SUPER FORMULA

SF:第6戦SUGO ロイック・デュバルがポール・トゥ・ウィンで今季初勝利! アンドレ・ロッテラーが100分の4秒差で2位 (TOYOTA)

  • コース:スポーツランドSUGO (3.704km)
  • 予選:9月28日(土)晴:ドライ
  • 決勝:9月29日(日)晴:ドライ
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激しいバトルの末に今季初勝利を挙げたロイック・デュバル(中央)と
2位に入ったアンドレ・ロッテラー(左)

 スーパーフォーミュラの第6戦が9月28日(土)、29日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで行われた。

 第5戦として予定されていた、韓国・インジェ大会が中止となったため、約2ヶ月ぶりの開催となるスーパーフォーミュラ。第6戦の舞台は東北・杜の都仙台近郊の山中に位置するテクニカルコース、スポーツランドSUGO。

 今季のスーパーフォーミュラは、WEC(世界耐久選手権)出場のために開幕戦を欠場しているアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が4戦中3戦のみの出場ながら2勝、2位1回と圧倒的な強さでランキング首位につけている。これを追うランキング2位も、同じく開幕戦を欠場しながら3戦連続表彰台のロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。この外国人勢を、前半戦不調と不運に見舞われながらもようやく前戦もてぎで勝利を挙げたディフェンディングチャンピオンの中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)らが追っている。

 28日(土)好天に恵まれたSUGOで、3セッションに渡って台数が絞られていき決勝のスターティンググリッドを決定する、ノックアウト方式での予選が行われた。

 Q1は午後1時10分から20分間。序盤から各車周回を重ね、少しずつタイムを上げていったが、一旦ピットへ向かい、新しいタイヤを装着して残り5分でアタック開始。セッション終了へ向けて次々にタイムが塗り替えられていく中、SUGOでは過去出場した全レースで表彰台に上がるなど得意としており、今大会でも午前中のフリー走行でトップタイムをマークした好調デュバルがここでもトップに立ち、中嶋一貴が3番手で続いた。

 上位14台がQ2へ進出するこのQ1では、安田裕信(KONDO RACING)が15番手。第3戦富士で2位表彰台に上っている平手晃平(P.MU/cerumo・INGING)がセッティングを詰め切れず、16番手でまさかのQ1敗退。17番手嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset)、19番手リチャード・ブラッドレー(KCMG)でグリッドが確定した。

 7分間のQ2では前戦もてぎでポール・トゥ・ウィンを果たした中嶋一貴がトップタイムをマーク。デュバルが2番手、国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が3番手と好位置につけた。一方で、平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)がコンマ1秒及ばず10番手でQ3進出ならず。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)も11番手でQ2敗退となってしまった。

 最終Q3も7分間のセッション。各車残り5分でコースインし、最後のアタックを繰り広げたが、好走を続けるデュバルが2番手にコンマ2秒差をつけるトップタイムを叩き出し、第3戦富士に続く今季2度目のポールポジションを獲得。ロッテラーが3番手、中嶋一貴が4番手。現時点でのランキング上位4人が予選2列目までを占めた。

 着実にQ3まで進んだ松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)が6番手、国本が7番手につけ、決勝レースに臨むこととなった。

 29日(日)はさわやかな秋晴れとなり、気温22度、路面温度29度と過ごしやすい気候の下、午後3時に68周で争われる決勝レースがスタートした。

 スタートではポールポジションのデュバルがややホイールを空転させながらもポジションを守る一方で、好ダッシュを決めたロッテラーが2位に浮上。

 2周目の1コーナーで、16番手スタートから追い上げを図ろうとしていた平手がスピンしコースアウト。順位を落としながらもコースに復帰した平手だったが、4周目にクラッシュ。セーフティカーが導入された。

 このセーフティカーラン中に中団グループ以降の数台がピットイン。8周目に再スタートが切られたが、そのストレート上でオリベイラと平川が接触。ホイールを破損したオリベイラはまっすぐ1コーナーに突っ込む激しいクラッシュ。再びセーフティカー導入となった。

 このセーフティカーラン中には、デュバル、ロッテラー、中嶋一貴、松田ら上位勢がピットへ。同一チームのためロッテラーのピット作業を待つこととなった中嶋一貴はポジションを落としてしまった。

 このセーフティカーラン中、国本を含む数台がピットに入らずコース上に残り、国本は2位に浮上。デュバルが7位、ロッテラー8位で12周目に再スタート。デュバル、ロッテラー共に徐々に前走車をパスして順位を上げていった。

 27周目、国本同様にコース上に残ったことで順位を上げ、7位を走行していたブラッドレーがクラッシュ。この日3度目のセーフティカー導入となった。

 ここで国本らがピットイン。しかし、それまでに築いていたマージンを活かし、国本は7位でコースへ復帰。デュバルが3位、ロッテラーが4位で32周目に再スタートが切られると、デュバルは前を行く2台を激しく攻め立てたが抜くまでには至らず。

 37周目に首位を争う伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)が接触。伊沢はその場でレースを終え、小暮もこの接触でペナルティを受けることとなり後退。再びデュバルとロッテラーが1-2で首位を争うこととなった。

 56周目、11位走行中の平川が白煙を吹いてコース上にストップ。58周目には前走車をパスすべく激しい追い上げを見せていた中嶋一貴が接触でコースオフ。逆転チャンピオン目指し追い上げていた中嶋一貴だったが、ここでレースを終えることとなってしまった。

 その直後に別のクラッシュが発生し、4度目のセーフティカー導入。レースは残り4周での再スタートとなり、超スプリントでの、デュバルとロッテラーによる手に汗握る首位争いが再開された。

 追うロッテラーは、毎周1コーナー進入でデュバルに並びかけ、2台はサイド・バイ・サイド、テール・トゥ・ノーズの接触寸前バトルを展開。しかし、デュバルは巧みなテクニックで首位を堅守。

 最後まで諦めないロッテラーは、ファイナルラップの最終コーナー立ち上がりからデュバルに食らいつくと、ストレートでのスリップストリームからラインを変え、2台はほぼ並んだままチェッカー。僅か0.041秒差で逃げ切ったデュバルが今季初勝利を飾った。チーム ルマンにとっては、10年ぶりの勝利となった。

 ロッテラーは2位に入り、トヨタエンジンが1-2フィニッシュ。リタイア8台、セーフティカー導入4回という大荒れのレースで、健闘した国本が自身最上位タイとなる4位フィニッシュ。松田は5位。安田が6位に入り、参戦2年目にして初入賞、初のポイント獲得を果たした。

 ランキングではロッテラーが首位を堅守。ロッテラーとランキング2位のデュバルは共に次戦最終戦を欠場することとなるが、逆転タイトル獲得の可能性を残すランキング3位の山本尚貴(TEAM無限)との差は13ポイント。最終戦は2レース制のため、1レースの優勝8ポイント+ポールポジションでの1ポイントで、最大18ポイントが獲得出来るが、山本がどちらかのレースで3位以下、もしくは両レースのポールポジションを獲得せず2位以下でフィニッシュした場合、ロッテラーのチャンピオンが決定する。

KYGNUS SUNOCO Team LeMans 8号車 ドライバー ロイック・デュバル
 朝のフリー走行では、路面コンディションにセッティングが合わなかったが、セッションの終わりにまでに状況を改善することが出来た。しかし、我々のクルマは、タイムは速いがタイヤに厳しく、30周を過ぎた頃からリアが流れオーバーステア症状が強くなってしまった。この難しい状況で迎えたアンドレ(ロッテラー)との終盤のバトルは、これまで日本で経験したフォーミュラのレースの中で一番タフな戦いだった。昨年このチームで参戦する前、1年間フォーミュラでのレースを休んでいたこともあり、慣れることに少し時間を要したが、昨年の後半から調子も上がり、やっと勝つことができた。チャンスを与えてくれたチーム、メーカー、スポンサーに感謝している。
PETRONAS TEAM TOM'S 2号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:
 セーフティカーが入るタイミングで、チームとピットに入るか入らないか無線でやりとりしたが、チームも混乱していて決断を迷ったことで、一度山本(尚貴)選手に先行されポジションを落としてしまった。自分で再びポジションを上げることには成功したが、優勝できる完璧なポテンシャルを持ったクルマだっただけに、2位で終わったことはとても複雑な思いだ。ロイック(デュバル)との終盤のバトルは楽しかったが、前に行くことは叶わず本当に残念だ。シーズン中2戦も欠場しなくてはいけないのに、スーパーフォーミュラへの参戦を許してくれたチームとメーカーに感謝したい。
トヨタモータースポーツニュース


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