●スティーブ・ミレンのニッサン300ZX、ポール・ツー・ウィン 金曜日に続き再び雨となった富士スピードウェイのIMSA-GTチャレンジ・イン ・富士は、第1ヒート(20周)が終了。ニッサン300ZXのスティーブ・ミレンが ポール・ツー・フィニッシュで優勝を飾った。 しかし、他のマシンは、エンジントラブル、コースアウトなどで、まともに走 ることができずに終わった。 アメリカからきたドライバーたちにとっては、ふだんはローリングスタートの ため、日本のスタンディングスタートは慣れておらず、昨日の予選後、特別にス タート練習時間を設けたが、もともとがローリングスタートを前提としたマシン のため、ギア比も高く、スタートはギクシャク。エンジンが壊れるのではないか とメカニックも不安そうだった。 そのスタートの不安が的中したのがニッサン300ZXのジェレミー・ディル。ス タートで十分な加速ができず、1コーナーでJSSクラスのマシンにインをつかれ、 姿勢を崩してコースアウト。グラベルベッドにストップすることになった。 マツダMX-6のジョン・フィンガーは、Aコーナーでスピン。100Rで車を止めた。 オールズモビルのトミー・リギンズはエンジンの電装系に水が入ったのか、スタ ートできずにピットに引き戻され、そのままレースを終えた。 フォード・マスタングのドーシー・シュローダー、ニッサン240SXのボブ・レ ィツインガーも、エンジンが吹け上がらずにスロー走行。 「気温が低くて、ガスがリッチになってしまっている。それでエンジンがかぶっ てしまっているんだろう。アメリカでは70度(華氏)くらいがふつうだからね。 今日は40度くらいしかないだろう」と、マスタングのドライバー、シュレイダー は説明してくれた。 また、このようなヘビーウェットのレースを経験している選手も少なく、とま どっていたようだ。 「昨日のようにドライだったら、もう少し日本の選手と競うこともできるだんけ どね」と、マツダMX-6のジョン・フィンガーも語っていた。 優勝したスティーブ・ミレンは、周回遅れにひっかかったときのほかは、尻上 がりにタイムを上げ、最終的には1分52秒484の最速ラップも記録した。彼も、 兄のロッド・ミレン同様にオフロード・トラックの経験もあることから、滑るコ ースでのコントロールに慣れているようだ。 すがやみつる(SDI00104)/富士スピードウェイ