SUPER FORMULA

SF:第5戦オートポリス アンドレ・ロッテラーが圧巻の独走で今季2勝目! 国本雄資が2位、J.P.デ・オリベイラが3位で続き、トヨタエンジン表彰台独占 (TOYOTA)

  • コース:オートポリス (4.674km)
  • 予選:9月13日(土)晴:ドライ
  • 決勝:9月14日(日)晴:ドライ

 9月13日(土)14日(日)の両日、オートポリスでスーパーフォーミュラの第5戦が行われ、復帰戦となったアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が完勝。国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が2位、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が3位で続き、新生スーパーフォーミュラ初走行となったオートポリスで、トヨタエンジンが表彰台を独占した。

14sf_rd5_1.jpg
アンドレ・ロッテラーが今季2勝目。国本雄資が2位、J.P.デ・オリベイラが
3位に入り、トヨタエンジン搭載車が表彰台を独占した

 9月13日(土)14日(日)の両日、大分県日田市上津江町に位置するオートポリスでSUPER FORMULAの第5戦「AUTOPOLIS SUPER 2&4 RACE 2014」が開催された。

 全7大会、9レースで戦われる2014年シーズンも後半、第5戦を迎えた。今大会が開催されるオートポリスは山間のテクニカルコース。初めて走る事となる、"ライト&クイック"な新生スーパーフォーミュラの走りが注目されたが、今大会は215kmレースを無給油で走り切らなくてはならない規則となっており、燃費の面でも厳しい勝負が予想された。

 タイトル争いでは前戦2勝目を挙げたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)を、1戦欠場も1勝で追うロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、同じく1勝の中嶋 一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)、表彰台2回と好調な石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、前戦もてぎを急遽欠場も、今大会から復帰するアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)までが6.5ポイントという僅差で追っており、今大会は後半戦のタイトル争いに向けた主導権を握るためにも、重要な一戦となった。

 オートポリスは前戦もてぎ同様、新型車両でのテスト等が行われておらず、金曜日の走行も無かったため、13日(土)午前中のフリー走行(75分)が初めて、かつ予選へ向けての唯一のセッティングの機会となった。このセッションでは、ロッテラーが2位以下を0.5秒ほど引き離す、ずば抜けたタイムでトップにつけた。

◆予選◆

 フリー走行の後、併催レースの予選などを経て、午後2時40分、雲はあるものの気温21度、路面温度26度という過ごしやすいコンディションで、ノックアウト方式の予選Q1(20分間)がスタート。トムスの2台を先頭に、全車コースインしていったが、アウトラップの最終コーナーで、クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL)がコースアウト。アウト側のクラッシュパッドに激しくヒットした。カーティケヤンは無事だったが、車両排除とコース清掃、クラッシュパッドの修復のためにセッションは赤旗中断。午後3時に残り時間18分弱でセッションが再開された。

 全車、午前中に使用したタイヤで一旦タイムを出してピットへ戻り、残り6分を切ったところで、新品タイヤでアタックへ向けコースイン。トムスの2台がアウトラップの翌周、ライバルよりも1周早いタイミングでアタックを開始し、ロッテラーがトップ、中嶋 一貴が2番手と1-2のタイムをマーク。

 Q1では終盤コース上にストップしてしまった中山 雄一(KCMG)が17番手、嵯峨 宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)が18番手で敗退。他のトヨタエンジン勢はトップ14に入り、Q2進出を決めたが、午前中のフリー走行で3番手、Q1も8番手と好調さを見せていた石浦が最後の最後にスピンしコース上にストップ。自力でピットに戻ることが出来なかったため、Q2に進出したものの走行は叶わず、14番手グリッドとなった。

 中山と石浦の車両排除のため、予定よりもやや遅れ、午後3時31分にQ2(7分間)がスタート。Q2では、セッティングに苦しんだジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)が0.067秒届かずまさかの9番手。ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が10番手で、2台がQ2敗退となった。

 Q3(7分間)もセッション開始と同時に各車コースイン。このセッションでもアウトラップの翌周からアタックしたロッテラーがまずトップタイムをマーク。中嶋一貴はまだアタックしていなかった他車に引っかかり、タイムを伸ばせず。終盤にかけアタックを開始した他の車両がタイムを伸ばしていき、順位はめまぐるしく入れ替わることに。

 激しいタイム争いの中で、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が好タイムをマーク。0.066秒届かずポールポジション獲得こそ叶わなかったものの、最前列2番手を獲得。終盤タイムを塗り替えられながらも、ロッテラーは2列目3番手。ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が6番手、中嶋一貴が7番手、平川 亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が8番手から明日の決勝レースに臨むこととなった。

 新生スーパーフォーミュラはその速さを遺憾なく発揮。Q2進出の14台全車がオートポリスにおけるこれまでのフォーミュラ・ニッポン/スーパーフォーミュラのコースレコードを更新。それだけではなく、Q3に進出した8台は全車、20年以上前のグループCカーによるオートポリス全体でのコースレコードも更新するタイムをマークした。

◆決勝◆

 14日(日)は朝から晴れ渡り、好天の下で決勝レースの日を迎えた。平川はスタート前のウォームアップ走行中にスピンを喫し、コース上にストップしたため、決勝レースはピットスタートとなった。

 併催レースの遅れもあり、予定よりも10分遅れた午後2時55分、気温26度、路面温度37度というコンディションでフォーメーションラップ開始。フォーメーションラップから全車グリッドに整列し、シグナルブラックアウトと共にスタートが切られた。

 ややスタートで遅れたポールポジションの山本 尚貴(TEAM 無限)を2番手グリッドの国本がパスしたが、2列目3番手グリッドのロッテラーが抜群のスタートでアウトから国本もかわし、首位に浮上。9番手グリッドのオリベイラ、10番手グリッドのロシター、14番手グリッドの石浦らも素晴らしいダッシュでジャンプアップを決め、オリベイラは3位、ロシター5位、石浦は8位へと浮上。中嶋一貴は一つポジションを上げ6位で1周目を終えた。

 一方で、6番手スタートのデュバルは1コーナーで接触を喫しスピン。最後尾へと順位を落としてしまった。

 3周目、2位の国本は首位を行くロッテラーを攻め、オーバーテイクシステムを用いて1コーナーで並びかけるも、パスするまでには至らず。

 その後、大きな順位変動のないままレースな進行。燃料給油は禁止されているものの、タイヤ交換は可能なため、タイヤ交換の奇策に出るチームもあるかと思われたが、結局タイヤを交換する作戦に出るチームはなく、燃料、タイヤ共に厳しいレース展開の中、上位勢のラップタイムは安定し、それぞれの間隔も均衡したまま、神経戦とも言える、見えない戦いの下で周回が重ねられていった。

 レースが残り10周ほどになってくると、タイヤ摩耗などによるペースダウンも見られ、8位走行中の石浦が前走車との差を詰める場面も見られたが、パスには至らず。そんな中、終盤更にペースを上げたロッテラーは、ファステストラップをマークする余裕を見せ、最後は2位に約13秒もの大差でトップチェッカー。今季2勝目、自身日本のトップフォーミュラにおける記念すべき通算20勝目を挙げた。

 2位には見事なペースでレースを走り切った国本が入り、今季2度目の表彰台獲得。オリベイラが3位に入り、ドライバーズランキング首位を守った。

 ロシターが5位、中嶋一貴が6位。石浦は最後まで7位を争ったが届かず8位でチェッカーを受け、今季4度目となるポイント獲得を果たした。

PETRONAS TEAM TOM'S 36号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:
「とても良いレースが出来た。ピットストップのないレースは、スタートが重要だと思い、狙っていた。国本選手がスタートでやや遅れたので、それを利用して少しでも前に行こうと努力した。トップの山本選手とはギリギリのバトルとなり、混乱したスタートだったが、前に出られて良かった。タイヤもメーカーの努力で、最後まで良いコンディションで走り切ることが出来た。最後のラップの前にファステストラップをマーク出来たことで、良いタイヤであることを証明出来た」
P.MU/CERUMO・INGING 39号車 ドライバー 国本 雄資:
「今日はスタートしかチャンスがないと思っていたので、スタートに集中した。スタートで山本選手よりも前に出ることが出来、1コーナーイン側からブレーキ勝負と思ったのだが、結構路面がバンピーで、ブレーキングポイントを見失い挙動が乱れたときにロッテラー選手にアウト側から抜かれてしまった。メディカルのクルマが入ってきた時など、抜くチャンスがあったが叶わなかった。ロッテラー選手について行きたかったが、タイヤが厳しかったりで中々ペースが上げられず、終盤はオリベイラ選手に追いつかれてしまった。苦しい場面もあったが、チームが良いクルマを作ってくれたおかげで、良い流れの週末になった」
Lenovo TEAM IMPUL 19号車 ドライバー ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ:
「今回はスタートが全てと考えており、その他の戦略は特になかった。スタートは上手く行った。1コーナーの前でアウト側のラインを選んだのも正解で、ポジションを上げることが出来た。スタートから一定のペースをキープしていたが、終盤塚越選手に追いつかれてしまった。ペースを上げて引き離したかったが、リアタイヤが厳しかった。また、その時点でロッテラー選手にも大きく離されてしまっていたので、もっと速いペースで走れるようにセッティングを詰めることが今後の課題だ。今回のデータを次戦菅生に活かせるようにしたい」
トヨタモータースポーツニュース


トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:

検索

最新ニュース