全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1/2

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  8        1995/ 4/ 1  FMOTOR4版
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28.ニスモ・チーム監督水野和敏
「R33はまだまだ出来上がったばかりだから、しょっちゅうアップライトを交換し
たりスプリングを換えたりしているんです。しょうがないですよ。でもおかしなタ
イムがないでしょ、2分11秒コンスタントで走っているから。さっきだってフロン
トのキャスターを何度も変えていたでしょ。時間がないんですよ。午後もやること
が一杯あるので本格的なアタックは出来ませんよ」と順調に仕上がってきた“スー
パーGTR”に満足している様子である。
29.#39サードスープラGT
 テストで好調であったスープラ勢は、2分10秒を記録した時からブレーキを多少
変更したくらいでまったくマシンに変化はない。サードは、昨日の満タンテスト時
に新しいセッティングを試みていたが、特に利点も無かったため今日は以前のセッ
ティングに戻して予選にアタックした。しかし、去年とはタイヤが変わっているた
めセッティングがマッチしなかっただけである。当然午後は上位に顔を出してくる
ことだろう。
30.#88レインXタムラ ディアブロ
 午前中の予選アタック中にドライバーが誤って消火器のスイッチを作動させてし
まったため、緊急ピットイン。慌ててスタッフが消火器をストップするという一幕
もあったが、日本で走るのが初めてのマシンとしては順調にプログラムを消化して
いる。
31.チーム・タイサン
午前中の予選で暫定ポールと3番手という好ポジションを得た2台のフェラーリ
は、午後はタイムアタックは行わず本番に備えたテストを行う模様。燃料をギリギ
リしか積まずに、ワーニングランプが点灯してからどのぐらい走れるかを試すらし
い。午前中はタイムアタックをララウリにまかせ、2周しかしなかった#40大田哲
也だが、午後はもう少し周回をこなす予定。
42.TRD鳩谷和春エンジニア
 スープラGTの生みの親であるTRDの鳩谷氏はテストでの好調さを発揮出来な
かった原因を、今年タイヤが変わって各チームがマッチングに悩んでいることであ
ると考えている。
「今年うち(TRD)は直接GTには参加しないで、参加チームのバックアップに
まわっているんです。ですから4台のいずれのスープラも独自にマシンをセッティ
ングしているんです。我々が手を出すと公平さを欠いてしまいますから。去年進ん
だセッティングは完全に振り出しに戻ってしまいましたね。ノウハウを持っている
サードが、去年とは完全に違うタイヤとなってしまったことですね。去年の我々の
ように全力でマシンを開発しているのが今のニスモです。あれだけ苦労していた
ニュースカイラインも2分9秒で走らせてしまうのですから。今夜スープラのチー
ムは寝ないでセッティングを煮つめることになります」
43.#35松田秀士
「新しいとは言っても993GT2はまだ出来たばかりで、ピロボールではなくすべて
ゴムブッシュを使っているんです。だからせっかく14インチの太いタイヤが使えて
もその能力を使いきっていないんです。午前中もたった1セットのタイヤを使って
いるんです。リアウイングを高い位置に取り付けたりしていますけど、次の富士ス
ピードウェイまで空力はおあずけです」
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  9        1995/ 4/ 1  FMOTOR4版
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44.#3ユニシアジェックススカイライン(予選1位)
予選終了直前に2分9秒868という驚異的なタイムをたたき出し、大逆転でポール
ポジションを獲得した長谷見昌弘。その瞬間ピットには大きな歓声が沸き起こり、
戻ってきた長谷見は関係者の握手攻めにあった。昨日トラブルでストップしたとき
には近寄りがたい雰囲気だった長谷見もさすがに相好を崩し、口調も滑らか。「午
前中からいろいろクルマをいじったのがいいほうに出た。フロントサスも変えたし、
サイドステップは両側とも外している。タイヤは午前中に2セット使ったんだけど
一応温存してた。鈴鹿に来る前は、スープラのタイムを聞いて速いなと思っていた
んだけど、こっちに来てからはあるていど自信はあった。ただ本番は影山のほうが
いいんじゃない?  ウチのクルマのタイヤはR33やスープラよりハイトが低いし幅
も狭いから、そのあたりがどうかな。R32は今回が最後になるから、R33がポーン
とタイムを出せばウチも早く戻ってクルマ造んなきゃってなったんだけどね(笑)」
と、最後は冗談めかしていた。#55JOMO R33も好タイムをマークしたことで、
今回パーツが間に合わずエントリーできなかった自チームのR33にも明るい見通し
が立ったようだ。ちなみに、予選終了後、長谷見御大自身から「ポールポジション
せんべい」なるものを頂いたプレスがいたようだ。
45.#55JOMO R33スカイライン(予選2位)
「いや、2回目のアタックの時にガス欠状態になっちゃって。コンマ5秒は損した
かな。まだね、1周は良かったら次は今一つって、バランスが良くないみたい。ま
だまだ開発途中の車だからね。レースを走れば、また考えなきゃいけないでしょう
ね。7秒台を期待した人、ごめんなさいね」とドライバーの鈴木利男は回りを驚か
せるタイムを記録しながら淡々と話した。一方、水野監督は「まあ、予想通りの9
秒台です。実を言うと、ギアもSUGOのテストのままなんですよ。車高もまだ高
いですし。まだまだ、いろいろ試したいこともあるし、決勝はロングディスタンス・
テストの気持ちで軽く行きますよ」と、予選の好タイムにもまだまだ速さに確実性
を付ける努力を惜しまないようだ。
46.#1カルソニックスカイライン(予選3位)
 ここまで順調に進んできたカルソニックだが、最後の最後にツキに見放されたよ
うだ。「最初のアタックでいい感じがつかめたんです。それで、タイヤの左右を入
れ替えてアタックに出たらシケインでポルシェに引っかかって。それが無ければ10
秒フラットだったかもね」と影山。「4WDはタイヤの持ちがいいから、序盤はプ
ロスト走法で前にくっついて行こうかな。そして、最後に勝負を賭けようと思いま
す。でも、今回R33が間に合わなくて、急仕立てでR32スカイラインを使ったんで
すけど、ホントいい車ですね。こいつでもう1勝したいな」。そう語る影山の背後
から「これが最後だから、思いっきり行ってもいいぞ!」とは金子監督。
47.#40太田哲也
「(好タイムをマークできたのは)リストリクターを付けられてエンジンパワーは
落ちてるけど、足回りが煮詰まってきたから。今回、もう1台のF40は18インチタ
イヤを採用してるけど、タイムを見るかぎりどうやらポテンシャルはあっちのほう
が高そう。富士でホイールが間に合えばこちらも18インチにする予定だよ。決勝で
は、一応14秒台くらいでコンスタントに走るつもり。あまりハードにプッシュする
とタイヤが保たないからね。まあGT-Rやスープラの出かたがわからないから、
とくに作戦というのはないよ」
48.#5柏原浩一
「昨日はちょっと足回りを冒険して失敗した。今日はそれをもとに戻したんだけど、
そのセッティングに追われてしまってタイムアタックまでには至らなかった。でも、
それで足回りの方向性は確認できたから、明日の決勝ではかなりいいところまでい
けると思う。トラブルなく走りきれれば他の993 は後ろにいるだろう。ただ、正直
言ってトヨタ、ニッサンまではどうかな。ストレートではウチのクルマもけっこう
速いんだけど、コーナーでは向こうはクッといくのにこっちはジワーッていうかん
じだからね」
                         GTアソシエイション事務局
                         インサイドレポート担当
                         古屋 知幸 = MGG01235=


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