International F3 League

F3: 富士F3決勝レポート

 FIA公認のF3イベント「Panasonic 2nd.インターナショナル
F3リーグ1991」は1日、富士スピードウェイで行われ、ホルディ・ヘネ(ス
ペイン)がF3レース初優勝を飾った。2位はデイビッド・クルサード(イギリス)、
3位には日本の高村一明が入った。また、注目の野田英樹は17周目のヘアピン手
前で他車と接触、ピットまで戻ったもののそのままリタイヤとなった。(観衆4万)
 F3の決勝レースは、A・B各組の決勝選抜レースで12位までに入ったドライ
バー24人と、これに該当できなかったドライバーの中から、土曜日の予選順位が
良かったドライバーを各組3人づつピックアップし、合計30人のドライバーによっ
て争われた。
 今日の富士スピードウェイは、朝から12月にしては非常に暖かい天候に恵まれ
たが、決勝レースに先駆けて行われたA・B各組の決勝選抜レースや、その後にサ
ポート・レースとして行われたFJ1600のレースで赤旗が出た関係で、スケジュ
ールが大幅に遅れてしまい、F3の決勝レースがスタートする頃には太陽が西の山
へ沈みかけ、少々肌寒い気温となっていた。
 スタート直後の1コーナーはまずオーダー通り。ポールから飛び出したクルサー
ドを先頭にヘネ、バリチェッロ、野田の順。だが野田は立ち上がりですぐさまバリ
チェッロをパスして3位に浮上。オープニング・ラップはクルサード、ヘネ、野田、
バリチェッロ、クリステンセン、高村の順。高村はこの後、クリステンセンやヴィ
スコらと激しい5位争いを演じ、5周目のサントリー・コーナーではクリステンセ
ンをかわして5位に上がる。
 トップの4台の順位は10周まで同じで、クルサードからバリチェッロまでの間
隔は2秒とない。だが、トップ集団は次第にクルサードvsヘネのトップ争いと、
野田vsバリチェッロの3ー4位争いへと分かれていった。
 その3ー4位争いは11周目あたりから激しい攻防戦が展開される。まず、11
周目の1コーナーでバリチェッロが野田をパス。だが野田も負けじとAコーナーで
ミスをしたバリチェッロを抜き返して3位に。これ以降、この2人は毎周のように
1コーナー手前から立ち上がりにかけて激しいバトルとなる。その後方では高村が
ややペースを落としてしまい8位あたりに後退。
 野田とバリチェッロがドッグ・ファイトを演じているなかトップ争いも白熱した
展開に。10周を過ぎたあたりからヘネのペースが上がり始め1分29秒台をマー
ク。クルサードにプレッシャーをかけ始めた。そして13周目、ついにヘネがクル
サードをかわしてトップに躍り出た。トップを奪われたクルサードも後ろから激し
いプレッシャーをかけるが、どうもこれまでのペースで走れないようでヘネとの差
が少しづつ開きだす。
 その後方では相変わらず野田とバリチェッロが激しいバトルを展開。また、中段
では金石が徐々にペースを上げ始め15周目には9位まで浮上。
 16周目、再びヘネとクルサードの差が縮まり始める。3位争いは1コーナー手
前でバリチェッロが野田をパス。野田も必死に食い下がる。だが、ヘアピンの手前
で野田がマシンをスライドさせ、マシンはイン側の芝生へ。そのままヘアピンのク
リッピング・ポイントまで滑る格好となったが、何とそこにはヘアピンに差しかかっ
ていたバリチェッロが。両車はそこで接触。バリチェッロのマシンはクルリと横を
向きヘアピンを塞ぐ格好となり、彼はそのままマシンを降りた。野田は何とかマシ
ンをピットまで運んだが、エンジンがストップしており、そのままリタイヤとなっ
た。
 この時点で優勝争いは完全にヘネとクルサードの2人に絞られた。ヘネとクルサー
ドの間隔は幾分縮まったようだが、それでも依然としてヘネがトップをキープ。そ
の後ろでは激しい3位争いが。ピットインで脱落したクリステンセンに代わって浮
上したヴェルナーを頭に、ヴィスコ、高村、金石、フィッティパルディと続く。ま
た中段では近藤真彦が影山正美らとバトルを繰り広げる。
 19周目、1コーナーで高村がヴェルナーをパスして4位に浮上し、ヴィスコを
激しく攻めたてる。残りは後僅かしかない。その後ろでは金石がヴェルナーをパス
して5位に。また、ダンロップ・コーナーでは13位争いをしていた近藤と影山が
接触。近藤はエンジンがストップしてしまったようでそのままマシンを降りた。
 そして迎えたファイナルラップ。1コーナー手前で高村がついにヴィスコをパス
して3位に浮上。サントリー・コーナーやヘアピンでもヴィスコを抑る。トップは
依然としてヘネ。クルサードも必死の追い上げをみせるが届かない。
 結局、14周目からトップに立ったヘネがクルサードの追い上げをかわしてトッ
プでチェッカーを受けた。2位には約1秒差でクルサード。そして、3位にはヴィ
スコの猛チャージを辛うじてかわした高村が入り、地元日本人の面目を保って表彰
台に立った。
 *浜田 貴志 (MHA01070/RIJ)*


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