スーパー耐久

S耐:第4戦オートポリス 真夏の九州、灼熱のバトルでDENSO Le Beausset RC350は4位入賞 (Le Beausset)

st-rd4-lebeausset-1

 ル・ボーセモータースポーツが今年から挑むこととなった、スーパー耐久シリーズの第4戦がオートポリス(熊本県)で8月1日(土)〜2日(日)に開催された。ST-3クラスにレクサスRC350を投入して、これが2戦目。富士スピードウェイで行われた第3戦では、徹底した燃費走行など戦術面の駆使とドライバー、スタッフを含めた総合力によって、デビューウィンを飾ることに成功し、最高のスタートを切ることとなった。

 シリーズ第4戦の舞台、オートポリスはアップダウンの激しい、難コースとして知られている。特に後半の峠を登っていくようなセクター3は、タイヤを容赦なく痛めつけるだけに、繊細なマネージメントが必要とされる。また、夏場に開催されるのは今回が初めてとあって、熱対策が重要なファクターとなり、これらが上位進出を目指す鍵となってくる。

 今回、DENSO Le Beausset RC350をドライブするのは、嵯峨宏紀と中山雄一、そして新田守男の3人。オートポリスでのレース経験が多い嵯峨と新田、フレッシュな中山の激走に期待がかかった。

予選 8月1日(土) 天候/晴れ コース状況/ドライ

 前回のレースから、ほぼ1か月が経過したが、その間にもツインリンクもてぎでテストを行い、また今回もチームはレースウィーク早々にサーキット入りして、DENSO Le Beausset RC350を、まずは木曜日から新田のドライブで走らせた。金曜日からはスーパーGTのテストを終えた嵯峨と中山も合流し、改めてセットアップを進めていくことに。前回は雨ばかりの走行だったが、逆に今回はすべてドライコンディション。ただし、恵まれた……とは言い難い。というのは、暑過ぎるのだ。日中の気温は絶えず30度を超え、まさに灼熱状態。レースウィークはずっと、このような状態と伝えられただけに、過酷な戦いはもはや避けられそうもなかった。

 3セッション行われた専有走行は、1回目をまず新田のみ走行し、2分5秒840をマーク。2回目は新田と嵯峨でシェアして5秒662、3回目は新田と中山がシェアして5秒655と、ベストタイムは着実に更新されてきた。

 今回の予選担当は、嵯峨と中山。その予選に先駆け、土曜日の午前に設けられたフリー走行では、このふたりでアタックシミュレーションを行うことに。ユーズドタイヤではあったが、嵯峨が2分5秒697を、そして中山が6秒118を記録する。

 そして迎えた予選。嵯峨は2分5秒057を記録した後、さらに更新しようと激しくコースを攻めるが、その最中に赤旗が。10分間の中断にも集中力を切らすことなく、再開後のワンアタックを完璧に決めて4秒928をマークする。

 続いて挑んだ中山は、まず2分5秒162を記録して、いったんピットイン。マシンに微調整を施し、再度アタックをかけると5秒039にまでアップ。ふたりのタイム合算によって7番グリッドを獲得することとなった。なお、グリッド決定の要素にはならないものの、その後に行われたCドライバーのセッションを新田が走行。ここまでのレースウィークの最速タイムとなる4秒840をマークして、DENSO Le Beausset RC350の進化を感じさせた。

st-rd4-lebeausset-2 st-rd4-lebeausset-3

決勝 8月2日(日) 天候/晴れ コース状況/ドライ

 日曜日の早朝8時からフリー走行が行われ、ここでは新田にDENSO Le Beausset RC350のステアリングが託された。それまでのセッションより早い時間ということもあり、温度もやや低かったことも影響していようが、いきなり2分4秒785が記され、立ち上がりは上々。このままタイムを更新することが期待されたものの、それから間もなく赤旗が。出ばなをくじかれた格好にはなったものの、再開後も新田は周回を重ね、3秒台突入まであと一歩となる4秒139をマークし、予選をも上回る好パフォーマンスを見せて決勝へと臨むこととなった。

 12時50分にスタート進行は開始。太陽が真上に上がり、まさにうだるような暑さの中で、熱戦の火ぶたが切られることとなった。DENSO Le Beausset RC350のスタートを担当したのは嵯峨。1周のフォーメイションラップの後、スタートが切られ、オープニングラップに先行するZ34に接触があったため、ピットイン。これでまずひとつ順位を上げて、6番手から決勝レースを開始することとなった。

 厳しい暑さゆえに波乱の展開も予想されたが、ことST-3クラスに関しては大きな動きもなく、順調に周回が重ねられていき、1時間を経過して間もなくの29周目に最初のピットストップが行われた。続いてドライブしたのは新田。給油とタイヤ交換を行い、素早くコースへと送り出し、引き続きポジションは保たれる。

 だが、この第2スティントでは、レースにも動きが生じていた。まず、スタートから一度もピットに戻らず、トップを快走していたIS350がブレーキトラブルに見舞われ、45周目の1コーナーでクラッシュ。さらに3番手を走行していたRC350も、それから2周後に足まわりのトラブルによってリタイアを喫することとなった。

 これでDENSO Le Beausset RC350は労せずして4番手に浮上するが、この頃エンジンは温度の上昇により、不調を来すようにもなっていた。そのため、ドライバーは我慢の走行を強いられるように。2時間目を間もなくという、53周目に中山へと交代。ここでは3位表彰台を目指すために給油のみ行い、タイヤは無交換。周回を重ねたタイヤであったため、本来の持ち味である、若さ溢れる走りを披露できなかった中山ながら、粘りの周回を重ね、前車のピットインのタイミングでの逆転を狙ったが、終盤さらにエンジンが不調となりペースダウンを強いられ、最後は完走第一と切り替え大事にラップを刻んでいく。そしてスタートから3時間を経過して、待望のチェッカーが。84周を走破し、4位という結果を得ることとなった。

 次回のレースは9月5日(土)〜6日(日)、岡山国際サーキットが舞台となる。中低速のコーナーが続くテクニカルコースではあるが、今回のトラブル改善やマシンが更に進化すればもっともっと積極的にレースを進められるはず。期待は高まるばかりだ。

st-rd4-lebeausset-4 st-rd4-lebeausset-5 st-rd4-lebeausset-6 st-rd4-lebeausset-7

チーム監督 坪松唯夫(Tadao Tsubomatsu)
 前戦の富士は戦略面での優位性が勝利に繋がったが、3時間のレースとなると、ドライバー個々のパフォーマンスと単に速いクルマを作る必要があった。決勝直前までクルマのパフォーマンスを上げる為の作業を続けたが、まだトップのクルマと戦える状況になっていないと感じている。ドライバーは各々のパートを確実にこなしてくれたが、レース終盤に燃料系とエンジン本体のトラブルが出てしまい、完走を前提とした4位を確実にとる方向へ変更した。
Driver 嵯峨宏紀(koki Saga)
 3時間の短期決戦であれば、他のクルマとのペースの違いで、この順位になってしまいましたね。僕のスティントでは、他車との接触があったり、タイヤの内圧が途中から上がってしまったり、なかなかペースが上げられず厳しい戦いでした。マシンはペースをもっと上げられるよう、改善しなくてはいけない部分があることが分かりました。次の岡山に向けては、しっかりと準備して表彰台の一角を占められるぐらいの速さのマシンを、チームとドライバーとで作っていきます。
Driver 中山雄一(Yuichi Nakayama)
 僕はタイヤを交換せず、出て行ったこともあって最初からグリップもしなくて、86の真後ろで走っていたら水温が上がって、だんだんエンジンも回らなくなってきてしまい、最後は完走を目指すために、エンジンをいたわりながら、なんとかゴールまでマシンを運びました。ペース的には厳しい状況でしたけど、苦しいなかでもチームの力で表彰台まであと一歩のところまで来たので、次戦にはマシンも更に進化するので、またチームとともに表彰台に乗れるようにがんばります。
Driver 新田守男(Morio Nitta)
 前回の富士より、他のクルマにちょっと追いつけてきたかな、という感じではあったのですが、それでもパフォーマンスは完全な状態にまだ足りない。しかも、レースの真ん中ぐらいから、どこが原因か分からないけど、エンジンがちゃんと吹けない状況が起きちゃっていたのも残念でした。本当にもう少しクルマのパフォーマンスを上げていかないと、実際のレースにはまだ足りないと思うので、チームとして早く仕上げてベストな状態で、レースを戦えるようにしないといけないでしょう。それでも今日は、その中でもベストで終われたんじゃないかと思います。
Le Beausset Motorsports


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース