SUPER FORMULA

SF:第7戦鈴鹿決勝レース2 波乱の28周を#1中嶋一貴が制し、今季2勝目。2013年ドライバーズタイトルは#16山本尚貴のものに!

全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦の決勝レース2は、予選5番手からスタートした#1中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が今季2勝目を挙げた。
また、ポールポジションの#16山本尚貴(TEAM無限)は3位に入って獲得ポイントで#2アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)に並び、規定により2013ドライバーズチャンピオンを獲得した。
(天候:曇り>雨 コース:セミウェット>ドライ>ウェット)

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決勝レース2は午後」2時30分より28周で行われた。
朝からコースを濡らしていた雨はスタート前には止んでいたが、路面には濡れた場所がまだ残っており、グリッド上でのタイヤチョイスはウェット15台、スリック4台という具合に分かれた。
ここでスリックタイヤを選択したのは#2ジェームス・ロシター(トムス)、#7平川亮(チームルマン)、#38平手晃平(セルモインギング)、#39国本雄資(セルモインギング)だ。

スタートでトップに立ったのはポールの山本。
#32小暮卓史(ナカジマレーシング)と並走状態で1コーナーに飛び込み、あわや接触という場面もあったが、ギリギリでかわしてポジションをキープした。
3番手には中嶋一貴がつけたが、惜しくもスプーンでコースオフしてしまい、#19J.P.オリベイラ(インパル)の先行を許してしまった。
その後中嶋一貴、オリベイラの2台は揃って1周終わりでピットイン。早々とスリックタイヤに履き替えてコースに戻っていった。
続いて2周終わりでトップの山本がスリックに履き替えたが、1周早くピットインした2台を冷えたタイヤで押え込むことが出来ず、1-2コーナーで立て続けに抜かれてしまった。
これにより、ウェットタイヤ勢が一通り作業を終えた時点での順位はロシター、平川、平手、国本、オリベイラ、中嶋一貴、山本の順となった。

大会特別規則によりタイヤ交換が義務づけられていることを考慮すれば、この時点での山本の順位は実質3番手ということになる。
その後、ロシター、平川はレース中盤までにタイヤ交換を済ませたが、再び雨が降ってくる可能性を考慮したか、セルモインギングの2台はレース終盤までピットストップを引き延ばす作戦に出た。
結局平手は20周目、国本は27周目にスリックタイヤに交換することになり、19秒もの作業時間を要した平手は10位に後退。国本は7位でレースを終えることになった。

その後方ではオリベイラ、中嶋一貴の2台が徐々に山本を引き離していく。それでも3位でフィニッシュすれば山本はロッテラーにポイントで追いつくことが出来る。
一時はこのままセルモインギングの2台のピットインを待ってオリベイラがトップでチェッカーを受けるかに思われたが、23周目に突然オリベイラがミッショントラブルにより失速。トップの座を中嶋一貴に明け渡してしまった。
中嶋一貴はそのまま逃げ切って第4戦もてぎ以来の今季2勝目を獲得。
後退したオリベイラは27周目にデグナーでクラッシュしてレースを終えた。

これで2位に繰り上がった山本だったが、終盤再び降り始めた雨に足下をすくわれ、シケインへの飛び込みで姿勢を乱してオーバーラン、立ち上がりでもハーフスピン状態となって小暮の先行を許してしまった。
続くファイナルラップの1コーナーで小暮を抜き返しにいった山本だったが、なんとここでもコースを飛び出し、後方からファステストラップを立て続けに更新するハイペースで周回を重ねていた平川に追いつかれてしまった。
雨で滑る路面の中、スリックタイヤで懸命にコースに留まろうとする山本。好きあらばと並びかけてくる平川。
2台はヘアピンやスプーンで接触ギリギリのバトルを展開しながらテール・トゥ・ノーズ状態で最終コーナーを駆け降りてきたが、わずか0.538秒差で山本が逃げ切り、3位表彰台を獲得した。

これにより山本のシリーズポイントは37となってロッテラーと並んだが、全日本スーパーフォーミュラ統一規則第41条1)項の規定により、1大会辺り最大のポイントを獲得した山本(PP2回、優勝、3位で合計13ポイント)が2013年度のドライバーズチャンピオンを獲得した。

また、今回もスポット参戦していたインディカードライバーの#15佐藤琢磨(TEAM無限)は9位でチェッカーを受けたが、8位の国本が自動計測装置取り付け義務違反により1周減算となったため、繰り上げで8位入賞となり、0.5ポイントを獲得した。
国本車はレース1でのクラッシュで計測装置の取り付けられたパーツを破損したが、これを交換する際計測器の移しかえがなされていなかったとのことだ。

なお、このレースを以てスウィフト製のSF13シャシーと3.4リッターV8エンジンでのシリーズ戦は終了。
富士スピードウェイでの特別戦「富士スプリントカップ」開催を経て、来シーズンからはダラーラ製のSF14シャシーに2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載した車両が使用されることになる。
レース2の終了後にはこのSF14車両によるデモンストレーションランが行われ、サーキットに詰めかけた観客の前で野太いターボサウンドを響かせてコースを疾走してみせた。

富士スプリントカップは11月22-24日、富士スピードウェイで開催される。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Yoshinori OHNISHI


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