全日本F3000

モーラC2西日本F3000情報

      MOLA CTWO RACING TEAM
       1990年全日本F3000選手権・第3戦
   「NIPPON SHINPAN SUPER CUP Rd.1
       NISHINIHON ALL STAR」
                           1990年5月16日
●開催日・天候:予選 5月12日(土)曇り(コース状態:ドライ)
        決勝 5月13日(日)曇り(コース状態:ドライ)
●開催地   :西日本サーキット(全長:2.8155km)
●観客動員  :11,000人(予選日) 49,600人(決勝日)
●ドライバー :金子 勝智(21歳)
●車名    :MOLA C2 T90(ゼッケン20)
●レース結果 :予選29台出走 22位
        (Bグループ出走15台 11位・1分0秒124)
        決勝 10位(ベストラップタイム 1分2秒425)
●決勝出走台数:26台
●完走台数  :15台
●スポンサー各社:財界二世学院
         ヒビノ株式会社
 鈴鹿、富士と転戦した全日本F3000選手権シリーズの第3戦「日本信販スーパー
カップラウンド1・西日本オールスター」が5月12日(土)、13日(日)に山口
県美弥市の西日本サーキットで行われた。モーラ・シートゥ・レーシングチームは前
戦の富士と同じくローラT90-50を使用した。西日本サーキットは昨年、全日本
F3シリーズで金石が最上位の2位に入ったサーキットで、金石自身も好きだという
サーキットである。
<公式予選>
 通常のレースウィークより一日早く、今回は木曜日から公式練習走行が開始された。
4月19、20日にこのサーキットで行ったタイヤテストで金石は1分1秒台をマー
クしていた。だが今回、走行を開始するとアンダーステアが強い事を金石は訴える。
タイム的にも1分3秒台を切れない。西日本サーキットは鈴鹿、富士に比べ決勝出走
台数が26台と2台少ない事もあり、このまでは厳しい状況だ。翌日金曜日の午前中
の練習走行でも同じ状況のため、チームはここでサスペンション、空力関係を中心に
大幅なセッティング変更を行った。午後の走行で金石は1分2秒2までペースアップ。
この結果、予選にも同じセッティングで挑む事になった。
 初夏の日差しがサーキットを照りつけ、気温が26度まで上昇する中、11時31
分に予選Bグループ1回目の予選が開始された。1セット目の予選用タイヤを装着し
金石はコースイン。4周目に1分0秒124をマークする。5周を終えたところで一
旦ピットイン。タイヤに水をかけて冷却し、フロントウイングの仰角を調整して再び
コースインしたものの、タイム更新は成らなかった。
 3時10分から行われた2回目の予選では気温が上昇し、殆どのチームがタイムの
更新は成らなかった。金石も2セット目の予選用タイヤを装着してタイムアタックを
行い、8周目に1分0秒290を出すが、午前中のタイムを上回る事は出来なかった。
総合結果ではBグループ11位。Aグループ首位の松本選手がポールポジションを獲
得した。金石は11列目アウト側、22番手のグリッドからのスタートとなった。
金石 勝智
 「木曜日に走り始めた時は、折り返しのヘアピンやインフィールドのS字でアンダー
が出て、なかなか攻められなかったんですが、段々良くなりました。ここは抜く場所
が少ないからスタートが重要になりますね。」
山口 公一監督
 「木曜日に走り出した時に設定したセッティングが裏目に出ましたね。確かにアン
ダーステアになる要因はあったんですが。こういう状況になるとベテランドライバー
はドライビングテクニックでカバーできるんですけど、まだドライバーが経験不足で
すから、ドライバーに車を合わせてやる状態です。チームの経験の差が出ますね。」
<決勝レース>
 決勝日、西日本サーキットには前日からの徹夜組も含め、4万9,600人の大観
衆が詰めかけた。フリー走行で金石は2セットのタイヤを試し、18周を消化して1
分1秒3をマーク。この結果、チームはソフトコンパウンドのタイヤで決勝レースに
臨む事を決定した。
 14時06分、藤田競技長により日章旗が振られ、26台のF3000マシンがス
タートした。金石はオープニンググラップを予選順位と同じ22番手で終えた。フラ
イングのペナルティによるバイドラー選手のピットインや、アクシデントによる中子
選手、ダナー選手のピットインにより19位まで順位を上げた金石は、前を走る松田
選手を追走する。15周目、メインストレートで松田選手のスリップストリームから
抜け出た金石は、1コーナーでインからパスし18位に浮上する。
 金石は今度は岡田選手を追走、26周目の1コーナー出口でインを突く。バックス
トレッチで再び並びかけたものの、すり鉢コーナーで再びインを突き13番手に上が
る。金石は今度は前を走る中谷選手を1分2秒台で追撃にかかった。
 金石は中谷選手との差を35周目で12秒4、45周目で6秒4、50周目で5秒
7、60周目には3秒を切り、着々とその差を詰めていった。チーバー選手、和田選
手、関谷選手、鈴木選手らがスピンやマシントラブルで脱落して行く中、順位も57
周目には9番手まで上がっていた。しかし69周目、金石は最終コーナーでスピン。
この後方で3位争いをしていたベルタッジア選手と片山選手も金石を避けようとダー
トに飛び出したが、幸い3台ともコースに復帰する事ができた。金石はこの間にダナー
選手に抜かれ10位に順位を落とすが、そのままチェッカーを受けた。
金石 勝智
 「スタートは1速で引っ張りすぎて2速にシフトアップするタイミングが遅れてそ
れで抜かれてしまいました。レースではアンダーステアも消えていい感じで走れまし
た。特に最終コーナーと1コーナーが速かったですね。終盤、中谷選手に追いつけそ
うだったので、早く周回遅れの松田選手を抜こうとしたんです。それで最終コーナー
を思いっきり行ったら、スピンしてしまいました。エンジンも一度止まっちゃたんで
すけど、ギアをローに入れてクラッチをつないだら動いてくれました。ミラーにベル
タッジア選手と片山選手の姿が見えたので、なんとかしようとしたんですが、悪い事
をしてしまいました。レース中はなんともなかったんですけど、降りたら気が抜けた
のか右足がちょっと痛いです。今回10位ですから、次の目標はポイント獲得ですね。
」
中込 林チーフエンジニア
 「このコースだから、サスペンションを柔らか目にセッティングしていたんです。
しかしアンダーステアが、特に右コーナーで強かった。そこで、金曜日の午後からス
プリングやダンパーなど足回りや、フロントウイングを左右非対称にするセッティン
グに変更したんです。もう少し早くから、そのセッティングを試す事ができたらと思
いますよ。」
山口 公一監督
 「ようやくドライバーがF3000を解かってきたという感じですねぇ。これまで
やってきたF3では問題にならなかった事が、F3000ではシビアに出てきますか
ら。タイヤの選択は結果的にソフトコンパウンドを使って成功しましたね。レース中
のタイムはセカンドグループの中で走れるレベルなんですから、もう少しスタートが
良ければ、もっと上位に行けたと思います。次の鈴鹿は前半戦の区切りですから、開
幕戦からやってきた事を最大限に活かすことが課題です。」
株式会社ビギがモーラ・シートゥー・レーシングチームへスタッフウェア提供を決定
 モーラ・シートゥ・レーシングチームは、5月26日(土)、27日(日)に三重
県・鈴鹿サーキットで行われる全日本F3000選手権・第4戦「ミリオンカードカッ
プレース ラウンド2鈴鹿」より、株式会社ビギ(本社:東京都渋谷区)よりスタッ
フウェアの提供を受けることを決定しました。
 今回のスタッフウェア提供はBIGIの「INSPIRE」ブランドのプロモーショ
ンの一環として行われるもので、モーラ・シートゥ・レーシングチームのドライバー、
チーム監督以下スタッフ全員が着用し、全日本F3000シリーズ残り7戦に出場し
ます。
   提供:モーラ・シートゥ・レーシングチーム


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