全日本F3選手権第1戦の決勝が4月23日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした#36山下健太(ZENT TOM’S F312)が後続をまったく寄せ付けずに12周を走りきり、見事ポール・トゥ・フィニッシュを達成した。
Nクラスは予選1位の#78片山義章(Petit LM Racing)がデビュー戦を勝利で飾った。
先に行われたスーパーフォーミュラの公式予選が相次ぐ赤旗で遅延したため、第1戦決勝は当初予定から20分遅れの午後3時50分より12周で行われた。
好天に恵まれたこの日の鈴鹿サーキットだったが、F3の決勝が始まる頃には分厚い雲が上空を覆い尽くした。しかしレースは最後までドライコンディションで行われた。
ポールシッターの山下はそのままトップで1コーナーに飛び込むと、一気に後続を突き放しにかかったが、後方でNクラス同士の接触があり、2周目からセーフティーカーが導入されてしまった。
アクシデントを起こしたのは#30DRAGON(B-MAX)と#5アレックス・ヤン(ハナシマ)。場所はホームストレートだった。
これで一気にマージンを失った山下だったが、3周終わりのリスタートをうまく決めて再び後続との差を広げにかかった。
その後方では予選4番手の#23千代勝正(B-MAX NDDP)がスタートで今回がデビュー戦となる#37坪井翔(トムス)と#22ヤン・マーデンボロー(B-MAX NDDP)の間隙をすり抜けて2番手に浮上していた。
その後もこの3台は数周にわたって接戦を繰り広げ、5周めの130Rでマーデンボローが坪井に並びかけると、坪井も一歩も引かずに並走のままシケインへ。
ここでは3位を守った坪井だったが、マーデンボローは続く6周めの1コーナーでアウトからかぶせて坪井を抜き去り、次の周には同じ1コーナーで千代をも攻略して山下の追撃に取り掛かった。この時点でのトップとの差は2.8秒余り。
マーデンボローはその後も山下との差を着実に削り取っていったが、山下もファイナルラップでセクター1、セクター2と区間ベストを出す走りで応じ、最後は1.3秒差でマーデンボローを退けて開幕戦を制した。
なお3位には11周めの1コーナーで千代をアウトから抜き去った坪井が入った。
一方Nクラスはスタートで出遅れながらも1周終わりのDRAGONとヤンのアクシデントをかわした片山がそのままトップで走りきり、デビュー戦で勝利をものにすることに。
2位には#9廣田築、3位には#10岡崎善衛とアルビレックスレーシングチームの二人が入った。
全日本F3選手権第2戦の決勝は明日朝10時5分より17周で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum