スーパー耐久

S耐:第5戦岡山 DENSO Le Beausset RC350が一時は2番手を走行、終盤にトラブル抱えるも、しっかりと完走果たす (Le Beausset)

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 ル・ボーセモータースポーツが今年新たに挑む、スーパー耐久シリーズの第5戦が岡山国際サーキット(岡山県)で9月5日(土)〜6日(日)に開催された。ST-3クラスでチームとして、さらにレクサスRC350によるデビューウィンを達成して以来、注目度は高まり、またライバルからのマークも一層強くなってきた。もちろん、チャレンジャーとして、引き続き戦うのは言うまでもない。前回のオートポリスでは、終盤にエンジントラブルに見舞われるも、しっかり完走を果たして「DENSO Le Beausset RC350」は4位入賞。まだ2戦を経ただけにも関わらず、ランキングでは5位浮上を果たした。

 岡山国際サーキットも、前回のオートポリスと負けず劣らずテクニカルコースとしての要素が強く、よりフルブレーキングを要するセクションが多いことで知られている。今回は嵯峨宏紀、中山雄一、山下健太のレギュラードライバーの3人体制で挑む。

予選 9月5日(土) 天候/晴れのち曇り コース状況/ドライ

 今回のレースから「DENSO Le Beausset RC350」は、新たにエアロボンネットを装着しオイルクーラーも改良が施され、それぞれ冷却効果を向上させるが、それ以上の効果が軽量化。その効果のほどを確かめる意味でも、今回は練習走行を水曜日から開始。3人のドライバーとともに、セットアップが入念に進められていった。

 最終確認ともなる専有走行が金曜日に行われ、3セッションのうちセッション2が突然の雨に見舞われるハプニングはあったものの、日曜日には高い確率での降雨が天気予報で伝えられていただけに、レインセットも詰める貴重な機会として活用された。また、セッション1ではクラス最速タイムもマーク。セッション3でのタイムアップこそならなかったものの、確かな手応えもつかんだ上で、予選に挑むこととなった。

 その予選のAドライバーセッションには、嵯峨が挑んだ。開始早々に赤旗が出たものの、まだアタック前とあって事なきを得ることに。アタックを開始してからは徐々にタイムを上げて、1分41秒616をマークし4番手につけることとなった。

 続くBドライバーのセッションは中山が走行。やや陽が陰って温度も下がったこともあり、さらにタイムアップを果たして1分41秒052を記すも5番手に。ドライバーふたりの合算タイムで決まる決勝のグリッドは、5番手ということになった。

 なお、この後に行われたCドライバーのセッションはグリッドの決定要素にならないものの、山下が満タンでレースシミュレーションを行うことに。それでもなお、1分41秒761と、クラス最速タイムをマークして、上々の手応えをつかんでいた。

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決勝 9月6日(日) 天候/曇り コース状況/ウェット

 日曜日は天気予報どおり、朝からあいにくの雨模様に。もし、決勝レースもウェットコンディションになるのなら、ここでの仕上げが勝敗を大きく左右することになる。午前9時からの30分間のフリー走行は余すことなく活用された。「DENSO Le Beausset RC350」を中山、嵯峨の順で走らせ、最後に走行した山下にはニュータイヤも投入された。また、ドライセットからの最大の変更点は、リヤのダウンフォースが増やされたこと。その効果はてきめんで、また一歩前進が果たされることとなった。なお、ここでのベストタイムは嵯峨が記録した1分57秒395。ST-3クラスにおいては、2番手に相当した。

 12時35分からスタート進行が開始。路面はまだ濡れたままだが、すでに雨はやんでおり、何より前回のレースから1か月しか経っていないのに、強烈な暑さから解放されたのがありがたい。レーシングカーにとって熱は、さまざまな大敵となりかねないからだ。また、一時はドライタイヤの装着も検討されたが、気温も低く、無風状態でもあったため、急速に路面状態は向上しないと判断。ウェットタイヤで挑むこととなった。

 スタートを担当した中山は、好スタートを切ってオープニングラップのうちにふたつポジションを上げて2番手に。好発進を果たし、しばらくポジションをキープする。ところが、好事魔多し。1時間を過ぎて間もなくの35周目、中山がヘアピンでオーバーラン。その間に一台に脇をすり抜かれて、3番手へと後退。幸い、マシンにはダメージがなく、すぐにコースに復帰して、順位を取り戻すべくハイペースで前車を追走。次第に路面が回復していき、ドライタイヤへの交換タイミングが、このレースでの重要な戦略となってくる中、路面が濡れていて他車がレインタイヤで走るコンディションで、チームは真っ先にドライタイヤへの交換を決断。すかさず44周目にピットインして嵯峨へのドライバー交代も合わせて行い、コースに送り出し3番手で復帰させる。だが、路面状況が乾き始めたコースでは、ドライタイヤとウェットタイヤの車両が混在し、また速度が大きく違う各クラスがコース上で接戦を繰り広げており、そんな中、嵯峨も2コーナーで周回遅れのクラス違いの車両と接触してしまい、右フロントの足回りを傷めてしまう。そこに後方から一台がじわりじわりと迫り、逆転を許したのは55周目。それでも大きく遅れを取ることなく続き、再逆転のチャンスを待つ。そして残り50分を切った69周目に、山下にバトンタッチ。ポジションは4番手で変わらなかったが、それからわずか3周後にマシンの異常を訴え、山下がピットに滑り込んでくる。直ぐさまにジャッキアップし、原因を探るとエキゾーストのトラブルが判明。そこからはメカニック達がマシンの下に潜り込み、必死の作業で20分を要して修復し、コース復帰に成功。順位は7番手となるものの、このレースでのチームのベストタイムを記録する走りで、しっかりチェッカーを受けることとなった。

 7位という結果に納得できようはずがないが、しっかり完走を果たしてポイントを、そしてデータを得られたことは、今後に向けて大きな期待材料に。残す戦いは、10月24〜25日に鈴鹿サーキットで行われる最終戦となり、参戦初年度の集大成となるよう臨む。

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チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)COMMENT
 前レースからのインターバルで軽量化など幾つかのモデファイを施せたことがクルマのパフォーマンスを引き上げる力となった。まだ十分な速さは足りてないが、セッティングの方向性は確認できる内容になってきた。クルマの重量が重いからかウェットコンディションでは速さがあったので雨のレースを期待したが、中盤からのドライコンディションでの粘りが足りず、終盤にエキゾーストトラブルが出てしまい残念な結果となってしまった。最終戦の鈴鹿に向けトラブルの洗い出しをしてチーム全員が戦える力を備えしっかり準備をして臨む。
Driver 嵯峨宏紀(koki Saga)COMMENT
 トラブルは後半の追い上げを目指していたところでしたので残念でした。レースではウェットのペースは良かったのですが、自分が履いたスリックタイヤ装着時にペースが上がらず、他車との接触などもあってタイムロスがありました。次の鈴鹿は最終戦になりますので、今年の集大成となるべく優勝を目指し臨みたいと思います。
Driver 中山雄一(Yuichi Nakayama)COMMENT
 最初のうちはペースも良くて、まわりと同じぐらいで走れていたと思うのですが……。後半はタイヤがかなりグリップを失ってしまいました。僕のスティントでは、スタート直後に順位は上げて帰って来られましたけど、トップをつかまえるまでにはならなかったのが残念です。鈴鹿の最終戦ではトップを目指したいと思います。
Driver 山下健太(Kenta Yamashita)COMMENT
 ちょっと残念でしたけど、前回よりはまわりとのタイム差が少し縮まっているかもしれないので、そこは良かったかなと思います。トラブルは、急に音が変わったりしたのでエキゾーストのようです。コースインしてから、しばらくはいいペースで前を追って走れていたので悔しいです。次戦はシリーズ最終戦になるので、力を出し切れるようにがんばります。
Le Beausset Motorsports


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