全日本F3000

童夢インサイドレポート Rd.5-1

            エイベックス童夢レーシングチーム
   1995年 全日本F3000選手権シリーズ第5戦 レースレポート-1
      「中野信治&エイベックス童夢、今シーズン初の表彰台へ!」
 大会名:SUGO INTER FORMULA F3000&F3
 日時:1995年7月30日(予選29日)
 場所:宮城県・スポーツランドSUGO(3.704 km)×54周
 天候:快晴
 気温/路面温度:35℃/54℃
 コースコンディション:ドライ
 観客数:40,800人(決勝日)
 7月30日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された全日本F3000選手権シリーズ第5戦「SUGO INTER FORMULA」において、エイベックス童夢レーシングチームの中野信治選手(童夢F104/無限MF308)は、予選10番手から得意のスタートを決めた後、着実に順位を上げて20周目には2番手に立ちました。
 レース終盤、タイヤの消耗が激しくなり惜しくも順位をひとつ下げたものの、その後は後続車の追い上げを最後まで抑えきる好走を見せ、3位でフィニッシュ。
 中野選手自身F3000選手権で初めて、そしてエイベックス童夢レーシングチームにとっても今シーズン初めての表彰台に上りました。
<土曜日>
 約2カ月半のインターバルをへて迎えた全日本F3000選手権第5戦。
 舞台となる宮城県スポーツランドSUGOは、仙台市内から南へ車で約40分の山間にあり、四輪・二輪の全日本レース開催や、またA・セナ少年が走ったカート場で有名な、東日本におけるモータースポーツのメッカ的存在だ。
 2本の直線と適度に配置された高・中・低速コーナー、またメインストレートへとつながる最終コーナーの上り10%勾配(フォーミュラの低いシート位置からだと壁のように見える)など激しいアップダウンの連続するコース・レイアウトは、ドライバーのテクニックと体力が問われる(とくに夏場は)反面、「SUGOは攻め甲斐があり、抜きどころも多くて面白い」という声も多い。
 93年に童夢F103iで優勝した(ドライバーはM・アピチェラ選手)童夢チームにとっても、セッティングに自信アリのサーキットなのだ。
 今回のレースに先立ち5月30日から6月1日にかけて行われたタイヤ・テストでは、トップタイムをマークしたアピチェラ選手をはじめ、ヨコハマ・タイヤ(YH)勢が好調だった。
 YH勢は、開幕戦で影山正彦選手が3位入賞したものの、それ以後はパッとした成績が残っていない。さまざまな理由があってのことだが、決勝レースでのタイヤの力不足は否めない。
 ブリヂストン(BS)勢にやられっぱなしの現状を打開するため、ヨコハマ・タイヤでは第4戦終了後から、昼夜問わずの開発が進められてきた。
 その成果が、このSUGOテストで現れてきたというわけだ。
 今年からYH勢の一員となった童夢チームも、過去の豊富な経験にもとづく知恵と想像力をフル回転させながら、YHタイヤの特性にあうマシン・セッティングをさぐり続け、このテストではまずまずの好感触を得ていた。
 問題は、本番までの二ヵ月で開発がどれだけ進み、本番の気象条件にマッチしたタイヤが出来上がってくるかどうかである。
 シリーズ後半戦は、例年通り、真夏の太陽のもとで幕を上げた。
 事前テスト後の開発で出来上がったタイヤ数種類のうち、童夢チームでは迷わず最もコンパウンドの硬いものをチョイス。
「予選を思えばもう少し柔らかめのコンパウンドの方がいいんやろうけど、明日の決勝レースは54周の長丁場。気温も今日より上がっても下がることはないだろう」
という、松本恵二監督の判断だった。
 予選が始まる10時40分、寒暖計の目盛りはゆうに35度を越えている。
「今日はこの暑さやからトップでも1分10秒台がせいぜいのはず。
 ヨソより硬めタイヤだから、今日の予選は1分11秒台に入れることが目標や」
 松本監督の指示にうなづいて、中野信治は久しぶりのF3000マシンに乗り込んだ。 二ヵ月以上レースから遠ざかっていた中野だが、F3000のスピード感覚を取り戻すのに2・3周もあれば充分だったらしく、4周目には目標タイムの1分11秒701をマークした。
 いったんピットに戻って給油したあと、グングン上昇する路面温度でのタイヤとマシンの状況、マッチングをを確認し、一回目の予選を終えた。
 順位的には11番手と平凡だったが、目標タイムを出したことで「このタイヤなら何とかイケそうだ」という手応えを掴んだことが、何よりの成果だったといえよう。
                          2へ続く


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