全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.1PRE2

ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  3         1995/ 3/31  FMOTOR4版
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6.#1カルソニックスカイライン絶好調
 昨日の豪雨がうそのように晴れ渡った鈴鹿サーキットで、いよいよSUZUKA
GT300の公開練習が始まった。コースが濡れていた午前中#100 BPポルシェ
が濡れた路面に足を捕られて2コーナーでクラッシュしてしまった。マシンはフロ
ント部分を大破してしまったため、“板金屋”で明日の予選に備えて修理を行うこ
とになった。午前/午後を通じて好調さをアピールしたのは、スープラやR33スカ
イラインではなく、#1カルソニックと#3ユニシアジェックスの2台のR32スカ
イラインであった。長谷見昌弘の乗るFRの#3ユニシアジェックス・スカイライ
ンは濡れていた路面をものともせずトップタイムを連発、午後マシントラブルでス
トップしてしまうまでは完全に長谷見昌弘の独断上であった。長谷見昌弘がストッ
プした後トップに躍り出たのは、昨日の豪雨の中でも最速であった4WDの#1カ
ルソニック・スカイラインである。チームでは「まったく去年のまま、'95年仕様と
なったエンジンが少しパワーアップしているくらい、4WDのトルクスプリットは
セッティングの範囲で変えているだけ」という。テストで2分10秒台を記録してい
るスープラ勢は、セッティングに終始した。JOMO“R33”スカイラインはテス
トスケジュールが残っているため、鈴木利男が2分12秒台を出したに留まっている。
95年バージョンとなって新たな開発作業を行っているフェラーリ勢は、昨年と同じ
17インチホイールを使うO.ララウリのドライブで#40号車がララウリのドライブで
終盤に2番手のタイムを叩きだした。新しいポルシェ993GT2勢はストレートの速
さを証明したが、いずれもサスペンションセットはまだまだこれからという状態で
ある。午後にチェック走行を行ったランボルギーニ・ディアブロは252kmの最高速を
記録した。
7.3月31日フリープラクティス(総合)      24台走行
  No.  車名                            ドライバー             タイム
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 #1 カルソニックスカイライン      影山正彦             2'12.196
 #40 タイサン スターカードF40     O.ララウリ            2'12.266
 #3 ユニシアジェックススカイライン   長谷見昌弘             2'12.607
 #8 FET スープラ           見崎清志               2'12.945
 #55 JOMO R33スカイライン        鈴木利男               2'12.995
 #34 タイサン スターカードF40     A.リード         2'13.016
 #38 セルモ スープラ                E.コマス              2'13.311
 #39 サード スープラGT          J.クロスノフ      2'13.469
 #36 カストロールスープラ             関谷正徳               2'15.089
 #30 綜合警備ポルシェ         田嶋栄一               2'15.592
 *非公式
ALL JAPAN GT CHAMPIONSHIP
'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  4         1995/ 3/31  FMOTOR4版
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8.どうしたスープラ!?
 2週間前のテストで2分10秒台という驚異的なタイムを叩き出しているスープラ
勢は、いずれもセッティングに専念して#8FETスープラが2分12秒台を記録し
たに留まったため、トップタイムを記録した影山正彦等は「もうスープラはハンデ
もらっているの」と言い出す始末。昨日の激しい雨コースが汚れていたことと、各
チームが様々なセッティングを試みていたことが原因であり、明日以降は当然タイ
ムを上げてくることだろう。テストの好結果から“2分8秒台”宣言をしているサー
ド・スープラのJ.クロスノフは「まだまだやることが一杯あるから、今日はそれを
行っただけ」とまったく心配してはいない。
9.#1カルソニックスカイライン
 昨日までMINEサーキットでF3000のテストを行って、今日は鈴鹿と大活躍の
94年GTチャンピオンの影山正彦。午後に長谷見を抜いてトップタイムを叩き出し
た。
「このマシンに乗るのは今年初めてなんですよ。新型スカイラインを使う予定だっ
たので、こっちのテストは全くしてませんでした。でも、チームがベストコンディ
ションに仕上げてくれましたし、エンジンパワーも少しですけどアップしているん
です。午後はガソリン満タンで決勝仕様で走りました。予選ではもう少し速くなる
と思います。スープラが速いって言われてますけど、そう簡単に負けませんよ」
10.#55JOMO R33スカイライン
 ようやくドライコンディションで走ることが叶ったR33スカイラインは、その実
力を徐々に発揮し始めたようだ。午後の走行は何度となくピットインし、その度に
細かくセットアップを繰り返した。水野監督は「うちはまだまだ、熟成の段階です
から。エンジンパワーもちょっと落ちてしまったので、この程度のタイムになりま
した。これで終わりというタイムではなく、R33はこれから1日ごとに速くなって
いきますのでご心配なく。それよりもマイナーなトラブルが無い点は、我ながらい
いじゃないかと思いますよ。そういうトラブルが熟成の遅れにつながるりますから
ね」と、R33スカイラインの今後を確信しているようだ。
11.#5マツダコレクション出光ポルシェ
 シェイクダウン、昨日のテストと雨にたたられた#5マツダコレクション出光ポ
ルシェも今日が初のドライ走行だった。輸入されてきたそのままでほとんど手を加
えられていない993GT2は、ギアが鈴鹿にあっておらず、直線では速いもののコー
ナーではまったくどうしようもない状況だった。「交換用のギアがまだ無いんで、
レースもこのままで行くしかないんです。足回りもまったくそのまんまなんで、
コーナーでは暴れっぱなしです。ギアはともかく足回りは明日に向けて考えてあり
ますから、格段に速くなりますよ」とドライバーの柏原浩一。
12.#34タイサンスターカードF40
 #40が2番手のタイムをマークしたチーム・タイサン。しかし、18インチタイヤ
をはき、ポテンシャルが上がっているはずの#34は、順位こそ6番手とまずまずだっ
たが思ったよりタイムを出せず、千葉監督は厳しい表情を崩さなかった。とりわけ
近藤真彦は不本意な走りしかできなかった様子。「ウーン、今まで乗ったクルマの
なかでもいちばん難しいですね。操作に対する反応が鈍いんですよ。動きをつかめ
ればいいんだろうけど、まだ慣れていないですからね。#40のほうはテストで1時
間ほど乗ったんですが、セッティングが違うんです。リアウィングとか、かなり違っ
てる。今回はまずクルマに慣れることが第一ですね」。
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'95全日本GT選手権                                    Rd.1 SUZUKA GT 300
GTインサイド・レポート            No.  5         1995/ 3/31  FMOTOR4版
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13.#88レインXタムラディアブロ
 午前中は音無しの構えで午後初めて走った#88ディアブロ。走行前、池沢、和田
ともに「見るのも初めてだよ」といっていたが、まったく初めてにしてはまずまず
のタイムを出した。フリー走行は和田が主に担当し、池沢は2周したのみ。午後の
走行中、最後はガス欠でストップした。池沢は「まだ2周しかしてないからなんと
もいえないよ。今、セッティングを決めている最中。和田のリクエストでやってい
る。ガスを思ったより喰うみたいだね。1000回転下げてそれだから...」
一方の和田は「持ってきたばかりだからね。リアのスタビを換えたりしたけど、ま
だまだこれから。シャーシが最新のレースカーとはちょっと違うから、ただただ固
くしてもダメだからね。ウーン、後はおカネのかけ方じゃない?  スカイラインが
12秒台?  4秒ちょっとか...。1秒1千万円かな(笑)。明日?  もうわかってる
よ、15秒台だね」。
14.最高速
 計測場所:1コーナー手前200m看板先  単位:km/h             協力:TRD
        #1     #2     #3     #5    *6     #8     #15
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 午前   236      148      241      249     206      241      182
 午後   242      226      247      255     208      251      232
        #19      #25     *26      #30     *32     #34     #35
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 午前   237      227      -       239      210      237      234
 午後   245      236      220      256      217      244      246
        #36     #38    #39     #40     #41     #55     *70
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 午前   241      245     246      246      221      235      -
 午後   246      248     254      240      243      247      230
      *72     #88     #100
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 午前   227       -      216
 午後   231      252      -
(計測はGTインサイドレポート班による非公式データ)
                         GTアソシエイション事務局
                         インサイドレポート担当
                         古屋 知幸 = MGG01235=


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