全日本ツーリングカー選手権第17戦 レポート --------------------- 94年インターTECの第1レースであるJTCC第17戦は、ポールポジショ ンからスタートした#19星野一義(カルソニック・プリメーラ)が追いすがる 後続を振り切り、自身とプリメーラの今シーズンの初勝利を飾った。2位には 予選31位からごぼう抜きを見せた#87アンソニー・リード(HKS OPEL VECTRA)が、3位は93年のBTCCチャンピオンである#1ヨアヒム ・ウィンケルホック(BMW 318i)が入賞した。 僅差でチャンピオン争いを繰り広げている3人のドライバーは、#39トム・ クリステンセン(TOYOTA CORONA)と#2スティーブ・ソパー (BMW 318i)は完走出来ずにノーポイント。#36関谷正徳(TOYO TA CORONA)は6位に入賞して、決着は第18戦に持ち越された。 この日の富士は前夜まで降っていた雨こそ上がったものの、曇天模様でコー スは湿っている状態。フリー走行と決勝前に行われたフォルクスワーゲン・カッ プによって、レコードラインはドライ路面というコンディション。 ウォームアップ中に、#36関谷のマシンがギア・トラブルのためかヘアピン でストップ。ピットへレッカー移動させられるが、修復はスタートまでに間に 合いそうにない。 また、#2ソパーはフォーメーション・ラップ中にスローダウンして、ピッ トでボンネットとトランクルームが開けられる事態となり、チャンピオン争い は#39クリステンセンが断然有利な状況と思われた。 しかし、レースは思わぬ展開を見せる。2周目のサントリー・コーナーで4 台のクラッシュが発生。これにより赤旗が提示されて、レースは「やり直し」 となる。再度のフォーメーションまでの時間を利用して、2台とも修理が行わ れて本来のグリッドに整列することが出来た。 2回目のスタートが行われたが、またしても1周目のサントリー・コーナー で接触があり、再び赤旗が提示される。 12時8分に3度目のスタートが切られた。 フロント・ロウの#12星野と#3長谷見昌弘(カストロール・プリメーラ) が、そのままの順位で1コーナーに飛び込む。 スタートで3位を確保した#39クリステンセンは、2周目の1コーナーで# 3長谷見のインに飛び込み2位。4周目には#12星野も抜き去り、トップに立 つ。 4周目の順位は、#39クリステンセン-#12星野-#3長谷見-#37鈴木亜 久里-#8見崎-#38黒澤 琢也(TOYOTA CORONA)。 #2ソパー8位。#36関谷11位。#87リードは、すでに15位にまでポジシ ョンを上げている。 4番手争いは、#37鈴木亜久里(TOYOTA CORONA)を#8見崎 清志(FET SPORTS COROLLA)が攻めたてる。 #38黒澤は5周目のヘアピン立ち上がりから300Rまでに#8見崎を抜き、 #37鈴木亜久里に迫るが、6周目にダンロップコーナーで接触。2台とも#8 見崎に抜かれるが、7周目の1コーナーで2台揃って抜き返す。この3台の後 ろに#2ソパーと#14服部尚貴(ジャックス・シビック)が迫り、8周目に# 8見崎を抜く。 9周目、#39クリステンセンと#12星野の差は1秒8。#12星野は徐々に接 近を始める。 #2ソパーは10周目の1コーナーで#38黒澤のインを奪い、5位にポジショ ンアップ。以下、7位:#14服部-7位:#8見崎-8位:#36関谷。 12周目のヘアピンで#12星野が#39クリステンセンに追いつく。13周目の1 コーナーで一旦トップを奪うが、アウトに膨らんだところを突かれて、再び2 位に。 4位争いは、ますます激しさを増し、追い上げて来た#87リード、#1ウイ ンケルホックも加わり、7台が一団となって1コーナーに飛び込む。 14周目の4位は#2ソパー。以下、#37鈴木亜久里-#1ウィンケルホック -#36関谷-#87リード-#14服部。 1コーナーで、#87リードと#14服部が#36関谷を抜く。 15周目には#2ソパーが#3長谷見に追いつき、16周目には3位に。 17周目、トップの#39クリステンセンと2位#12星野の差は0.7秒。#2 ソパーが100R手前でコースアウトしてレースを終える。3位に返り咲いた #3長谷見の後ろには、#87リードが迫る。 19周目、#39クリステンセンがダンロップコーナーでコースアウト。ピット にはたどり着いたものの、入賞は絶望的となる。 20周目、#87リードが#3長谷見を1コーナーでかわして2位。 レースは、#12星野は2位に10秒以上の大差で優勝。2位#87リード、3位 はファイナルラップで#3長谷見をかわした#1ウィンケルホックが入った。 チャンピオンを争う3人は、#36関谷が6位5ポイントを挙げて総合2位に。 3ポイント以内にひしめく混戦となった。 3人とも13戦でポイントをゲットしており、第18戦では「引き算」がおこる。 シリーズポイント(第17戦終了時) TOTAL 有効ポイント #39 トム・クリステンセン 133 133 #36 関谷 正徳 131 131 #2 スティーブ・ソパー 130 130 レポート:GEA00555★進藤 泰昭