全日本F3000

モーラC2:F3000第6戦(富士)リリース

=============== MOLA C-TWO RACING TEAM PRESS RELEASE =================
                            1990年8月15日
                 モーラ・シートゥー・レーシングチーム
      1990年全日本F3000選手権・第6戦
     「Nippon Shinpan SUPER CUP Rd.3
      FUJI CHAMPIONS」
●開催日・天候:予 選 8月11日(土)・晴(コース状態:ドライ)
決 勝  8月12日(日)・曇(コース状態:ウェット&ドライ)
●開 催 地:富士スピードウェイ(全長:4.470Km)
       静岡県駿東郡小山町大御神
●観客動員: 3,850人(予選日)
      61,500人(決勝日)
●ドライバー:金石 勝智(21歳)
●車 名:MOLA C2 T90(ゼッケン20)
●レース結果:予選 32台出走 28位
         (Bグループ出走16台 14位・1分20秒346)
       決勝 18位(ベストラップタイム 1分21秒164)
●決勝出走台数:28台
●完走台数:19台
●スポンサー各社:財界二世学院
         ヒビノ株式会社
東亜ビジネスコンピュータ株式会社
         株式会社ウイング・ラボ
 全日本F3000シリーズも第6戦、いよいよ後半戦へと差し掛かった。前戦の
菅生からわずか2週間のインターバルでモーラ・シートゥー・レーシングチー
ムは「日本信販スーパーカップラウンド3 富士チャンピオンズ」レースに挑
んだ。
<公式予選 8月11日(土)>
 台風11号の影響により金曜日の練習走行が中止されたため、急遽土曜日の
7時50分から30分間の練習走行が設けられた。金石は決勝用のセッティン
グで1分22秒7(チーム計測)をマークする。気温は高いものの雲は低くた
ちこめ、天気は予断を許さない状態だ。
 午前11時18分、Bグループ1回目の予選が開始された。金石は1セット
目の予選用タイヤを装着してコースイン。3周をウォームアップに費やした後、
4周目に1分20秒836をマークする。ピットイン後、水で冷やしたタイヤ
を左右にローテートし、再びタイムアタックするものの1分21秒を切る事は
出来ず、1回目の予選は終了した。この時の順位はBグループ10位だ。
 午後4時5分より開始された2回目の予選は、1回目の予選で使用したタイ
ヤで5周した後、ピットインし2セット目の予選用タイヤを装着する。1回目
より気温がやや下がりコンディションも良くなったせいか、中谷選手、片山選
手ら1回目のタイムを大幅に更新する選手も現れている。ニュータイヤを装着
して、ピットアウトした金石は2周目に1分20秒346を出したものの、そ
の後タイムは伸びず、これが予選のベストタイムをなった。金石はBグループ
14位で予選を通過し、翌日の決勝レースに最後尾から挑む事になった。
金石 勝智
「(金曜日の練習走行が中止になった事について)特に影響はないと思います。
2回目のタイムアタックでクリヤラップは取れたのに、シフトミスをしてしま
ったのが非常に悔しいです。」
山口 公一監督
「朝のフリー走行で1分22秒7、そして1回目の予選で1分20秒836。
この1秒9のタイムアップは評価できます。でも2回目の予選でもう少しタイ
ムアップをして欲しかったですね。彼の実力なら1分20秒346からもうコ
ンマ5秒は行けたと思うんですよ。もう少し早いラップでタイムを出すコツを
身につけないといけませんね。他チームがレベルアップしているから、ちょっ
とタイムが伸びないと予選でこういう位置に来てしまうわけです。」
<決勝レース 8月12日(日)>
 8時から開始されたフリー走行で、チームはマシンに80リッターのガソリ
ンを積み、2種類のタイヤを試して決勝レースで使用するタイヤの選択を行っ
た。さらに金石が3速ギヤにシフトアップした際の加速の鈍さを訴えたため、
3速ギヤを交換した。
 照りつける日差しの中、28台のマシンがグリッドに整列し、赤ランプが点
灯。28人のドライバーの集中力が一気に高まる。そのとき池谷選手が両手を
上げエンジンをストールさせた事を訴える。スタートは延期だ。その頃から第
1コーナー方面から雨雲が富士スピードウェイの上空を覆い、コース上を徐々
に濡らしていった。この急激な天候の変化のため、主催者はスタートの延期を
決定し、各チームはピットで待機する事になった。
 14時45分、7分間のフリー走行が開始された。コースは完全にウェット
だが、雨は既にほとんど上がっており、レース途中でコースが乾くのは確実だ
った。鍵和田チーフエンジニアの指示によりマシンはフロントウイング・フラ
ップの仰角を立て、リヤはドライ状態では取り外しているミドルウイングを装
着してダウンフォースを多くとるセッティングに変更された。そしてスタート
時にはレインタイヤを装着し、レース途中でスリックタイヤに交換する作戦だ。
 雨のレースのスタートが切られようとした時、今度はクロスノフ選手が両手
を上げた。2度目のスタートディレイに各チームのメカニックがエンジン始動
用のエアボンベや、タイヤを運ぶためピットレーンを慌ただしく動き回る。
 予定より2時間遅れて15時31分、スタートが切られた。轟音とともに水
煙が一斉に上がる。金石はスタートダッシュで中子選手を抜き、1コーナーと
Aコーナーで松本選手ら5台を抜き、1周で22位にポジションアップ。さら
に前を走る岡田選手を追撃し、チーバー選手のスピンもあって6周目には20
番手に上がる。だが7周目を終えたところで金石はピットイン。突然のことに
山口監督がコクピットの金石に駆け寄る。スリックタイヤはまだタイヤウォー
マーに包まれた状態のため、取り合えず用意してあったインターミディエイト
タイヤ(ドライタイヤのコンパウンドに排水用の溝を彫ったタイヤ)を装着し
てコースに送り出す。この42秒のピットインで金石は27番手まで順位を落
としてしまった。コースは既に乾いており、すぐにインターミディエイトタイ
ヤはブロー状態となりグリップを失う。15周を終えたところで金石は2度目
のピットイン。25秒でタイヤ交換を終えたクルーが金石をコースに送りだし
た。
 金石は24番手の最下位でコースに復帰し、他車のスピンなどもあって18
位まで順位を取り戻し、1分21秒台で池谷選手を追走したものの、その差5
秒3まで縮めたところでチェッカーとなった。
金石 勝智
「スタート直後は水しぶきで何も見えなかったんですけど、1コーナーとAコ
ーナーで何とか前に出られました。1回目のピットインは『IN』のサインが
見えたのでピットインしたんですが、残り周回数の表示を見間違えたみたいで
す。一応、入る前の周にピットに向かって『入りますよ』ってサインは出した
んですけれど。すぐにピットアウトしたんですが、ライン上は既に乾いていた
からインターミディエイトはすぐにダメになって、それで再びピットインしま
した。スタートの延期や、変化する路面コンディションなど、とにかく難しく
て長いレースでした。勉強になりました」
山口 公一監督
「ウェットのレースになったのでドライバーには『フライングする位の気持ち
でスタートで前に出ろ』って言ったんです。で、1周目で5台抜いてきました。
でも、1回目のピットインの時は何でピットインして来たか解りませんでした。
もしあの時にスリックタイヤを用意してたら、迷わずそれで行かせたんですけ
どね。こういう状況だとドライバーも含めてチームとしての経験不足が出てし
まいますね。雨になった場合何が必要なのか、マシンをどうしたらいいのか、
全員が解っているかいないかが、大きな差となって出たと思います」
  提供:モーラ・シートゥー・レーシングチーム


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