあるものの、それでもランキング7位の中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)まで8.5ポイント差。ランキング2位から7位までの6台が4ポイント差でひしめく状況。2レース制で行われる最終戦はボーナスポイントを含め最大18ポイントが獲得可能なため、タイトル争いが最終戦まで持ち込まれるのはほぼ間違いない。そんな大混戦の中、少しでも有利な状況で最終戦を迎えるべく、予選から激しい争いが繰り広げられた。

予選

 24日(土)は午前中こそ日差しも見えていたものの、昼を過ぎると雲が空を覆い、気温25度、路面温度29度というドライコンディションで午後1時にノックアウト方式のQ1(20分間)が開始された。

 セッション開始の5分ほど前からほとんどの車両がピットロードに並び、まずアタック開始。5周ほどして一旦タイムをマークしたところで全車ピットに戻った。

 残り7分ほどのところでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を先頭に再びアタック開始。ここで、ピットロードにいた小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)にガレージから出てきた車両が接触。ピットウォールに押しつけられる形で2台は絡み合って停まってしまい、小林は車両にダメージを負うと共に、予選アタックのチャンスも失うこととなってしまった。

 コース上ではタイヤの温まった各車がアタックを開始し、次々にタイムアップ。前日の専有走行から好調な関口がその速さを見せ、残り30秒ほどでトップタイムをマーク。また、午前中のフリー走行で5番手と好調な中山 雄一(KCMG)が4番手と好タイムをマークした。

 このQ1では、前戦レース2で初優勝を飾り、ランキング首位につける国本が僅か0.067秒及ばず17番手でまさかのQ2進出ならず。

 不運な接触で車両不調を抱えながらもまずまずのタイムをマークしていた小林だったが、最後の

最後に押し出される形で僅か0.017秒及ばず15番手。ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)が16番手でQ1敗退となった。  Q2(7分間)では、3周目に中嶋一貴がマークしたタイムを誰も上回れず。関口が0.07秒差の2番手、オリベイラが3番手で続いた。

 Q1で4番手に着けた中山は、Q2では僅かにミスをしたというものの、ここでも4番手と好タイム。今季初、自身のキャリアでもドライでは初めてとなるQ3進出を果たした。

 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が8番手で今季2度目のQ3進出。一方、1分5秒台に入れ、Q3進出かと思われたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)と石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)は僅か0.01秒、0.025秒及ばず9,10番手でQ2敗退。ランキングトップ3がQ3進出を果たせないという波乱の予選に。

 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)は14番手となった。

 Q3(7分間)もセッション終盤に順位が入れ替わっていったが、チェッカー目前に関口がトップに立つと、その直後にフィニッシュラインを超えた中嶋一貴は、惜しくも0.018秒届かず。関口が今季2度目となるポールポジションを獲得。2番手で続いた中嶋一貴は、Q1のピットアウト時に安全確認を怠ったとして1グリッド降格のペナルティを受けることとなり、3番手グリッドとなった。

 オリベイラはトップから0.23秒の僅差ながら6番手。Q2まで好走を見せた中山はタイムが伸びず7番手。ロシターが8番手から明日の決勝に臨むこととなった。

決勝

 25日(日)は朝から日差しにも恵まれ、やや暑さを感じる気温27度、路面温度44度というコンディションで午後3時15分に68周で競われる第6戦決勝レースのスタートが切られた。

 ポールポジションの関口はポジションをキープ。その後方、ペナルティで3番手グリッドにひとつ降格してのスタートとなった中嶋一貴が得意のダッシュを決めて関口に続く2位に浮上した。

 首位の関口がじりじりと後続を引き離していく中、追う中嶋一貴は6周目に駆動系のトラブルに見舞われスローダウン。中嶋一貴はこのトラブルを抱えたままレースを続けることとなったが、このスローダウンで6位へと順位を落としてしまった。

 この中嶋一貴のスローダウンもあり、関口は2位に7秒もの大差で独走態勢に入った。

 後方では、7周目終了時点で8位を走行していたロッテラーが早くもピットイン。ロシター、オリベイラらも早めのピットで追い上げる作戦に出た。

 18周を終了した時点で、関口は2位に約14秒もの大差をつけて独走。ところが、19周目にチームメイトのオリベイラがスピンしコースオフ。グラベルに捕まって脱出できなくなってしまったため、セーフティカーが導入された。

 このセーフティカー導入のタイミングが関口にとっては不運となり、関口を除いた2位以下の未ピット勢が一斉にピットへ。これにより、隊列が整ったときには関口は首位にはつけていたものの、唯一ピットに入っておらず、しかも後続との大きなマージンを失うという厳しい状況となってしまった。

 しかし、23周目にセーフティカーが退出して再スタートが切られると、関口が猛烈なペースで後続との差を広げていった。ファステストラップを更新しながら、毎周約1秒ずつ2位との差を広げていった関口は、50周目を過ぎた頃には2位に30秒もの大差をつけ独走。約35秒差で55周目にピットインした関口は、燃料を給油すると、見事首位でコースに復帰して見せた。

 その後も後続を引き離す走りを続けた関口は、最終的に2位に14秒もの大差でトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。これまでの6レース、全て異なる勝者となっていた今年のスーパーフォーミュラで、ルーキーの関口が初めて2勝目を挙げたドライバーとなった。

 この勝利で、関口はランキングでも首位に浮上。2位の国本に4.5ポイント差をつけ、最終戦に臨むこととなった。

 トラブルを抱えながらも、再スタート後は終始3位を追うバトルを続けた中嶋一貴が、惜しくも逆転表彰台獲得はならず4位。ロッテラーが5位、ロシターが8位でポイント獲得。ロッテラーは首位に6ポイント差のランキング3位、中嶋一貴が7ポイント差の4位へと浮上し、最終戦での逆転に望みを繋いだ。

今季2勝目を挙げた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL:右)

今季2勝目を挙げた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL:右)

スタートではポールポジションの関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20)が首位をキープ、3番手スタートの中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S #37)が好ダッシュで続いた

スタートではポールポジションの関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL #20)が首位をキープ、3番手スタートの中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM’S #37)が好ダッシュで続いた

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車 ドライバー 関口雄飛:
 スタートで不安要素はあったが、今週へ向けて色んな人が助けてくれて、ある程度コツをつかみ、自信を持って臨めた。(中嶋)一貴選手がやはり好スタートを切って迫られたが、予定通り抜かれずに1コーナーをトップで通過できた。クルマのバランスも、ペースも良く、セーフティカーが入るまでは予定通りだった。セーフティカーが入ったことで、あの時点では最悪の状況となってしまったが、選手権のことも考え、1ポイントでも多く獲得すべく、ピットイン後に少しでも良い位置で戻れるよう、諦めずに毎周毎周マージンを広げるためのプッシュを続けた。ピットインの直前まで、トップで戻れるとは思っていなかった。ポイントリーダーに復帰することは出来たが、最終戦は勝者のボーナスポイントが大きく、今のポイント差はあってないようなものなので、とにかく勝ちを狙っていく。第1レースで勝って、少し余裕を持って第2レースに臨めれば最高だ。
トヨタ自動車(株)
モータースポーツマーケティング部


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