ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.3 SENDAI Hiland GTC GTインサイド・レポート No. 14 1995/ 6/ 25 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 64.GTC仙台ハイランド レースレポート E.コマスのスープラと長谷見昌弘のスカイラインが好スタートでポールポジショ ンからスタートした田嶋栄一のポルシェをかわしてトップに出る。トップを走るコ マスを仙台マイスターの長谷見は果敢に攻めるが、15周目に長谷見昌弘のスカイラ インのデフが壊れて後退し、代わってA.リードのポルシェがコマスを追う。その後 ろではスタートで遅れた田嶋栄一のポルシェと星野一義のスカイラインが激しい3、 4位争いを展開するが、ピットストップの際に田嶋の燃料パイプから燃料が出ない というトラブルのため、田嶋栄一も後退してしまう。その後ろでは、ルマンから凱 旋した関谷正徳の操るスープラと土屋圭市のポルシェが5ー6位争いを行う。GT 2クラスでは、竹内浩典のRX7に対抗出来る唯一の存在であった牧口エンジニア リングのDTM仕様M3がフロントホイールが外れて1コーナーでストップしてし まったため、雨宮RX7が独走する。 スタートから約1時間後のピットストップを境としてレースに変化が見えはじめ た。関谷正徳からM.クルムに交代したトムス スープラが3番手に上がり、さらに A.リードから近藤真彦に交代したタイサン ポルシェまで抜いて2位に進出する。 この時点でトップのコマスのセルモ スープラとクルムのトムス スープラの差は約 12秒あったが、クルムは1分49秒台という予選タイムにも匹敵する速さで猛追する。 55周目には2台はテール トウ ノーズとなる。ドラマは58周目に訪れる。山の上の スプーンコーナーで周回遅れを避けようとしたコマスがスピン。これにクルムのマ シンが接触してしまって、2台共コースアウトしてしまった。クルムはすぐにコー スに復帰したが、コマスはグラベルから脱出することが出来なかった。これで関谷 正徳とM.クルムの#36 トヨタ カストロール スープラの優勝が決まった。スープ ラにとっては嬉しい初優勝である。 65.#7 RE雨宮SuperG RX7 「よかったです、勝てて。完璧でした」(雨宮代表) 「2戦目で勝ててよかったです。後半は後ろと離れているのがわかったので、抑え ていきました。木下さんが1コーナーで止まったのは見えていました。ピットイン ではタイヤ交換なしでいったのですが、後ろと離れていましたから、交換してもよ かったかもしれないですね。BMWはコーナーの立ち上がりからストレートでは速 いのですが、コーナーで勝っていました。シリーズチャンピオンもねらえそうです が、外国屋さんが2位に入っちゃいましたからねェ・・・」(竹内浩典) 「クルマのバランスとチームワークで優勝できました。次もがんばります」(松本 晴彦) 66.#36トヨタ カストロール スープラ 「どうもありがとう。今日はまったくなにもしていません。クルムにすごいドライ ビングをしていただきました。今日は彼だけのレースです。ボクはただツキを持っ てきただけです。ここは非常にパッシングがむずかしいサーキットで、ちょっと問 題もあったかもしれませんが、運・不運ということもありますから・・・。早めのピッ トインは予定通りです。ピットが混み合うのがイヤだったのもその理由のひとつで す」(関谷正徳) 「たいへん疲れました。というのはドリンクもクールスーツも働かなくなってしまっ たからです。次は関谷さんにビッグパートを担当してもらいたいです。クルマはまっ たく問題ありませんでした。ピットを出るときエンジンストールさせてしまったのは ボクのミスです。影山選手を抜くのには10ラップくらいかかりましたが、とくに問題 はありませんでした。コマス選手はコーナーで遅く、しかもインを閉めてくるのでな かなか抜くことができませんでした。終盤、スプーン手前の左コーナーでインが開い たので、そこへ入ったらまた閉めてきて、ボクのフロントが彼のクルマに当たってし まいました。これで終わりかと思いましたが、幸運にも再スタートできました。コマ スにはすまないとは思いますが、フィフティ・フィフティでしょう」(ミハエル・ クルム) 67.#10 Johnson SKYLINE:飯田章 「エンジンも遅いけど、クルマが不安定で踏んで行けなかった。最初は久々に乗っ て調子良かったんだけど、詰まり始めたらどんどんペース落ちちゃって。ブレーキ のタッチも落ちて行ったので、後半心配だったから抑えて行った。6位に入ったの は利男さんのお陰です」 68.#3 ユニシアジェックス・スカイライン:長谷見昌弘 「デフロックがいかれちゃった。パワーがまったく伝わらなくなってしまって。 真っ直ぐたど良いんだけど。クラス10位にでもなれば良いと思って頑張って走り続 けたんだけど、ダメだった」 ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP '95全日本GT選手権 Rd.3 SENDAI Hiland GTC GTインサイド・レポート No. 15 1995/ 6/ 25 FMOTOR4版 ---------------------------------------------------------------------------- 69.#1 カルソニック・スカイライン 星野一義:「結果2位だけど、もうちょっと走り込まないとマズイね、このまま じゃ。シャシーの方もエンジンの方も。パワーも出てないしね。この後も参加? もうノーサンキュー。影山はもう大丈夫だよ。今回はあくまでも影山のバックアッ プさ」 影山正彦:「レースとしては苦しい戦いになったんだけど、今日は楽しかった。 もっとみんなで頑張って優勝出来るように、全体的なスカイラインのレベルを上げ るようにします。リヤのコーナリングのレベルもそうですけど、まだ熟成すべきポ イントが残っていますから。個人的には久しぶりに星野さんと表賞台に立て嬉し かったです」 70.#38 トヨタ・スープラ:エリック・コマス 「トヨタのドライバーが1位と2位なのに、何もクルマを壊すようなリスクを冒す ことはない。ビデオ? カメラの位置が後ろで良くなかったからちゃんと撮影され ていないんだよ。コーナーの進入で、彼がボクをほとんど抜いたような印象を与え るんだ。ウーン...。同じチームであんなことする必要ないんだよ。アピールはしな い。ニッサンを勝たせるだけのことだから」 71.TRD鳩谷和春エンジニア スープラGTの生みの親であるTRDの鳩谷和春エンジニアは「やっと勝てまし た。スープラは大きいようでもホイールベースが2500mmしかなくてトラクションの 面では苦しいクルマです。いくらエンジンを小型/軽量の3SGに載せ換えたから といっても、FRであることには変わりありません。このトラクションを得ること がスープラGT開発の最大の課題でした。しかし、トラクションを強くしていくと マシンがアンダーステアになっていきます。この対策が難しいんです。特にこの仙 台ハイランドはアンダーステアのマシンだと苦しいですから。パワーステアリング を装備したのはこんな理由もあるんです。ポルシェは燃費もレスポンスも良いです から、ここらへんがこれからの課題です。搭載する燃料の量を減らしてマシンを軽 くしたり、ピットストップの時間の短縮のためにも燃費は良くしなければいけませ ん。来年は噂通り2リットルの3SGのツインターボとなりますが、燃費とレスポ ンスという意味もあります。でも問題は国内ではなくてルマンですよね。今年のよ うなレースとなってしまったら、参加出来るのは限られてしまいます。いくら参加 してイベントを盛り上げることが大切とはいっても、グループCカーの屋根を外し て参加するようなことは、一時的には良いかもしれませんが、長期的に見た場合決 して良いこととは言えません。今年のルマンだってマクラーレンやポルシェ、ニッ サン、スープラを見るためにお客さんは集まったんだと思います。難しいですね」 72.#30 綜合警備PORSCHE 「ピットインで時間がかかったのはガソリンが出なかったんです。1分以上もロス してしまいました。田嶋は2番手のラップタイムが出ていましたし、上位はあまり 差が開いていなかったから、あれがなければ勝ち負けになったんですけどねェ」 (坂田監督) 「スタートで遅れて、後ろには星野さんが早く行けってせっていてくるし、スカイ ラインはクロスしているシーケンシャルだから、僕がHパターンを一生懸命操作し ていると追突されそうになっちゃうんです。何度かは当たっているくらいですよ。 最後にタイムが落ちてきたのは、前も後ろも競争相手があまりにも離れているので 緊張感がなくなっちゃったんです。馬の鼻先に人参をぶら下げると速く走るでしょ (笑)」(田嶋栄一) 73.#70石橋義三 「できすぎです。ここはストップ・アンド・ゴーの連続でクルマ的に不利だし、60kg もウェイトハンデ積んでましたからね。シリーズチャンピオンですか? いやあ、 まだまだ。次から新しいクルマになりますが、それがデータどおりの性能が出るか どうかですね。牧口さんのところも、新しいクルマの性能が上がってきたと思った らリタイアしちゃったし、なにがあるかわかりませんからね」 74.ドライバーズポイント(第3戦終了時点) GT1クラス GT2クラス ドライバー ポイント ドライバー ポイント ----------------------------- ------------------------------ 1 影山正彦 36 1 石橋義三 55 2 関谷正徳 32 1 星野薫 55 2 M.クルム 32 3 石森浩元 22 4 鈴木利男 31 3 松本晴彦 22 5 長谷見昌弘 25 3 竹内浩典 22 6 松田秀士 23 6 黒須俊文 20 6 山岸豪 20 GTアソシエイション事務局 インサイドレポート担当 古屋 知幸 = MGG01235=