F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

FIA-F4:第7,8戦SUGO 平木湧也が表彰台まであと一歩、4位、5位で連続入賞、第8戦では平木玲次も初入賞、川合孝汰も含め全員がTOP10入り (Le Beausset)

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 ル・ボーセ モータースポーツが挑むカテゴリーのひとつ、FIA-F4選手権シリーズの第4大会が7月23日(土)、24日(日)にスポーツランドSUGO(宮城県)で開催された。ドライバー育成を最大の主旨とし、さらなる盛り上がりが期待されるシリーズに、川合孝汰、平木玲次、平木湧也の3人を走らせる。

 本来ならば、第3大会が5月下旬にオートポリスで行われるはずだったが、熊本地震で施設が損傷したため、代替レースが次大会の富士、そして最終大会のもてぎに併せて行われることに。そのため、2か月強のインターバルが空いてしまったが、その間にもテストを実施。3人ドライバーはマイレージを稼ぐとともに、スキル向上に力を大いに注いでいた。

 今大会の舞台、SUGOはアクセルを踏んで回るコーナーの多い、典型的なテクニカルレイアウトである上に、アップダウンに富んで、なおかつコース幅が狭い。そのため、走りにリズムを欠いてしまうとコースアウトや接触、果ては大クラッシュに陥ることも少なくはない。その意味ではドライバーの技量を問う、サーキットでもある。

予選 7月23日(土)天候/曇り コース状況/ドライ

 前大会の富士もそうだったが、FIA-F4が2年目の平木湧也を除けばスーパーFJ以外にレース経験のない川合孝汰と平木玲次にとっては、SUGOでは初めてレースを戦うこととなる。そのため、事前にテストを行い、なおかつ専有走行が行われる木曜日から、さっそくの走り出しとなった。2日目の金曜日もコンディションに恵まれたこともあり、ドライバー3人はセッションごとタイムを縮めていったが、練習の締めとなる最終セッションでは、湧也、川合、玲次の順で、ほぼコンマ1秒差で揃うまでとなっていた。

 土曜日の予選は、いつもどおり30分間の計測と十分過ぎるほど長いが、このコースではアクシデントはつきもの。いつ赤旗が出ても困らぬよう、開始と同時に3人のドライバーはアタックを行うこととなった。案の定、3分経たぬうちに赤旗が出されることに。再開後、いちばん早く1分24秒台に入れたのは湧也だったが、最初のアタックから最も伸び代が大きかったのが川合。逆に中盤の伸びをやや欠いていたのが玲次ではあったものの、ようやく温まってきた終盤にもクラッシュがあり、二度目の赤旗が。5分間を残していたものの終了とのアナウンスが。

 その結果、川合が第7戦を9番手、第8戦を8番手から、そして湧也は10番手と11番手、玲次は15番手と17番手から決勝に挑むことになった。

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決勝 第7戦 7月23日(土)天候/曇り コース状況/ドライ

 午後になると天候は崩れ始め、やがて小雨が舞うようになる。それも降ったり、やんだりを繰り返し、第7戦のスタート進行が始まる頃には路面が濡れるまでにはいたらなかったものの、ウェット宣言が出されることに。しかし、全車が迷うことなくドライタイヤを装着した。そんな中、予選3番手のドライバーがクラッチにトラブルを抱えたことから、スタートディレイに。1周減算の14周で争われることになる。そんな混乱にも集中力を途切れさせることのなかった湧也が好スタートを切って、まず目の前の川合をパス。湧也と川合はオープニングラップのうちに7、8番手にポジションを上げた一方で、玲次はヘアピンで突然失速した車両を避け切れずに接触。大きく順位を落としたばかりか、まともに走れない状況に陥ったため、9周目にはピットに戻ってリタイアとなり、ここまで4戦続けてきた完走を途絶えさせてしまう。

 湧也と川合は、中盤まで6番手の車両に行く手を阻まれる形で、一列縦隊でのバトルを繰り返していたが、その車両が11周目のSPコーナーインで姿勢を乱してクラッシュ。これにより、湧也が6番手に、川合が7番手に浮上する。その後、ふたりは後続を振り切る格好でゴール。

 しかし、再車検でトップと3位の車両に規定違反が発覚し、失格となったことで、それぞれ順位はふたつくり上がることに。湧也が今季最上位となる4位、川合が自己最上位となる5位を獲得することとなった。

決勝 第8戦 7月24日(日)天候/小雨 コース状況/ウエット

 夏休みに入って初めての週末ということもあって、土曜日にも8,200人の観客を集めていたが、日曜日には29,500人が。心なしか、子供連れの家族も多いように感じられた。しかし、皮肉なことにコンディションは悪化。未明の雨がしっかり路面を濡らしたばかりか、小雨が第7戦同様、降ったりやんだりを繰り返す。それでも、今度は全車がウェットタイヤを装着しての戦いとなった。

 3人はそれぞれスタートをそつなくこなし、またヘアピンで生じたアクシデントも回避。それでも1周目を終えた段階で川合が9番手とポジションをキープしたものの、湧也が12番手後退。逆に玲次は14番手に浮上する。2周目には川合をリーダーに後続が連なるようになり、その中には湧也と玲次も含まれるように。むしろ逃げたい川合ながら、FIA-F4でウェットコンディションを走るのは、これが限りなく初めて。コースに留まるのがやっとの状態がしばらく続き、4周目にはポジションダウン。集団の先頭には湧也がつけて、一台を挟んで川合、玲次の順となる。ここから2周の間は経験の差が出て、3人はいったん離れてしまうが、クラッシュ車両の回収のため、7周目から2周に渡ってセーフティカーがコースイン。

 リスタート後は、3台が揃って元気のいい走りを見せた。特に湧也は前のクルマをロックオンすると、すかさずオーバーテイク。13周目には5番手に浮上する。これに玲次も続いて、最終ラップには7番手に。ゴール間際には6番手の車両に並びかけたが、あと一歩のところで逆転はかなわなかった。一方、川合はその流れには乗ることこそできなかったものの、しっかり10位でフィニッシュ。今季6戦目にして、初めて3人が揃って入賞を果たすこととなった。

 次大会は富士を舞台に2週間後の、8月6〜7日に開催される。特に第8戦で得られた勢いは、間違いなく保たれているはずだ。今度はそれぞれ表彰台を狙うこととなる。

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 欲を言えばクルマのポテンシャルを予選までにもうひとレベル上げたかった。ふたつのレースを通じて言える事は、前戦からの長いインターバルの間にドライバーの意識と取り組み方に変化があり、良い兆候が見られたことだ。特に玲次にとっては1戦目のレースを接触で終わったものの、2戦目では難しいコンディションのなか上位まで追い上げられたことは今後の戦いに自信を持って臨めるのではないだろうか。
Driver 川合孝汰(Kohta Kawaai)COMMENT
 第7戦は、SUGOでの初レースになりましたが、コース幅の狭さを感じつつ、うまく位置取りもできて、ポイントを獲得できたのですが、第8戦はFIA-F4で初めてのウェットコンディションということもあり、ちょっと苦戦してしまいました。1周目はうまくクリアできたものの、しばらくの間はラインやギヤをうまく合わせ切れず、バタバタのしどおしで……。それでも途中でSCが入ったことで気持ちの切り替えもでき、その頃になるとタイヤを壊していたドライバーも多かったことから、順位を上げることができ、何とかポイントを獲ることができました。これからもこういう状況があると思うので、今後は冷静に対処できるようにしたいです。
Driver 平木玲次(Reiji Hiraki)COMMENT
 第7戦は1周目に、突然減速したクルマを避け切れずに接触し、まともにレースできずに終わってしまいました。第8戦は天候が荒れていて、序盤からクラッシュなど、前で混乱はあったんですが、そのあたりはうまくかわせたとは思います。後半ペースも上がってきて、前にも追いついていったんですが、2周かかったところを1周で抜いてこられたら、もっと順位を上げることができたように思います。まわりより速く走れていたのに、抜きどころに迷ったり、慎重になり過ぎたのは、今回いちばんの課題です。そのあたりも踏まえて、次回も頑張ります。
Driver 平木湧也(Yuya Hiraki)COMMENT
第7戦はスタートで普通に一台を抜いて、その後はうまくレースは組み立てられたと思っています。予選後のセット変更でかなりいい方向になっていて、まだトップとの差はありましたが、その中で追いついている感じもありましたから、収穫も少なくなかったですね。雨の中での第8戦はペースも良く、しっかり抜き続けながらのレースになりました。欲を言えば、タイヤの熱の入りが最初の2周、ちょっとつらかったので、そのあたりでもう少し我慢できれば表彰台にも行けたのかな、そんな思いはあります。少しずつトップとの差は詰まってきました。順位もレースごと上がってきたので、次は表彰台を目指して頑張りたいと思います。
Le Beausset Motorsports


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