SUPER GT

SGT:第8戦もてぎ 立川/平手がLEXUS SC最後のシーズンにタイトル獲得! 大嶋/国本の若手コンビが有終の美 (TOYOTA)

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2013年SUPER GTのシリーズチャンピオンに輝いた立川祐路(左)と
平手晃平(右)、チーム監督の高木虎之介(中央)

 SUPER GT第8戦「MOTEGI GT250km RACE」が11月2日(土)、3日(日)の両日、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。

 年間8戦で争われる、2013年シーズンのSUPER GTもいよいよ最終戦。今大会、GT500クラスは全車ウェイトハンデなしでの勝負となる。

 前戦オートポリスで中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のPETRONAS TOM'S SC430 36号車と、立川祐路/平手晃平組 ZENT CERUMO SC430 38号車が1-2フィニッシュを飾り、シリーズランキングでも38号車が1位、36号車が4ポイント差の2位へと浮上。LEXUS SC430は昨年も勝利を挙げているもてぎに、2009年以来となるチャンピオン獲得を目指し臨んだ。

 2006年よりSUPER GTに参戦しているLEXUS SC430だが、来季より車両規定が大きく変わることもあり、既に発表され、テストも行われている2014年型のニューマシンに車両が変更となる。LEXUS SC430でのSUPER GT最後のシーズン、タイトル獲得に期待がかかった。

◆予選◆

 2日(土)曇天でやや肌寒い天候の下、ノックアウト方式の予選が行われた。

 午後2時からのGT300クラスQ1を経て、午後2時15分より15分間で行われるGT500クラスQ1がスタート。残り2分を切ったところで各車アタックを開始し、チェッカー目前に好タイムを叩き出した平手晃平の38号車が3番手。脇阪寿一のDENSO KOBELCO SC430 39号車が4番手、国本がQ1を担当したENEOS SUSTINA SC430 6号車が5番手で続いた。

 伊藤大輔のKeePer TOM'S SC430 37号車は8番手でQ1通過を果たしたが、ランキング2位から逆転タイトルを狙う36号車はジェームス・ロシターがまさかの13番手に終わり、Q2進出ならず。WedsSport ADVAN SC430 19号車も12番手グリッドが確定した。

 Q2(12分間)は午後3時5分に開始。セッション中盤からアタックが始まり、6号車の大嶋が好タイムをマーク。終盤にかけて、各車このタイムを上回るべくアタック合戦を繰り広げたが、大嶋のタイムに届くものは現れず、6号車がLEXUS SC430としては3戦連続、そしてLEXUS SC430にとってはSUPER GT最後となるシリーズ戦でのポールポジションを獲得することとなった。大嶋にとっては3年ぶり3回目のポールポジション。

 2番手から5番手までは約0.1秒という僅差での争いとなり、ランキング首位の38号車は立川祐路のアタックで4番手。石浦宏明の39号車が5番手。アンドレア・カルダレッリの37号車は7番手から明日の決勝レースに臨むこととなった。  GT300クラスでは、Panasonic apr PRIUS GT 31号車がQ2進出へあと一つ及ばず、14番手グリッドにつけた。

◆決勝◆

 3日(日)も空には雲がかかっていたものの、気温は20度、路面温度26度と今大会で最も高く、過ごしやすい気候の下で午後1時半に53周、250kmで争われる決勝レースのスタートが切られた。

 上位勢はグリッドのまま順当なスタートを切ったが、4番手の38号車平手が第2コーナーで早くも3位へ。更に4周目には前を行く車両のミスを見逃さず、2位へとポジションを上げ、序盤からLEXUS SC430が1-2体制に。

 後方では13番手スタートの36号車ロシターが10位へとジャンプアップ。その後も次々と前走車をパスしていき、16周目には7位までポジションを上げた。

 首位を逃げる6号車大嶋は、ペースの上がらない2位の38号車を引き離し独走。ドライバー交代が始まる直前の19周目には、その差は15秒にまで広がった。

 20周が過ぎると続々とドライバー交代、給油とタイヤ交換のためにピットイン。平手から立川へと交代した38号車は、ピット作業で後続との差を若干詰められたものの、ピットアウト直後のタイヤが冷えた状態でも、後続からの猛追を凌ぎきり、2位のポジションをキープした。

 一方首位の6号車は、上位勢では最後となる、24周目にピットインし、国本へと交代。この時点で2位以下との差は20秒以上となっていた。

 全車がピット作業を終えた後、脇阪から石浦宏明へと交代した39号車がハイペースの追い上げを見せ、32周目に3位に浮上。LEXUS SC430が1-2-3を占めての中盤戦となった。

 しかし、2位を走る38号車のペースが上がらず、タイトルを争うKEIHIN HSV-010 17号車と3台のLEXUS SC430による激しい2位争いが展開されることに。GT300クラスの周回遅れ車両と、コースに散らばるタイヤかすに苦しみながらの接近戦が繰り広げられたが、38周目に立川は惜しくもHSV 17号車にかわされ、2位の座を譲ることとなってしまった。

 その後は、6号車が大差をつけて首位を逃げる一方で、38号車、39号車、36号車の3台が連なっての3位争いとなった。

 首位の6号車国本は、後半若干ペースが落ちる場面も見られたものの、2位に11秒差をつけて逃げ切り、トップチェッカー。今季より6号車で組むこととなった大嶋と国本の若手コンビが嬉しい初優勝を飾った。大嶋にとってはGT500の通算4勝目。国本はGT500クラス初優勝となる。

 38号車は3位でチェッカーを受け、立川と平手は2ポイント差でシリーズチャンピオンを決定。LEXUS SC430にとってSUPER GT最後のシーズンを、タイトル獲得で締めくくった。立川はGTシリーズ最多タイとなる通算3度目のタイトル獲得。平手にとっては、4輪レースにステップアップして以来初めてのチャンピオンに輝いた。

 LEXUS TEAM ZENT CERUMOもチームタイトルを勝ち取り、立川と共に8年ぶりの戴冠となった。

 39号車が4位、36号車が5位、37号車も6位まで追い上げてチェッカーを受け、LEXUS SC430はトップ6台中5台を占める強さを示してシリーズ最終戦を終えた。

 GT300クラスでは、14番手からスタートした31号車が健闘を見せたが、スピンや接触で順位を落とし、20位でレースを終えた。

ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 大嶋和也:
 今シーズンは苦戦していたので最終戦で勝てて嬉しい。今日はチームの判断でスタートドライバーを務めたが、出来るだけギャップを築いて、楽な状態で国本選手に渡すことを託されたので、自分に出来ることは全て出し切り、プッシュした。クルマもとても速く、エンジンもタイヤも申し分ない状況でレースをすることが出来たと思う。優勝という結果を残すことが出来て良かった。
ENEOS SUSTINA SC430 6号車 ドライバー 国本雄資:
 今年加入したチームでなかなか結果が残せず、悔しい想いと焦りがあったが、後半戦頑張って取り戻し、最終戦でこんな素晴らしい勝ち方が出来て、自分自身への自信にも繋がった。大嶋選手からスイッチした時は、大きなミスがなければ優勝は間違いないという状態だったので、しっかりレースをコントロールして走った。大嶋選手の走りも素晴らしかったし、このクルマを作ってくれたチームやスポンサー、各関係者に結果で報いることが出来て本当に良かった。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 立川祐路:
 今年1年、クルマの調子は常に良かったのだが、それを結果に繋げられなかった。3戦連続ノーポイントで終わった時は、チャンピオンを諦めかけたこともあった。2年連続でLEXUSがチャンピオンを獲れず、奪還すべくチームやタイヤメーカーと共に頑張って来たことと、開発当初から関わっているLEXUS SC430の最後の年ということを考えると、タイトル獲得は本当に感慨深い。
ZENT CERUMO SC430 38号車 ドライバー 平手晃平:
 4輪にステップアップしてから初めてのタイトルなのだが、まだ実感が湧かない。昨シーズン、ランキング2位でタイトルを逃し、悔しい思いをした。今年はLEXUS SC430にとって最後のシーズンということもあって、開幕戦から意気込んで臨んだのだが、なかなか流れに乗ることが出来ず、シーズン序盤は苦しかった。そんな状況から巻き返してチャンピオンを獲得し、LEXUS SC430で有終の美を飾ることが出来て嬉しい。
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